カテゴリー

2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

2021年9月22日 (水)

辛味背脂

一乗寺付近からバスに揺られて30分弱、目的の店付近のバス停に到着。そこから5分ほど歩いてようやく店に到着した。店の名は『タンポポ』。昔の映画の影響なのか、この屋号を掲げる名店は意外と多い。でもこの店、噂だと創業70年以上だという。店構えもイイ雰囲気を醸し出している。到着したのは正午を15分ほどまわったあたり。店前には4人待ちが生じていた。その後に接続する。我の後ろにも数人並んだ。10分程度待って店内に案内された。厨房には男の店員2人。水はセルフ。客席は厨房前一列のカウンター6席と座敷に4人卓が3つ。口頭で注文。

210922tanpopo00210922tanpopo01タンポポ 『ラーメン 並』 700円

あまり待たずに提供された。この見た目の衝撃度はなかなかのもの。一乗寺の訪問予定店をすっ飛ばしてまで来た甲斐があるというものだ。全く見えない麺は黄色い中細ストレート。九条ネギのきざみ以外は見えない具はメンマ数本と薄く黒いチャーシューが3枚。スープは茶濁した醤油豚骨スープ。動物系の旨みもあるが意外とスッキリした醤油味。

210922tanpopo02

一見激辛ラーメンに見えるが実際は背脂の甘みで中和されていてそれほどの辛さではない。唐辛子のザラザラと背脂のドロドロとネギのシャキシャキが口の中で渾然一体となり何とも言えないジャンク食感を生み「ラーメンを食べている時の喜び」を感じさせてくれる。美味いわーコレ。背脂と唐辛子の相性がこれほどとは思わなかった。首都圏のラーメン店も辛味噌一本槍を止めてこの方向をパクって欲しいよ。大満足!この店に来れて良かったし、この一杯を食べられる胃袋の調節をした自分グッジョブだ。支払いを済ませ店を出た。

京白味噌

京都市左京区一条寺。数々の有名店が軒を連ねる京都一のラーメン激戦区だ。バスと電車に乗り継いでやって来た。我がここに来たという事は今日は観光よりラーメン食べ歩きを優先するという事だ。一乗寺駅から路地を縫うように歩くこと8分、最初の目的店『新進亭』へやって来た。何でもこの店は白味噌ラーメン元祖の店らしい。1960(昭和35)年屋台から営業を始めて1972(昭和47)年にこことは別の場所に店舗を持ったが2009(平成19)年に先代の引退と共に閉店してしまったらしい。先代の弟が営んでいたこの一乗寺店のみ残っているという形だ。営業開始時間はもうすぐなので待っていると定刻より数分遅れておばちゃんが出てきて中に招き入れてくれた。小さな店内だ。厨房にはおばあさんとおばさんの2人。口頭で注文。客席は厨房前に一列のカウンター3席と2人がけテーブル席2卓。後客2人。

210922shinshintei00210922shinshintei01白みそラーメン 新進亭 一乗寺店 『白味噌ラーメン』 720円

看板メニューを注文。普通の味噌ラーメンだけではなく中華そば、塩ラーメン、味噌ちゃんぽんもメニューにあった。ちょっと待たされ提供された。麺はやや黄色い中太ストレート。具は青ネギのきざみと玉葱、もやし、平メンマ数本、挽き肉、薄くかためのチャーシューが5枚。少し胡椒がかかっている。標準でこれだけチャーシューが入っているのも京都流かな。スープはいかにも白味噌って感じ。確かに甘さは感じるけど覚悟していたほどの強い甘さは感じなかった。程よく調整されている感じ。普通に美味しい味噌(チャーシュー)ラーメンとして満足の一杯。支払いをして退店した。

店を出て考えたけどこの一店で一乗寺を後にする事に決めた。もう1店訪問するつもりでいたけど、訪問点の重要度と腹の余裕を考慮した結果見送る事にした。若い頃とは違う。歳を重ねるほど「諦めが肝心」という言葉に重みが増してくる。次に狙いを定めた店まで結構距離があるが、上手くするとバスで乗換なしで近くまで行けそうだ。バス停まで少し歩くが食後の運動だと思って1kmくらい歩いた。

