父一周忌
朝から雲ひとつ無い快晴の空が広がった。気温も寒くもなく暑くもなく過ごしやすい爽やかな気温。今日は1年前亡くなった父の命日で菩提寺へ向かった。この天候のおかげで穏やかな気持ちで向かうことが出来たから良かった。
1年前のあの日の出来事は昨日の事のように生々しく記憶している。それに付随してそれまで父の入院している病院に通い続け手を握って話したことも思い出される。父の最後の言葉をスマホで録音したけど今は辛すぎてとても再生することは出来ない。死んでしまった時の強烈な記憶がこれまでの父との思い出を覆い尽くしてしまったかのようだ。だから過去の父の写真も見返すことすら出来ていない。スマホのgoogleフォトアプリを使っているのだがあれって「20XX年の思い出」とか不意に父や母の写真を上げてくるので、その度に辛い気持ちになって急いでスクロールしてしまう。10年前に死別した母の写真でさえそうなのだからおそらくは今後も両親の写真を見返すことが出来ないような気がする。情けない話しかも知れないけど、生前の父も先に他界してしまった母の写真は遺影の笑顔の写真以外見たがらなかったから同じだった。
思い出は心の中で十分だと今は思っている。
そんな感じなのでまだまだ気持ち的に辛い感情が尾を引いているけど一応今日で喪中は終わったことになる。先人の知恵を信じて一区切りをつけるいいタイミングなのかもとも思う。墓の周りを綺麗にして花を飾り線香を上げ、父が生前好きだったビールを捧げた。


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