六九鎮魂
昨夜から降り続いた雨は今朝になっても止まず。時折止んでもまた霧雨みたいに降り出す。梅雨らしい空模様だ。
今月の「ラー博倶楽部の日」は特別編。『支那そばや』創業者である故・佐野実氏の鎮魂歌と題し、生前親交の深かった『ロックンスリー』店主の嶋﨑順一氏がロックの日1日限りの特別なラーメンを提供するそうだ。故人とコラボと謳うのはどうかなとも思うけど、要は「食材の鬼」と言われた佐野実氏が厳選した食材を使って、嶋﨑氏が高校生の頃に「東京中華そば」をイメージして作った自作ラーメンを元にして作ろう、といった趣旨のようだ。
大々的に事前告知を行っていたから大行列が生じることが予想されたので開店予定の1時間半以上前にラー博に到着したのだが、既にラー博の建屋の隣のビルの端の方まで大行列が出来ていた。何でも先頭の客は朝6時半くらいには並んでいたそうだ。そんなだから開店予定の1時間前には行列は大通りの角を曲がって更に延びていたようで急遽入館だけは前倒しで行われた。その後も館内で30分以上並んで待った後に結局整理券が渡されることになった。そのおかげで列に並び待ち続ける事からは解放された。LINEで通知が来て再び並んで食券を買って何とか正午前には入店出来た。入店時にポストカードと食材が書かれたチラシを渡された。店舗は『ラー博LIMITED』の場所。厨房には嶋﨑氏の他、氏と関わりの深い『飯田商店』の飯田店主、『中華そばしば田』の柴田店主、『ラーメン屋トイ・ボックス』の山上店主という豪華サポーター陣が厨房に揃い踏みだった。個人的に厨房に立つラーメン店主を尊敬する気持ちはあるけれど、スター性を感じ崇拝するような感覚は持ち合わせていないのであまり視界には入ってこなかった。でも嶋﨑氏が例の湯切りをガラス越しとはいえ間近で見れる席に座ることが出来たのは幸運だったしアトラクションとして気分を盛り上げてもらえたけどね。
佐野 実 ✕嶋﨑順一 ロックの日 『コラボ限定メニュー』 2800円
本日のみ、しかも500食限定の貴重な一杯があまり待つことなく提供され眼の前に置かれた。シンプルに見える一杯。入店時に貰った食材が書かれているチラシに佐野実氏の厳選食材の数々が書かれているが、そんなものを読んだところで素人が理解るはずもない。ただこの金額は嘘偽りなく本気に取り組んだ結果だと信じたい。
提供前に自分の中で心配事がひとつあった。ラー博公式noteでは『支那そばや』初期の丼で見本が撮影されていた。あのシンプルなデザインは自分の中でも好きなラーメン丼のひとつなのでそれで提供されるのを楽しみにしていたのだが、何と当日丼は4種類の中からシャッフルで提供されるというのだ。内訳は『支那そばや』初期丼/『支那そばや』二代目丼/『69’nRollOne』初期丼/『ロックンスリー』塩丼だ。厨房内の有名店主揃い踏みより、どの丼で提供されるのかの方が個人的にはよっぽど重要だったので気が気でなかった。念願叶って無事『支那そばや』初期丼で提供された時は嬉しかった。この丼で食べるのは約3年前「あの銘店をもう一度」時の『支那そばや』の「鵠沼時代を復刻した醤油らぁ麺」以来だ。
麺は意表を突いた中細縮れ麺。『支那そばや』らしくも『ロックンスリー』らしくもない。でも東京中華そばらしいといえばらしいか。具は九条葱、ぶしゅかんと言う柑橘類のきざみ、金時草と呼ばれる葉が2枚、メンマ数本、巻きバラチャーシュー2枚。この巻バラチャーシューはシンプルで普通の見た目なのにかなり美味しかったな。スープは地鶏メインで豚や牛も使っているそうでじんわりと品の良い旨味を感じる。複雑な味わいを感じる『支那そばや』とは異なり、どちらかと言えば『ロックンスリー』寄りにシンプルに美味さが伝わってくる感じがした。スープ表面にラード層もあってラーメンを食べている満足度もしっかり感じられた。こんな貴重で高価なスープを残せるはずもなく完飲完食した。朝も早くから約2時間半も待って我ながら物好きだなーと思いつつ、貴重で美味しい一杯を食べる経験が出来たので大満足で退店出来た。


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