北白川脂

『新福菜館』『第一旭』と並び京都ラーメン老舗店の筆頭3店のひとつ『ますたに』。創業1947(昭和22)年、京都背脂系の筆頭だ。『魁力屋』『来来亭』等全国にチェーン展開している店の京都ラーメンはこの店の影響下にあると見ていいだろう。我は一度訪問しているが12年も前の話なのでずっと再訪したいなと思っていた。京都駅近くにある他の2店と違い北白川にある為なかなか再訪出来ないでいた。銀閣寺まで来たらすぐ近くなので行かない選択肢はない。嘘。実は『ますたに』が営業開始する朝10時までに時間の余裕があるから銀閣寺を訪れてみたのだが予想外に素晴らしかったというのが本当の話だ。なので開店時間を15分過ぎてから店に到着した。外観は12年前と変わっていないように思える。以前この本店は「今出川店」を名乗っていたが今は「北白川本店」と食べログ等では表記されている。東京日本橋と京都駅のラーメン集合施設に暖簾分けの店がある。入口に人はいないし営業中の札も出ていないがガラス戸から先客がラーメンを食べているのが見えたので早速入店。厨房には店主と思しきおじさん店員1人と女の店員2人、若い男の店員1人。客席は厨房周りにL字型カウンター10席。透明アクリル板の設置あり。座敷に4人卓が3つ並んでいた。先客4人後客ゼロ。口頭で注文。店内は静かでやや暗め。

210922masutani00210922masutani01中華そば ますたに 北白川本店 『ラーメン』 700円

筆頭基本のラーメンを注文。麺かためも出来るみたいだが聞かれなかった。麺はやわらかめに茹でられた中細ストレート。具は多めの九条ネギの輪切りと平メンマ数本、小さなパサついたチャーシュー3,4枚。鶏ガラを主体とした醤油味のスープにはたっぷりの背脂がかかっている。その背脂の中に唐辛子が混ざっているのが京都背脂系の特徴。スープのしょっぱさと背脂による甘さ、一味の刺激が一体になってクセになる味わいになる。でも心なしか前回訪問時より一味の量が少なくなった気がする。なのでちょっと大人しく感じてしまった。後発のチェーン店の味に上書きされてしまったのか。とは言え念願の『ますたに』本店への再訪を現実のものとして満足だ。支払いを済ませ店を出た。

2021年9月21日 (火)

晩十条藤

夕暮れ時の嵐山探索を終えた後ホテルには戻らずそのまま阪急嵐山駅に向い電車に乗った。ラオタ心を抑えきれず京都中心部へ向かってしまった。せっかく京都に来ているのだし片道40分弱で行けてしまうのだから。「誰の足だよ、テメェの足だろっ」て事で我の旅なので好きにする。目指したのは『ラーメン藤』京都本店。ここも『ラーメン横綱』と同じく京都からチェーン展開していった店の本店だ。近畿・北陸に21店舗展開しているそうだ。創業は1973(昭和48)年。製麺会社が始めたらしい。場所は地下鉄烏丸線十条駅近く。京都駅から少し南下した所にある。店に到着したのは午後6時過ぎ。早速入店。厨房には男の店員3人。客席は横に長い赤いL字型カウンター24席。口頭で注文し料金後払い。水はセルフ。先客13人後客6人。提供されるまで時間がかかったな。

210921ramenfuji00

210921ramenfuji01ラーメン藤 京都本店 『ラーメン(麺かため)』 750円

筆頭基本メニューを注文。京都では珍しく麺のかたさを確認された。麺は白っぽい中細ストレート。具は細いもやし、多めの九条ネギ、薄切り豚ロースが数枚。ネギが多くてよく確認出来なかった。スープは澄んだ醤油色をしていて表面に油分がしっかりある。味はややしょっぱめだが動物系の旨みが出ている。やはり『第一旭』に近い。京都の醤油ラーメンだ。全然チェーン店っぽくない。

210921ramenfuji02

+『豚めし』 310円=1060円

晩飯なのでご飯物も注文。結構大ぶりの丼で提供された。紫玉葱と錦糸卵が入って色鮮やか。関東だと温泉卵とかが入るところを錦糸卵を入れるのがどこか京都っぽい。満足な晩飯を食べる事が出来た。支払いをして退店。まっすぐ嵐山へ戻った。

