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2026年3月18日 (水)

大黒庵閉

260318sky01 雲優勢の空模様だが時折晴れ間がのぞくような1日で気温はそれほど下がらなかった。

平塚を代表する老舗ラーメン店のひとつ『大黒庵本店』が来月の4月20日を最終営業として76年の歴史に幕を下ろすことが発表された。元々日本蕎麦店として1950(昭和25)年4月10日創業した。かつては市内に支店を2つ出すほどだったが今は本店1店舗のみ。元々「ラーメンが評判の日本蕎麦店」として有名だったが、3年前の2023年に日本蕎麦や丼ものの提供を止めラーメン専門店にリニューアルし、ラーメン好きとしては今後を期待していたところだった。

閉店まで約1ヶ月以上あるが平塚に足を運んだ。開店時間の2分後くらいに店に到着したが既に店前には閉店を惜しむ客達の行列が生じていた。急いで列の最後尾につく。約20分近く待った後に店員に案内され入店した。元々日本蕎麦店なので客席はテーブル席のみなので相席してテーブル席に座った。店員から冷水入りのコップが卓上に置かれたので口頭で注文した。店員は店主含め男2人女3人。常に満席で店外行列状態が維持されていた。

260318daikokuan00 260318daikokuan01 大黒庵 本店『中ラーメン』 950円

別れを惜しみ、この店のガッチガチにかたい麺をたっぷり楽しみたくて今回は麺1個半分のラーメン中盛を食べることに決めた。卓上にある「ラーメンのオーダーの仕方」の表に従って店員には「チューラン・ドンパリ・カラ」と口頭で伝え注文した。これは「中ラーメン・麺うんとかため・スープからめ」という意味になる。殆ど待つことなく素早く提供された。

260318daikokuan02 ご当地ラーメン好きの自分としては惚れ惚れとしてしまう、たまらなくイイ顔をした一杯。こんな素朴な顔をしていながら食べると個性が際立っている。まず麺だが、普通ラーメンの麺では使用しない、日本蕎麦の割り粉として使用している強力粉で自家製麺したゴワゴワの中細縮れ麺。歯ごたえすら感じる硬さなのだが、これが何故か心地良い食感を生む。その麺が中盛なのでたっぷりの量のスープからでも顔を出すくらい入っている。思いっきり啜って口いっぱいにして噛んで至福の時間をたっぷり楽しんだ。具はきざみ葱、平メンマ数枚、ナルト1枚、味しょっぱめの美味しいチャーシュー1枚。強めの醤油ダレとしじみ出汁の味わいが前面に出たスープは、しょっぱいのに何故か癖になる味で何度もレンゲで飲んでしまう。しょっぱいので水が沢山欲しくなってしまうが、おばちゃん店員が減ると冷水を注いでくれる。何気に嬉しい。同じ神奈川県内なのに東北の老舗店を訪れた時のような気持ちになる。スープ一滴残さず完飲の完食。腹いっぱいの大満足。この量の一杯が今日び1000円以下で食べられるというのも、同じ県内にある店とは到底信じられない。現金で支払いを済ませ「ごちそうさまー」と厨房に声をかけた。すると忙しいのに店主は客に一人ひとり「ありがとうございましたー!」と大声で返してくれる。こういう店が閉店してしまうのはとても寂しい。後ろ髪を引かれる思いで退店した。店の外では変わらず行列が出来ていた。

もうひとつの平塚を代表する老舗店『老郷本店』が昨年夏、店主逝去の為突然閉店してしまった。そして来月『大黒庵本店』を失ってしまったら、ご当地ラーメン好きの自分としては、平塚という街が一気に色褪せて見えてしまう気がする。今日厨房内には店主の手伝いで若い孫が厨房に入っていたけど復活の目はあるのかな?今、飲食店が厳しい時代だから無責任に言えないけど、閉店商法とか不問にするから何とか継続して欲しいなーと思いながら駅に戻って帰路についた。

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