初期六坊
朝からどんより雲った空模様の1日。天気は下り坂で今夜から明日にかけて強い雨が降るという予報が出ている。
西早稲田にある魚介豚骨ラーメンの有名店『渡なべ』店主の渡辺樹庵氏が立ち上げた『TOKYO NOODLE 六坊』という店がかつて早稲田通り沿いにあったそうだ。2005年4月に開店し2007年2月には立ち退きの為短命で閉店している。自分がラーメン食べ歩きを始めたのが2006年なのでこの店に行った事も無ければ当時存在さえ知らなかった。
その店で若き日の渡辺樹庵氏は売れるかどうかと言うのは眼中になく、ただ「びっくりさせること」に焦点を充てたラーメンを出したのだという。極北のラオタ者と言っていい渡辺樹庵氏が尖っていた頃に出したという「どこにも似ていないというラーメン」とはどんなものだろうと前々から密かに興味はあった。それが先日から『渡なべ』において、その当時のラーメンをブラッシュアップした限定メニューの提供を開始したと聞き行ってみる事にした。
開店時間を15分ほど過ぎたあたりに店へ到着した。店頭には7,8人並んでいたが10分程度の待ちで入店出来た。入口脇の券売機で食券を購入し着席。厨房には男の店員3人。
『もっと美味しい初期型六坊』 1200円+『味付玉子』 150円= 1350円
目的の限定メニューに味玉を付けて注文した。あまり待つことなく提供された。麺は低加水の中太麺。具は生キャベツと海苔1枚、かためのチャーシュー2枚。肝心のスープはベースは豚骨で丸鶏も合わせた感じで豚骨濃度自体はそれほど濃いという感じは受けなかった。但しスープには結構な量の肉片と脂が混ざっているのでかなりのコッテリ感。塩味もちょっと強めに感じた。だから口の中の脂分と塩分を緩和する為に生のキャベツが活躍するという仕組み。印象を一言で無理矢理表すと「肉溶かしラーメン」…かな。単純な豚骨ラーメンではないし、取り澄ましたラーメンとは違う。味は全く違うけど、家系や二郎系に通じるような、肉体労働者が仕事終わりで食べるのが似合うようなラーメン。付け合せでおろしニンニクと豆板醤が提供されたが、確かにそれが合う一杯だった。スープ完飲の完食で終わった。でも自分がもう少し若ければ更に美味しく感じた事だろう。結構胃に負荷がかかった食後感があった。それでも他の古参ラオタの人のレビューを見ると今回の「もっと美味しい~」は、どちらかというと一般客に食べ易いよう変更されたようで、当時のオリジナルはもっと濃厚でドロドロ感があったという。
渡辺樹庵氏が当時このラーメンを考案した際に参考にしたのが昔白楽にあったという『すっごいよ』という店と、全国でも有数の濃厚豚骨ラーメン店である京都の『無鉄砲』だったという。『すっごいよ』という店は自分が食べ歩きを始まる以前の2003年に既に閉店していた為未食。『無鉄砲』は実食しているが、この一杯と通じるものがあるようにはあまり感じられなかった。具材は『すっごいよ』と共通しているそうなので『すっごいよ』はこれに似たラーメンだったのかな?ともかくこのラーメンは開店してわずか4ヶ月で提供を終了して魚介豚骨の「後期型六坊」にリニューアルされたとの事。いずれはその「後期型」の復刻限定も食べてみたい。でもそれだと前から計画している『渡なべ』の基本メニュー再食が更に遠のいてしまいそうだ。




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