210921arashiyama10夜7時過ぎには嵐山に戻って来れた。またもやホテルに直接戻らず、ホテルから歩いて2分くらいの場所にある日帰り温泉施設に入った。ホテルにチェックインした際に半額入浴券を貰ったからだ。旅行中は普段よりかなり歩くので風呂は必須になるのだが、どうせならそこで贅沢したい。今夜宿泊するホテルは狭いユニットバスだったので残念だと思っていたけど嬉しい展開に喜んだ。貸しタオル分200円を入れて700円なら安いもの。しかも専門の施設なのでそれなりに湯船は広いし露天風呂もある。手足を伸ばして贅沢な気分になった。風呂上がりにコーヒー牛乳を飲んでホテルに戻った。今日は実に良い1日だった。

上桂東東

210921kamikatsura01

さて昼も過ぎてそろそろラーメンが食べたくなってきたぞ。本日の宿泊地である嵐山に向かう途中に目星を付けていた店があった。阪急嵐山線の桂駅と上桂駅の中間あたりの国道9号線沿いにある『東東(とんとん)』という店だ。この店はYouTubeでたまたま知った店だ。詳細な創業年月は不明だが40年近く変わらぬ営業を続けているらしい。飾り気がなく良い雰囲気に見えたので訪問してみる事にした。我は別に美味しいラーメンを求めて地麺巡りをしているわけではない。その地に根ざしたラーメンを知りたいのだ。現地の人間を装ってその雰囲気に浸ってラーメンを食べてみたいのだ。上桂駅から住宅地を縫うように10分くらい歩いて店に到着。外観も良い雰囲気だ。早速暖簾をわる。中も期待を裏切らない雰囲気。厨房には白髪の初老の店主が1人だけ。横にのびた店内。客席は赤いカウンター席が厨房前に一列12席、窓側に一列8席。先客3人後客2人。口頭で注文。店内は豚骨醤油臭が漂っていた。食欲をそそられる。

210921tonton00210921tonton01 中華そば専門店 東東 『中華そば』 700円

ラーメンは中華そばとチャーシュー麺、味噌中華と味噌チャーシューの4種類。筆頭基本メニューを注文。昭和っぽい顔をした一杯が到着と同時に支払いは済ませた。麺は中細ストレート。具はわけぎと細もやし、メンマ数本と小さいチャーシュー数枚。『第一旭』に近い系統だと思うけどあちらより豚骨寄り。豚だけではなく鶏とか使っていそう。醤油もいい塩梅のしょっぱさがあり甘ったるくはなっていない。先客は間違いなく地元の人間らしくその京都弁をBGMにしてどんどん食べ進めちゃったよ。間違いなく美味しい。これこそがきっと「京都の昔ながらの中華そば」なんだろうな。店の雰囲気もラーメンも素晴らしくこの店に訪問できた事に感謝したくなった。大満足で店を出た。

さてまた駅に戻って今日の宿泊地の嵐山を目指す。

朝第一旭

210921kyoutotower01

朝6時半には京都駅に到着した。地麺巡りをしているようなラオタなら朝飯は決まっている。『本家第一旭』たかばし本店だ。1947(昭和22)年創業当時は『旭食堂』という洋食屋だったそうだが1956(昭和31)年に今の屋号に変えラーメン店になっている。創業者一族が暖簾分けし、その中からチェーン店を展開したりと広まった。2018年には新宿に出店していたりする。

場所は駅から歩いて5分ほどの街道沿い。『新福菜館』本店と隣り合っているがこっちは9時から営業開始になったんだね。以前は7時半頃から営業していたと思ったんだけど。なので当然『本家第一旭』だ。こちらは朝6時から営業開始している。我は約7年半ぶり3度目の訪問となる。テント屋根を変えたんだね。早速入店。厨房には男の店員3人。客席は厨房前に一列のカウンター4席と4人がけテーブル席7卓。感染症拡大防止のアクリル板は設置されている。この時間で常に8割から9割の席が埋まっていた。一番奥のテーブル席に案内された。口頭で注文。

210921dai1asahi00210921dai1asahi01ラーメン専門店 本家第一旭 たかばし本店

『ラーメン(ネギ多め・麺かたいめ)』 750円

前回訪問時と同様、ネギ多め、麺かたいめを注文。麺は四角い中細ストレート。具は細もやしとメンマ数本、薄く小さな柔らかチャーシューが5枚くらい。そしてたっぷりの九条ネギの輪切り。醤油寄りの醤油豚骨スープ。しょっぱさはあまりないけどしっかりと醤油の味が出ている。老舗優遇ではなくやっぱりここのラーメンは美味い。朝7時前で大満足の一杯を食べられた。支払いを済ませ退店した。

