手打十八
一昨日から降り続けた雨が昨日の昼に上がった。その直後急に気温は上昇し蒸し暑くなった。それに伴い不快指数も上昇し空調を使うまでに至った。そして今朝。先週までは日の出の頃はひんやりした心地よい空気感は当たり前のように感じられていたのだが、あれ?と思うくらい肌にまとわりつく湿気と生暖かい空気。早くもこういう季節がやってきたかと思った。週間天気予報を見たら今週一週間中傘マークはひとつも表示されていなかった。
ラオタと一括りにされがちだが趣味の世界だから十人十色嗜好が異なるのは当たり前。自分は明らかに老舗店重視のラオタ。だから新店の話題が主流になっているラオタの中にあって老舗店に関する情報収集は結構難易度が高いと感じている。そんな中知り得た老舗店のひとつにようやく足を向けることにした。
東京都中野区野方の環七通り沿いに1963(昭和38)年から営業を続けている『十八番(おはこ)』というハッキリ言って町中華の店を訪れることにした。町中華と言ってもこの店のウリは「孟宗竹を用いて打ち立てた手打ち麺」。かつて中野区新井にあった手打ち中華『高揚』という店の流れを汲む店らしい。『丸長』や『春木屋』以外にも東京中華そばの源流となる流れがあったということだ。
店に到着したのは開店予定の7,8分後くらい。至って普通の町中華の佇まい。野方というラーメン激戦区にあってこの佇まいとこの普遍的な屋号では見落とすのも無理がないと思う。暖簾が出ていたので早速暖簾を割った。狭い厨房には先代と思しき白い割烹着を着た爺さんと中年の店主1人。客席は厨房前一列のカウンター5席と4人がけテーブル席4卓。カウンター席の空いている席に着席。厨房内店主は無言でにこりと微笑み注文を聞く体制。これも老舗ならではの技か。口頭で注文。先客6人後客5人。
『らーめん』 1000円+『半チャーハン』 400円= 1400円
麺料理がメインで餃子やシューマイ、炒飯や麻婆豆腐、レバニラ炒め等町中華の一般的なメニューが並ぶ。ラーメンも醤油、塩、味噌だけではなく、雲呑麺やニラ玉とじそば、五目うまにそば、冷やし中華等多数。とりあえず筆頭基本のラーメンと半チャーハンを注文した。
麺は見るからに手打ちと理解る。若干色のついた縮れ強めの中太平打縮れ麺。具はきざみ葱と柔らかメンマ、肉厚でしっかりした食感の肩ロースチャーシュー2枚。スープは基本的に町中華店の中華そばのそれだが全然チープ感を感じない美味しいものだった。店頭に掲げられていた蘊蓄には「豚鶏ガラに干した魚貝、昆布やたっぷりの野菜を加え旨味を引き出したあっさり味」と説明されていた。期待通りの老舗東京中華そばの味。これは確かにわざわざ足を運ぶべき老舗店だと理解した。店名や店構えに騙されてはいけなかった。完食!
半チャーハンは具材はほとんど入っていないほぼ卵炒飯と言っていい。「しっとり」というより「ふっくら」。味も意外としっかりしていたが卓上の黒胡椒を投入し味を調整しこちらも完食した。厨房内で忙しくしている店主の頃合いを探りつつ現金で支払いを済ませ退店した。前から気になっていた店にようやく訪問できた達成感と美味しいラーメンと炒飯を食べられた満足感が得られた。




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