夢出拉麺
昨日は災害級の猛暑となり山梨県では最高気温が41℃超えになったらしい。今日は曇り空で風も強く吹き体感気温は幾分かマシになるようなので外出してみることにした。
自由が丘駅から5~6分歩いた場所に2022年7月14日にオープンした『Dad's Ramen 夢にでてきた中華そば』。ほぼ平日昼のみ営業している難関店。東急大井町線旗の台駅近くにある『煮干しNoodles NiboNiboCino』の2号店にあたるらしい。
開店予定の10分前くらいに店に到着すると店入口に貼り出しがあって店主が体調が悪いらしく開店が30分ほど遅れると書かれていた。ショックだけどこの暑さでは無理もない。一応営業はしてくれる様子。店主にプレッシャーを与えてしまうようだが自分もこの暑さの中彷徨う方が危険なので軒下で待たせてもらうことにした。しばらくすると店主が出てきて冷たいルイボスティー入りのやかんを店先に出して「よろしかったらどうぞ」「お待たせしてすみません。早めに開けれそうですので。」と言って再び準備に店に戻った。そして定刻から15分遅れて営業開始で店内に促された。その時には自分の後ろに3人くらい並びが出来ていた。入口脇のボタン式券売機に現金を入れ食券を購入し端の席に座った。内外装はどこか南欧風を思わせて可愛げがある雰囲気。店員は男の店主と女の店員2人。客席は厨房周りL字型カウンター7席のみ。ドリンクはルイボスティーがセルフ。後客の来店が続き満席になったようだ。
『夢にでてきた中華そば』 2000円
屋号を冠した筆頭メニューがこの値段というのは凄いなと思ったが注文した。他に「夢かけ」「だしにぼ」「彩りそば」夏季限定の「つけ麺」等があった。
底の浅い丼で登場。麺は中細ストレート。具は九条葱のきざみ、紫玉葱のきざみ、メンマ数本、海苔1枚、岩中豚のチャーシュー2枚と端チャーシューかな?、あと黒毛和牛ローストビーフ5枚。店主から提供してもらったのだが「15分お待たせしてしまったので色々追加させていただいております。」と言われた。だから何かが通常よりプラスされているはず。おそらく多めの岩中豚の端チャーシューの事だと思う。スープはいい感じで煮干しを効かせた無化調スープ。グイグイ飲めすすめてしまった。確か店主は煮干しラーメンのパイオニアの『自家製麺 伊藤』出身なので、絶妙な程良い煮干し感なのは流石だと思った。スープ一滴残さず飲み干して完飲の完食マークを出した。修行先はほぼ麺とスープだけのシンプルを極めたようなラーメンなのに対して、この店はその真逆で高価な具材祭りになっているのが面白い。
店主は中年男性なのだが、「夢で見たラーメン」を再現してメインメニューに据えたラーメン店を開店してしまおうという発想自体がメルヘンの世界に片足突っ込んでいる。夢でみたラーメンを自由が丘という街の片隅で南欧風のこじんまりした店で提供する。それはまるで将来ラーメン店を開きたがっている小さな女の子が見た突拍子も無い夢みたいな話だ。卓上の蘊蓄には「亡くなった店主の父親が夢の中で教えてくれたレシピを元にしている」的な事が書かれていた。だから黒毛和牛ローストビーフ等躊躇せず本当に入れちゃうから基本の一杯が2000円になってしまう。一般的な飲食店の経営戦略としてはおそらく無謀な事をしているんだと思うが、この店は様々な要因の不思議なバランスで成立させてしまった。開店からもう4年目に突入しているという実績がある。世の中ってこういう「例外的な不思議な存在」が稀に現れるものだ。食べ終わった空の丼等をカウンター上にあげると店主から待たせたお詫びと「また来てください」といった言葉をもらった。店主には無理しないで一時休養をとって体調を戻して店を長く続けられるよう頑張って欲しいと思いつつ退店した。




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