2021年9月20日 (月)

拉麺横綱

本日の宿泊地がある京都に到着したのは午後4時過ぎ。予定より早めに到着出来たので時間的に余裕はある。またインターバルを置けたので腹もこなれてきた。まだラーメン食べ歩きモードの状態のまま早速京都で1軒行ってしまおうと考えた。新幹線から降りて在来線ホームに向かった。京都線に乗り次の西大路駅で下車した。

210920kyouto01

京都のラーメン店は様々だがチェーン店化して全国展開する店が京都に本店を構えているパターンが多いのも特徴的。代表的なのは『天下一品』だし、『魁力屋』や、滋賀に本店を移したが元々京都にあった『来来亭』なんかもそうだ。資本力があるところと提携してチェーン展開する場合もあるけど、元々提供するラーメンに地元の支持の最大公約数的な品質があったからチェーン化したという事もあるので我は地方のラーメンチェーンも重要視している。その中で関東地方への出店こそ少ないものの、冷凍食品コーナーでよく見かけるラーメンチェーンがある。『ラーメン横綱』だ。その本店が京都市南西部に位置する吉祥院という場所にある。1972(昭和47)年屋台から始まりその5年後この地に実店舗を出したそうだ。西大路駅から約1.5kmも離れている。途中京都らしい町並みとは無縁な一般的な国道沿いの風景の中をひたすら20分近く歩いてようやく到着した。基本は車で来店するんだろうな。早速入店する。和風なデザインの明るい店内。仕切られたテーブル席がたくさんあった。食べログによるとカウンター12席と4人がけテーブル席8卓。店員は男女3人くらいだと思うが良く判らなかった。口頭で注文。変な時間帯だったので客入りは5,6人程度だったと思う。

210920yokozuna00210920yokozuna01ラーメン横綱 吉祥院本店 『ラーメン並』 680円 

筆頭基本メニューを注文。卓上には輪切りにしたネギが置かれ入れ放題になっていた。麺は中太ストレート。具はわけぎと柔らかメンマ数本、茹でもやし、柔らか薄切りチャーシューが数枚。スープは関東の人間からすると甘めに感じる豚骨醤油。正直我にはちょっと苦手なのっぺりとした印象があるスープだった。そこで卓上の「自家製ニントン」と書かれた辛味入の缶があったので少し投入してみると味がしまって良い感じになった。『一蘭』の秘伝のタレみたいな感じで。なので満足して支払いを済ませ退店した。本日はこの5杯目で終了。

210920gionshijyou00

その後バスに乗って西院駅まで出て、阪急線京都線で終点の河原町駅で下車。今夜の宿泊地である祇園四条へ無事到着する事が出来た。

車庫前系

和歌山ラーメンは、豚骨をドロドロになるまで煮込んだ乳化スープに醤油を合わせていく「井手系」と、醤油で煮込んだ豚骨をベースにスープを作っていく「車庫前系」の2つの系統に大別されると言われる。一時期首都圏で和歌山ラーメンブームが起きて県外で「和歌山ラーメン」として知られるようになったのは前者だが、実際は和歌山県内で一般的なのは後者だというギャップがある。なので地元和歌山に訪れたのであれば「車庫前系」和歌山中華そばを必ず抑えておきたいと考えた。それも出来るだけ老舗店が我の好みに合致するだろうと代表的な2店を選択した。

まずは和歌山市南西部にある1960(昭和35)年創業の『まるやま中華そば』という店だ。塩屋という場所にも出店しているが我は小松原本店を狙った。近くのコインパーキングに駐車し店に向かう。おお、これはいかにもな老舗感が漂う我好みの外観の店舗だ。早速暖簾を割った。店入口にはおでんを煮ながら食事中のおばちゃん店員と厨房にもうひとりのおばちゃん店員。客席は厨房前に一列のカウンター6席、一番奥の壁向いに一列のカウンター4席。4人がけテーブル席2卓。先客ゼロ後客2人。口頭で注文し料金後払い。

