心斎味仙
昨晩降った雨の影響か、朝の内は厚い雲に覆われた空だったが、日が昇るに連れ雲は姿を消して安定した青空が広がった。最高気温は24℃止まりで空気は爽やかで過ごしやすい1日となった。
西武新宿駅前通りと新宿税務署通りの交差点近くにある『心斎橋味仙』。こう書いて「ミナミアジセン」と読ませる。文字通り大阪心斎橋で1981(昭和56)年創業以来長く営業を続けていたのだが、2018(平成30)年10月この地に移転してきたらしい。筆頭基本メニューが「台湾麺」になっていて、中細ストレート麺を使いスープは透明度があり挽肉が入っているから、少しラーメンの知識がある人からすれば、名古屋の地麺「台湾ラーメン」の祖である『味仙(みせん)』の関連店かと思うはず。でも全く無関係な店らしい。読み方も違うし。そんな不思議な経歴の店に興味を惹かれ新宿までやって来た。
食べログに書かれていた開店時間ちょうどにやって来たが既に営業中の札が出ていて先客2人が食事をしていた。厨房には東南アジア系の男の店員が1人。店内隅に設置されたボタン式券売機で食券を購入すると片言の日本語で「こちらの席へドーゾ」と予め水の入ったコップが置かれた席へ案内された。客席は厨房を取り囲むコの字型カウンター15席。食券を差し出すと「セロリ入ってますが大丈夫ですか?」とか「ご飯サービスになりますがどうしますか?」と聞かれた。ワンオペで忙しいのに大声で片言の日本語を喋り明るい。接客態度で良い人柄が滲み出ていた。調べてみるとミャンマー国籍の名物店員らしい。後客は6人くらい。いずれもラオタ系ではなく学生や作業着姿の男達やおばちゃん2人組だったり、およそ新宿の街っぽくない客層で普段使いしている様子だった。店内には台湾歌謡曲みたいなBGMが流れていた。
ラーメンメニューは「台湾麺」「担仔麺」「炸醤麺」「四川麺」「葱油拌麵」の5種。最後の「葱油拌麵」は汁無し麺で、他の4種は辛さとこってり度がチャート化された写真が店内にありわかり易くなっていた。看板に書かれていた「担仔麺」がイチオシなのだろうと推測してそれを注文した。セロリ有、ミニご飯有りでお願いした。そうしたら味玉が入ったしっかりした麺量の一杯としっかりした量のご飯の上にチャーシューの細切れがのっていたものが提供された。新宿の地で850円でこのボリューム感は「あれ?注文間違えたかな?今令和8年だよな?」と不安になるほどだった。ご飯メニューに魯肉飯や炒飯があったけどもうこれで十分だろう。ランチ限定サービスかも知れないけど。
「担仔麺(タンツーメン)」とは名古屋「台湾ラーメン」の原型となった、実際に台湾で食べられている麺料理のこと。適度なかたさがある中細ストレート麺で豚そぼろ肉が入っているところまでは一緒だが、もやしと香菜代わりにきざんだセロリが入っている。また台湾や名古屋『味仙』今池本店では日本の茶碗サイズで提供されるが、こちらはしっかりラーメン丼に結構な麺量で提供された。
辛味ラー油が少しかかっている程度で辛味もそれほどではない。スープは日本のラーメンとは異なり出汁の旨味はあまり感じないものだったけど、あっさりしていながら塩味も感じてで飲みやすかった。セロリはそれほど主張してこなかったので食べやすくもあった。味玉は自分が好きなかたゆで玉子。店名の漢字が同じなので名古屋『味仙』と勘違いして辛味を期待していた客が不満を言うのは理解出来るけど、自分は違いを知りたくて訪れたし激辛マニアというわけでもないので、あっさりと食べやすく美味しく食べすすめられた。スープ完飲の完食になった。
更にはこんなミンチ肉飯までサービスされては文句なんて出ないよ。コップの水を飲み干し空に丼をカウンター上に上げて「ごちそうさまー」と言って退店しようとすると、ミャンマー人店員は厨房から出てきて入口の重めの扉を開けてくれて「アリガトウゴザイマシター!」と見送ってくれた。腹いっぱいになって気分良く店を後にした。
味仙という店名だけど名古屋の『味仙』とは全く無関係。だけど台湾の担仔麺風のラーメンを同じく提供している。『心斎橋味仙』と名乗りながら新宿歌舞伎町で営業している。店内には台湾歌謡曲が流れているけど厨房ではミャンマー人店員が1人奮闘している。色々と面白い店だった。好印象で気に入ったので機会があれば再訪問したいなと思った。










































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