祐天来々
相変わらずの長い梅雨の中休み期間中。風が強かったので体感温度はそれほど高く感じず湿気もあまり気にならなかった。
日本ラーメン界の始祖鳥的存在の『浅草來々軒』。1910(明治43)年に創業し日本最初のラーメンブームを生み出した店なのだそうだ。その『浅草來々軒』の料理長を努めた人物が独立し1933(昭和8)年に創業した『祐天寺 来々軒』が現在も営業中だと知り早速訪ねてみることにした。
祐天寺駅から歩いて2分くらいで目的の店に到着した。完全にビルで歴史を感じる要素はほぼ無く真っ赤に塗られて派手な店構えだ。開店予定時間の5分前くらいに到着したが営業中の札が出ていたので早速入店。既に先客が数人席に座っていた。店内は広めでテーブル席のみで食べログによると70席あるそうだ。中華風BGMと中華風な壁飾り。歴史のある店のはずだがよくある中華料理店然としている。店員が冷たいジャスミン茶かな?を冷水筒ごと持ってきてくれて注文を取りに来たので口頭で注文。厨房は全く見えず店員数は不明。接客係は男1人女2人。先客8人後客は10人くらいだったかな?
『ラーメン』 800円+『半チャーハン』 600円= 1400円
中華料理店なので一品料理は多数あるが、自分は勿論基本のラーメン、それに半チャーハンを合わせて注文した。
麺は若干縮れた中細麺。具はきざみ葱、メンマ数本、脂身多めの食紅付きの焼き豚1枚。スープは鶏ガラ主体であっさり醤油味。一緒に白胡椒が提供されたが確かに胡椒が合う味加減。見た瞬間にラー博の『浅草來々軒』はこれを参考にしたんだろうなと理解るくらい共通項の多い一杯。流石に全部『支那そばや』オリジナルってわけではなかったんだなあ。まあまあ美味しかったけど、これがそのまま店頭ポスターで謳っている通りにこの一杯が「元祖東京ラーメン」であると額面通りに受け取る事は出来ない。当時のものとはかなり変わっているはずだ。なにせ昨日『浅草橋大勝軒』のラーメンを食べた後だから余計にそれを感じる。
だからと言ってこの一杯を虚偽だと断罪することは愚かな行為というのはちゃんと理解しているつもり。老舗店ほど「創業当時の味を守っている」と言いがちだけど、そんなことはまずあり得ないから。ラーメン店に限らず大概の料理人は日々美味しいものを作ろうと研究を重ねて活かすことを行っているはずだから。開店当初から味や調理方法を固定してしまう事なんていつの時代でもまずあり得ないと思う。ましてや激動の戦中を乗り越えた老舗店にあっては入手出来る食材の種類や量が大きく変わっているのだろうし調理器具だって変えざるを得ない。そもそも料理人が固定出来ないし。その時代時代で店に来てくれた客が求めているものを提供し続けているのは素晴らしいことだ。
内容は卵炒飯で味もしっかりしていて卓上の調味料を追加する必要も無く完食した。美味しかった。ただ量がキッチリ半チャーハンなのでこのところの物価高に頭が対応しきれておらず高いかなと思ってしまった。
色々言ってしまったけれどラーメン史を知る上では貴重な店なので訪問することが出来て本当に良かった。電子決済で支払いを済ませ気分良く退店した。




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