210920maruyama00210920maruyama01まるやま中華そば 小松原本店 『中華そば』 650円

おでんとのセットメニューも魅力的だったが、連食の身ゆえ筆頭基本メニュー単品で注文。他にチャーシューメンとキムチラーメンが存在した。麺は柔らかめに茹でられた中細ストレート。具はわけぎと柔らかメンマ数本、蒲鉾2枚と小ぶりのチャーシュー3枚。スープは濃いめの醤油色をして表面には結構油が浮いている。それなのに実際飲んでみるとそれほど油っこいとは感じない。味はしっかり醤油味だが関西醤油の味付けだからしょっぱさはなくまろやか。ああこれが「車庫前系」。昔ながらの和歌山中華そば。首都圏で食べられる機会はまずないだろう。それが嬉しい。満足して支払いを済ませ店を出た。

続いて市南部へ車を走らせる。目的の店は『元車庫前系丸宮』本店。創業1949(昭和24)年で和歌山でも老舗中の老舗の部類なのに何故か元車庫前系を名乗っている。看板に自ら「車庫前系」を入れるのも異例な感じがする。我の和歌山遠征第2章である本日最後の店に選んだ。カーナビに店の電話番号を入力しても登録されていなかったので住所入力して出発。結構な距離を走ってナビが「目的地周辺に到着しました。案内を終了します。」と言ってきたので道路沿いを注意深く見ているとラーメン店らしい店を発見した。ちょうど店前の駐車スペースが1台分空いていたので何とか駐車し入店した。店内は白を基調にして明るく清潔感がありデザインも今風。とても老舗店には見えないなーとカウンター席に着席した。厨房には女の店員3人くらい。客席は厨房前に一列のカウンター5席と2人がけテーブル席、4人がけテーブル席、5人がけテーブル席が各2卓。メニュー表を見ても屋号は書かれておらず、和歌山豚骨醤油を筆頭にしてあるのはいいが、「魚介豚骨」とか「清乃ブラック」とかがあり「老舗にしてはなんか攻めてるなあ」なんて思っていた。口頭で注文。先客4人後客6人。しばらく待って着丼してそのロゴでようやく不安な予感が確定に変わった。自分が目的の店とは別の店に入店した事を。やってしまった…。

210920kiyono00210920kiyono01和dining清乃 国体道路店 『和歌山豚骨醤油(普通ストレート麺)』 800円

筆頭基本メニューを注文。麺は普通ストレート麺と太縮れ麺を選択するよう聞かれた。「老舗店狙ったのによりによって屋号に横文字入れているような店に誤入店してしまうとは…」と落ち込んでしまったので正直味はあまり覚えていないんだよ。これまで食べていた和歌山ラーメンとは違っていてその印象が支配的だった。いくら何でも「店間違えました」と言って食べずに退店するのは出来なかったし。自分の大チョンボでしかないから。こんなのフォローでも何でもないんだけど、そんな感情のま食べたのに悪い味には思えなかったよ。悪くはない…だけど。後々調べるとこの店の本店は「食べログ百名店」にも入っている有名店だった。でもこの時我の求めていたものとは違う店だった。やっちまったなぁ~!でしかない。支払いを済ませ退店し車に乗り込んだ。少し先に本来の目的店を見つけたがもう腹に余裕はない。縁がなかったと諦めレンタカー営業所を目指した。予定より1時間早めに車を返却し和歌山駅に行き次の目的地を目指した。

玉林園訪

和歌山中華そばには「井手系」「車庫前系」等が存在するが、それとは全く別にソウルフードと言われるラーメンが存在した。「てんかけラーメン」と言われるものだ。運営は安政元年(1854年)から続く製茶会社の『玉林園』。1958(昭和33)年に抹茶入りソフトクリーム「グリーンソフト」を開発。これを軽食と一緒に提供出来る店舗を1960(昭和35)年開設する。これが「グリーンコーナー」で、ソースカツ丼やカレーライス、明石焼きや焼きそば、パフェ等もメニューに並ぶ。その中で提供されたオリジナルのラーメンが「てんかけラーメン」で1967(昭和42)年から販売開始されている。「グリーンコーナー」は和歌山のスーパー内フードコートを中心に多店舗展開された。安価でメニュー豊富だったので家族連れが入り易かった。これが定着し「グリーンコーナー」は和歌山県民のソウルフードの場となっていった。立ち位置的には名古屋の『スガキヤ』とほぼ同じなのだろう。

