北鎌老舗
明け方は晴れ間が広がっていたがみるみる雲で覆われていった空。時折小雨も降ったのだが外出には影響なさそうという微妙な空模様だった。
今日は老舗店を狙う為北鎌倉を訪れた。おそらく初めて降りた駅だけど、駅の周辺には歴史ありそうな家屋や寺がいくつもあったり、曇空でも逆に映えるというか、いかにも奥鎌倉っていう感じの良い雰囲気の景色が連なっていた。
駅改札から歩いて3分程度の場所に今日の目的の店はあった。創業1912(大正元年)年で今年で114年経つという老舗中の老舗店『新とみ』。元々は東京赤坂で創業した寿司店で、二.二六事件が隣町で起きて不穏な空気を感じ取り逃れる為に鎌倉に移転。戦後のコメ不足で寿司が握れなくなったので、闇市で知り合った台湾人から支那そばを習ったのをきっかけに1920(昭和25)年からラーメンも提供しはじめたそうだ。それが現在でも引き継がれ寿司店だけどラーメンを提供している経緯らしい。戦中戦後の日本の生の歴史を感じさせてくれる。
まだ午前中の11時前だったが既に暖簾が出ていたので早速暖簾を割った。こじんまりとした着飾っていない和風の内装。メニューが書かれた紙が沢山壁に貼ってあった。店員に「お好きな席へどうぞ」と言われたので適当な席に座る。しばらくすると店員が暖かいお茶とウェットティッシュを持ってきてくれたのでその時に口頭で注文した。厨房には老夫婦。接客係の男の店員1人。客席はテーブル席のみで2人卓✕1、4人卓✕3。先客2人後客1人。
いなり寿司2個がつくラーメンセットを注文した。ラーメン単品だと730円だった。
戦後ドラマで出てきそうな絵に描いたような中華そばが提供された。麺は地元鎌倉の老舗製麺所である「邦栄堂製麺」の中細縮れ麺。地味に縮れ麺の食感が良くズルズルと啜ると楽しさまで感じられた。具はきざみ葱、平メンマ数枚、ナルト1枚、チャーシュー1枚。スープは淡い醤油味、というか現在のラーメンに慣れている舌からするとほぼお湯に感じる。遠くに昆布出汁を感じるくらい。でもこの店のこの雰囲気ではこれが正しいと思えてしまう。結果スープ完飲の完食に終わった。





コメント