華香亭訪
先日コメントで横浜にも歴史的老舗店がある事を教えていただいた。本牧にある『華香亭本店』だ。創業はなんと1908(明治41)年。最古の『(人形町)大勝軒』の創業1912(明治45)年より古いだけではなく、『玉泉亭』(創業1915(大正4)年)や『奇珍楼)』(創業1916年(大正5)年)より古い。噂では現存する横浜最古の中華料理店ではないかという噂があるくらい。それが本牧通りから1本奥にはいった通りにポツンと存在していたなんて驚きだった。
長い役所の手続きから開放されて店に到着したのは午後1時半くらいだったかな。営業中の札とかはかかっていなかったが店内に灯りがあったので入店。その時点で眼に入ってきた柱時計。見た瞬間に「大きな古時計」の歌が頭の中で流れたよ。もうそういう雰囲気の店内。奥には期待通りの店主夫婦と思しき爺さんと婆さんの2人。客席はテーブル席のみで4人卓が5つと8人丸卓が1つ。お婆さんが冷水入りコップを持ってきてくれた時点で冊子メニューを見て口頭で注文。先客1人後客3人。
このところの老舗店巡りで戦前から続いている店のラーメンは決して味を全く変えずに継承しているわけではないと学んでいる。しかし中には『浅草橋大勝軒』のようにかなりリアルに昔の味を色濃く残している場合もある。そういう場合はラーメン単体だとちょっと厳しい感想になってしまうので、一応軽く保険のつもりでワンタンメンを注文した。麺はストレート細麺。具はきざみ葱と細切りメンマ、小ぶりのチャーシュー1枚。雲呑は5個入っていた。スープはほぼ炒飯の付け合せで出る中華スープと同じ淡い味わい。不思議と胡麻油の匂いが立ち上っているから雲呑の餡からかな?と思って食べたがどうもそういうわけではなかった。作為的なものがない昔のままに近いであろう貴重な一杯がまさかこんな近場で食べられるとは…という意味で満足した。
ラーメンだけでは満たされない事を予測して五目チャーハンも単品で注文。しっとりタイプの炒飯でその魅力がある熱々の炒飯。卵も細切りチャーシューもたっぷり入っているし大きな海老が2つも入っていた。美味しいし大満足。これをあのヨボヨボな爺さんが鉄鍋振るって作っていくれたというのが凄い。
高齢なのに手伝いも無くたった2人で働いている老夫婦を見て思わずシューマイを追加注文してしまった。戦前から続く老舗中華料理店はシューマイが花形メニューの1つだったと学んだしね。時間がかかるかと思ったけどすぐ提供された。触れないくらい熱々の蒸し器の中に5個のシュウマイ。海老と椎茸の切り身が見えて手作り感満載。醤油と練りからしをつけて食べる。うんまいね。現金で支払いを済ませ大満足で退店した。
もう明らかにカウントダウンが始まっている歴史ある老舗中華料理店。何とか間に合って訪問できた。出来ればもう1回くらい訪れてみたいな。






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