210920gyokurinen00普通のラオタならあまり重要視しない対象であろうこの『てんかけラーメン』。地麺巡りをメインにしている我にとっては今回の旅の最重要目的店であり和歌山再遠征の原動力になった。紀ノ井川近くの『玉林園』本社工場内に併設された店舗へと向かった。黄色い外壁のインパクト抜群の建屋1階にあった。到着したのはちょうど正午頃で工場前の広い駐車スペースが既に多くの車で埋まっていた。何とか空きスペースに駐車し店内へ。すると10人近い行列が生じていた。世間的には連休最終日の正午だもんな。前客の注文が終わると交代で注文口へ進み口頭で注文し支払いを済ませる。呼びブザー器が手渡され好きな席を確保しておくシステム。全国のフードコートと同じだ。

210920gyokurinen05

厨房には老若男女の店員が6,7人。客席は両壁向かいに一列のカウンターが各々6,7席、2人がけテーブル席が1卓と4人がけテーブル席が8卓。

210920gyokurinen06210920gyokurinen04玉林園 本社内グリーンコーナー 『グリテンセット』587円

グリーンソフトも食べてみたかったのでてんかけラーメンとコロッケ、グリーンソフトがセットになったものを注文。グリーンソフトは引き換え券で好きなタイミングで食べられる方式だ。

210920gyokurinen01

いよいよ念願のてんかけラーメンと対麺。単品だと377円という驚異の価格設定。麺は柔らかめに茹でられた中細ストレート。スープは鶏ガラ醤油味。具はわけぎとワカメ、紅生姜…というよりガリか。ワカメのしょっぱさとガリの酸っぱさに支配された味わいになっている。そしてたぬきうどんの比ではないくらい大量の天かすが投入されている。正直チープさを感じる一杯だが、何度か食べていく内に習慣性が出てくる事が想像出来る味わいだ。

210920gyokurinen02おまけと思っていたコロッケが熱々でサクサクでじゃがいもと挽き肉の甘みが感じられる実に美味いヤツだった!

210920gyokurinen03

デザートには看板メニューのグリーンソフトだ。本来は冷たく凍っているミニソフトの形をしているが店舗では本物のソフトクリームで楽しむ事が出来る。引換券を手に再び厨房へ向かう。優しい味わいの抹茶ソフト。美味いね。セットで大満足。和歌山でしか体験出来ないもうひとつの和歌山地麺を10ヶ月越しで味わう事が出来感無量だ。

和歌山再

久々の旅行初日は地麺巡り和歌山編第2章だ。久々の旅行となると我はどうしても地麺巡りに力が入ってしまう。結果今回の和歌山旅行は観光一切なしでひたすらラーメン店巡りに費やす事になる。前回の和歌山遠征では市中心部に絞って『井出商店』、『山為食堂』、『◯京』、『本家アロチ丸高中華そば』、『◯イ』といった和歌山ラーメン主要店舗5店を巡った。今回は郊外の店を狙う。和歌山市北部を流れる紀ノ川を超え更に車を走らせることになる。数ヶ月ぶりの運転なので緊張感を持って臨む。

210920wakayaama02

最初の訪問店は『正善(まさよし)』。創業1990年。店主は二代目に引き継がれ3年前に新しい店舗に移転している。場所は車でないと訪問は厳しい。和歌山ラーメンの系統で言うと豚骨ベースの豚骨醤油スープのタイプ。井出商店を筆頭とする為「井出系」とも言われる系統にあたる。

店に到着したのは開店から15分ほど過ぎた頃だったが既に店前の駐車スペースは埋まっていた。どうしよう…。ちょっと離れた場所に駐車スペースを見つけたのでそこにこっそり駐車させてもらった。そこから歩いて店に向かった。店入口には名簿があったのでそこに名前を記入し店前のベンチに座って待つ。今日は祭日という事もあるだろうが噂通りの人気店だ。5分ほどの待ちで店内に案内された。店内奥には広い厨房がある。ラーメンを調理するのは店主と思しき男の店員1人のみ。女の店員6人は注文をとったり具材のせて配膳したりのサポートに徹している。店内の内装は白を基調にして両壁向いに一列のカウンター7席と中央に8人がけテーブル席1卓。アクリル板の設置はされている。客層は正に老若男女、家族客からカップル、若者グループと多種多様。それでいてラオタっぽい客はほとんど見かけない。こういう地元民から圧倒的支持されている店の中でラーメンを待つと否が応でも期待が高まるんだよ。店内に飾られた木板のメニューを見て口頭で注文。料金後払い。

