新宿桂花
どんより曇った空模様で5月の段階ですっかり蒸し暑くなった。昨夜の時点で布団を全夏仕様に変えると決めていたので朝から布団干しをしてから外出した。
『桂花ラーメン』。1955(昭和30)年熊本で創業。創業者が久留米のラーメン屋台『三九』を食べて衝撃を受けて店を立ち上げたという。創業当時から『こむらさき』、『味千ラーメン』の創業店主とは親密な関係だったそうだ。2010年に『桂花ラーメン』創業者の経営母体が破産した際に『味千ラーメン』創業者が事業を受け継いだのはそういう理由で、現在も『味千ラーメン』の経営母体である重光産業㈱の傘下にある。しかし全国に展開していた『桂花ラーメン』のほとんどの支店は破産した時に閉店してしまい、公式HPによると現在店舗があるのは熊本と東京のみだという。昔は横浜ビブレの地下にも店舗があったんだけどな。
偶然『桂花ラーメン』に注目した動画を目にしてしまい「久々に太肉麺食べてみたくなったなー」とここ1か月くらい思い続けていた。先に書いた通り近場に店舗はないのでわざわざ新宿の店舗へ出向くことにした。向かった店舗は『新宿ふぁんてん』という歌舞伎町入口近くの路地の地下にある店舗。奇妙な名前は中華系一品料理も提供する意味での『桂花飯店』が語源になっているそうだ。なのでこの店には東京で唯一炒飯や餃子を食べることが出来る店舗になっている。そして45年続いたこの店舗は夏場の調理場が劣悪な環境になってしまい構造的に改善困難という理由で来月6月30日で閉店してしまうのだそうだ。先に書いた動画はこの店舗の閉店を惜しむ内容だったのでこの店舗で太肉麺と炒飯を食べてみようと思ったわけだ。
店に到着するなり、路上に直接横になって寝ている髭面の男と、それを起こそうとしている若い1人の警官という、いかにも歌舞伎町っぽい光景に出くわした。それを横目に地下にある店舗に降りていく。この店は朝8時から営業しているので当然営業中だったが、自分が店内に入った瞬間は店員が暇そうに客席で座っていた。自分の姿を見て慌てて厨房に戻っていった。入口脇のタッチパネル式券売機で電子決済し食券を購入。店員に「お好きな席へどうぞ」と言われたので適当な席へ座って食券を差し出すと、コップとピッチャーに入ったプーアル茶が提供された。厨房には男の店員2人。客席は厨房前一列のカウンター4席と壁向かい逆L字型カウンター4席。テーブル席が2人卓、4人卓、5人卓がそれぞれ2卓づつ。後客2人。
『太肉麺』1350円+『半炒飯』 580円=1930円
目的のメニューを注文。新宿だけになかなかの値段だ。ラーメンメニューは8種類ぐらいあったけど具の盛り付けの違いだと思う。
麺は自家製で低加水の中太ストレート。ボソッとしていて他ではあまり出会えない麺だ。具はきざみ葱、きざみ生キャベツ、茎わかめ数本、平メンマ数本、かたゆで玉子半個、そして太肉(豚の角煮)2個だ。スープは豚骨と鶏ガラからなる臭みのない乳化したもので、それを茶濁した濃いめの苦みがあるマー油が覆っている。あーこんなにハッキリとしたマー油の味だったんだ。
マー油の苦みもさることながら、食感が各々異なる上記5種の具材があって食べ進めるのが楽しい。気がつけば完食していたような感じだ。
半炒飯はわかり易くパラパラタイプの仕上がり。具は葱、卵、豚肉とシンプルだけど、ラーメンのスープを使って炊き込んでいるので微妙に豚骨の味が感じられ普通の炒飯とは異なる味わい担っている。こっちも美味かった。当然ながら完食。厨房に向かって「ごちそうさまー」と声をかけ大満足で退店した。店は新店舗が見つかったら復活する予定らしい。でもすぐ近くに別店舗があるし、気軽に桂花ラーメンが楽しめる東京の環境が羨ましく思えた。




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