210920masayoshi00210920masayoshi01中華そば専門店 正善 『生玉子入りそば』 750円

生玉子入りそばを注文。もうこの強烈な豚骨臭と醤油の匂いが混ざったものが漂ってくるのを嗅ぐと本場モノと対麺している実感が湧く。『井出商店』は豚骨100%らしいがこちらは豚に加えて鶏も使っているとか。それでも「これぞ和歌山中華そば」という説得力を凄く感じるスープでとても美味い。流石は一時期ブームを起こした和歌山ラーメンだ。麺は四角い中細ストレート。濃厚豚骨のまろやかさとハッキリとした醤油の味のバランスが良くずっと飲めてしまう感じ。具はわけぎと柔らかメンマ、和歌山産かまぼこ「千代巻」1枚、脂身が多く薄いけど味付けくっきりのチャーシューが3枚。そしてトッピングの生玉子が中央に投下されている。これが入るだけで、瀬戸内海を挟んだ向こう側の徳島ラーメンに似た顔つきになっている。おそらくは和歌山側から徳島へ渡って、更に醤油が濃くなって徳島ラーメンが生まれたと推測する。地麺巡りをしていると体感でこういうのが理解されとても面白い。麺を潰した黄身の中に通して食べるのも乙なもの。量は少なめなので他客は大盛りや特大で注文しているのが多数いた。我はこれから連食する身なので並でこの量はありがたい。でも結局美味くてほとんどスープを飲んでしまった。大満足で支払いを済ませ店を出て車の所に戻った。まだ一杯目。いいねー地麺巡りは!

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

ラーメン(神奈川県>横浜市>中区) ラーメン(神奈川県>横浜市>西区) ラーメン(神奈川県>横浜市>南区) ラーメン(神奈川県>横浜市>港南区) ラーメン(神奈川県>横浜市>磯子区) ラーメン(神奈川県>横浜市>金沢区) ラーメン(神奈川県>横浜市>鶴見区) ラーメン(神奈川県>横浜市>神奈川区) ラーメン(神奈川県>横浜市>港北区) ラーメン(神奈川県>横浜市>旭区) ラーメン(神奈川県>横浜市>戸塚区) ラーメン(神奈川県>横浜市>都築区) ラーメン(神奈川県>横浜市>泉区) ラーメン(神奈川県>横浜市>保土ヶ谷区) ラーメン(神奈川県>横浜市>栄区) ラーメン(神奈川県>横浜市>瀬谷区) ラーメン(神奈川県>横浜市>緑区) ラーメン(神奈川県>横浜市>青葉区) ラーメン(神奈川県>川崎市南部>川崎区・幸区) ラーメン(神奈川県>川崎市中部>中原区・高津区) ラーメン(神奈川県>川崎市北部>多摩区・麻生区・宮前区) ラーメン(神奈川県>県央東部>海老名市・大和市・座間市・綾瀬市・寒川町) ラーメン(神奈川県>県央西部>厚木市・伊勢原市・秦野市) ラーメン(神奈川県>北部>相模原市・愛川町・清川村) ラーメン(神奈川県>横須賀三浦地区>横須賀市・鎌倉市・逗子市・三浦市・葉山町) ラーメン(神奈川県>湘南地区>藤沢市・茅ヶ崎市・平塚市) ラーメン(神奈川県>西湘地区 小田原市・箱根町・湯河原町・真鶴町・他) ラーメン(東京都>23区都心部>千代田区・中央区・港区) ラーメン(東京都>23区副都心部>新宿区・豊島区・文京区) ラーメン(東京都>23区北部>練馬区・板橋区・北区・荒川区・足立区・葛飾区) ラーメン(東京都>23区東部>台東区・墨田区・江東区・江戸川区) ラーメン(東京都>23区西部>渋谷区・中野区・杉並区) ラーメン(東京都>23区南部>品川区・目黒区・世田谷区) ラーメン(東京都>23区南部>大田区) ラーメン(東京都>町田市) ラーメン(東京都>多摩地域&島嶼部) ラーメン(北海道地方) ラーメン(東北地方) ラーメン(関東地方・東京 神奈川県以外) ラーメン(東海地方) ラーメン(甲信越・北陸地方) ラーメン(関西地方) ラーメン(中国地方) ラーメン(四国地方) ラーメン(九州・沖縄地方) カレー(神奈川県) カレー(東京都) カレー(東京&神奈川以外) 孤独のグルメ 心と体 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき