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2017年11月24日 (金)

讃岐支那

171124tamamokouen00 小豆島土庄港では秋晴れの青空が広がっていたのに、高松港に戻ってきた途端どんよりと灰色の雲が立ち込めていた。今日は1日晴れの予報だったのに!再び琴電で瓦町駅に戻り地下駐輪場でレンタサイクルを借りる。まずは昨夜フラれてしまったラーメン店『讃岐ロック』へ訪れた。昼12時半頃に店に到着。そんな時間に暖簾を割ったら予想通りちょうど満席。でもしばらくしたら先客が1人席を立った為入れ替わる。厨房には太ったポニーテールをしたおっさん店主1人。あまり愛想は良くない。L字型カウンター8席。口頭で注文。先客はみんなネクタイ締めていたな。グループだったらしくその後一斉に退店した。後客女性客1人。

171124sanukirock00 171124sanukirock02 171124sanukirock01 支那そば 讃岐ロック 『支那そば醤油』 700円

筆頭基本メニューを注文。先客を見ていると多くがカレーらしきものを食べているのがわかった。卓上をよく見てみると、キーマカレーをランチサービスすると書かれたポップを発見した。早速それも追加でお願いした。店主も注文時聞いてくれればいいのにと思った。登場した一杯は確かに中華そばというより支那そば。麺は平打ち中細ストレート。具はネギの千切り、焦がし玉ネギメンマ数本、小松菜1つと海苔1枚、鶏と豚のチャーシュー各1枚。鶏と魚介出汁を感じるが、しっかりと醤油の美味さも感じる。四国でこんなきっちりと醤油を感じさせるスープは珍しい。評判が良いのは納得出来た。でも我が旅先で食べるような一杯ではない。首都圏で結構お目にかかれる一杯と思ったのが正直のところだ。料金を支払い店を出た。

2017年11月23日 (木)

高松拉麺

香川県はうどん県。独自の地ラーメンは生まれる事は残念ながら今のところ見つける事は出来なかった。だからといって我が初めて来る土地に来てラーメンをスルーするわけがない。我は偏屈なところがあって、「地麺巡りは一区切りついた」と思ったら頑なに拒絶してしまおうとしていた。それは何の意味も無いという事に気が付くまでちょっと時間を要したけどね。

171123enza01 我が選んだのが『明神そば』という店。香川県筆頭の店で「讃岐ラーメン」を生み出した名店『はまんど』出身の店主が営む店だ。この店は高松市内と言ってもかなり郊外にある店なので琴電琴平線で琴平に向かう途中、最寄りの円座という駅で降りた。最寄りといっても駅から1kmほど歩いた国道沿いに店はある。なんてことはない見知らぬ郊外の道を歩く。この感覚、久々だ。今はスマホがナビ代わりになってくれるので迷わず目的の店に到着出来た。暖簾を割り入店すると入口に人が待っていた。しばらくすると女店員が名前と人数を聞いてきて名簿に記入した。時刻は昼1時ちょっと前、国道沿いという事もあり家族連れの客が多いのが混雑の原因だ。香川県民にラーメンを食べる人は少数だろうという我の偏見が木っ端微塵に砕かれた。我の後からも来客は相次いだ。結局20分ほど待ってようやく着席出来た。厨房には男の店員3人と女の店員1人。厨房前に一列のカウンター8席と4人がけテーブル席4卓。口頭で注文。

171123myoujinsoba00 171123myoujinsoba01 明神そば 『明神そば (醤油・細麺)』 700円

屋号を冠した筆頭メニューを注文。味は醤油or味噌、麺は細麺or太麺が選べる。味は醤油を選択。麺は細麺が店オススメという事でそれに従った。麺は白っぽい縮れ細麺。具は薬味ネギ、メンマ数本、チャーシュー2枚。スープは鶏ガラをメインに豚骨、香味野菜から作った鶏白湯スープに、昆布や魚介等から作った特製醤油ダレを合わせたのだという。『はまんど』とは大きく異なる一杯。結構濃厚に感じたが、それは讃岐うどんを食べ続けた後だからなのかな?でもこの濃厚さが「あー、ラーメンだなー!」と喜びにもなる。満足で店を後にした。しかし次の電車の出発時刻まで15分もない。ここは四国。電車を1本乗り逃がすとかなりの時間ロスとなってしまう。急いで駅へと戻り、最後は靴紐が解けながら走って何とか電車に乗る事が出来た。その後無事金毘羅参りも出来た。

琴平から再び琴電琴平線に乗り宿泊地の瓦町…からひと駅先の片原町駅で下車する。この駅から徒歩1分ほどのアーケード商店街の中に高松の人気ラーメン店『らぁめん欽山製麺所(きんやませいめんじょ)』がある。夜営業開始時刻を15分ほど過ぎたあたりで暖簾を割った。入口の脇はガラス張りで厨房が覗けるようになっている。その奥に客席スペースが広がっていた。一列のカウンター4席と4人がけテーブル席2卓と8人がけテーブル席1卓、座敷席もあり、6人がけテーブル席が2卓ある。こんな店を男の店員1人で切り盛りしていた。先客4人家族、後客6人。口頭で注文。料金後払い。

171123kinzanseimenjyo00 171123kinzanseimenjyo01 らぁめん欽山製麺所 『鶏そば』 700円


筆頭基本メニューを注文。麺は縮れ太麺。自家製麺で「さぬきの夢2009」というブランド小麦粉を使っているそうだ。具は薬味ネギ、めかぶ3本、糸唐辛子、海苔1枚、鶏チャーシュー1枚。スープは鶏白湯魚介醤油味と書いてある。鶏白湯で醤油味って我あんまり好きではないからだけど、あんまりピンとこない味だった。首都圏であまり有名ではない店で出してきそうな一杯で、これが香川県トップクラスなのかとちょっと疑いたくなる気持ちになってしまった。でも香川でラーメンを食べている気持ちにはなれたのでそこは良しとする。

店を出てひと駅分歩いて今夜宿泊するホテルへと戻った。

2014年3月22日 (土)

松山昼麺

大街道から市電に乗り大手町という電停で下車する。目の前に伊予鉄の乗り場があるので高浜線に乗り2駅目、衣山という駅で下車する。地元の人みたいに慣れればどうってことないのだろうが、よそ者からするとJR、と伊予鉄、市電と入り乱れ、目的の駅にどう乗り継いでいいのか迷う。わかりづらい。そして衣山という駅は大きな道路と大きなショッピングモールが点在する郊外の街並み。駅から徒歩5分ほどのところにある中央2丁目交差点付近に『松山分校』という、松山でも人気筆頭と言われる久留米ラーメン店がある。今治でもそうだったが、少なくともラーメンに限っては広島、尾道等より久留米ラーメンの影響力が高い気がする。こちらの店主も『大砲ラーメン』に陶酔し、3年間通い続けようやく修行が許され、最後には呼び戻しスープを分けて貰って店を出したという。いろんなものを学んだから『大砲ラーメン』を本校に見立て、自らの店を分校と称しているのだそうだ。店に近づくに連れ猛烈な豚骨臭が漂ってくる。早速暖簾を割り入店。厨房には男の店員4人と女の店員2人。厨房前に一列のカウンター席6席、4人がけテーブル席2卓、座敷に4人がけテーブルが2卓。先客9人後客は10人以上。口頭で注文。

Matsuyamabunkou00 Matsuyamabunkou01 Matsuyamabunkou02 久留米ラーメン 松山分校

『分校ラーメン(麺かた・ラード多め)』 680円+『焼き飯セット』 200円

通常のラーメンは「まろやか系」と書かれてあり、屋号を冠する「分校ラーメン」の方は「評判こってり系」と書かれていた。『大砲ラーメン』でいう通常のラーメンと昔ラーメンと同じ分け方なのだろう。麺のかたさだけではなく、スープの味(あまくち/からくち)、ラードの量(なし/少なめ/多め)が選べる。いつもの家系のパターンと一緒の好みで注文。高菜入のミニチャーハンセットにした。出てきたラーメンを見て「あー大砲ラーメンってこうだったなー」と思った。忠実かそれ以上の再現度。これは好きな人にはたまらないだろう。豚骨スープが腹に染みわたる感じがした。チャーハンも高菜があまり主張をせず、奥ゆかしく味わいを出しているところが好感が持てた。パラパラで美味かった。大満足。

今回この市街地から離れた場所に来たのは、実は『松山分校』が目的ではなく、真の目的は次の訪問店だ。しまなみ街道の中にある伯方島。全国的に有名な「伯方の塩」が名産だ。現地ではその塩を使ったラーメン店があるという。昭和46年創業という『三和食堂』という店だ。今回の愛媛遠征の計画を練る段階で訪問するか悩んだ経緯がある。どうやっても時間的ロスが大きすぎるので泣く泣く切り捨てた。ところがその支店がこの交差点付近にあるのだ。『松山分校』を出て交差点の斜め反対側に向かう。あっ見つけた!無事営業中の札が出ている!この支店は不定休というから心配していたのだ。早速入店。店内はちょっと暗く雑然としていて狭い。どことなく飲み屋の雰囲気。厨房には親父が一人。厨房周りにL字型カウンター8席に座敷に4人がけテーブル1卓。先客1人後客3人。後客は裏口から入ってきてビックリした。口頭で注文。

Hakatanosioramensanwamatsuyama00 Hakatanosioramensanwamatsuyama01 伯方の塩ラーメン さんわ 松山中央店

『伯方の塩ラーメン』 580円

ラーメンだけではなく、たくさんのメニューがあったが、我はもちろん筆頭メニュー以外視界に入らない。麺は柔らかめに茹でられたストレート細麺。具は青ネギの小分け切り、メンマ、細切り昆布、す巻き1枚、海苔1枚、味濃いめのチャーシュー2枚。うーん、残念ながら普通の塩ラーメンの域を出ていないなぁというのが正直な感想。昆布のせいか、海の感じは良く出ていたと思う。あっさりしていて間髪入れずの2杯目でも全然苦ではなかった。

再び衣山駅に戻り伊予鉄に乗り次の駅、古町で市電に乗り換え2駅目でJR松山駅に到着。何だこのアクセスの悪さは。時刻は13時10分前くらい。14時半発の飛行機に乗らなくては行けないので、ちょっと早いけど空港に向かう事にした。今更どこも行けないよ。駅前のバスターミナルにいるとすぐにリムジンバスがやってきたので乗り込む。15分弱で空港に到着。一六タルトなどの土産物を買い飛行機に乗り込む。1時くらいまで松山駅前にいたのに、17時半には家に着いていた。すげーな飛行機は。と改めて思った。

前回の高知遠征に続いて今回も満足度の高い旅になった。目的の店も『北山軒』以外は全部訪問が叶ったし、諦めていた『こきんや』にも訪問出来たし、高知城はこれ以上無いと思うくらいの好天の中訪問出来たし。翌日疲れがどっと出てしまったけど。

松山夜麺

約2年半ほど前、松山を代表する地麺『瓢系』を体感する為、瓢系の元祖といわれる『瓢太』、代表店格の『瓢華』の2店を訪問した。満足しているんだけど、松山には『瓢箪』というそのままストレートな屋号を冠する店があるというので気になっていた。瓢系なのかそうでないのかは不明。そんな店が道後温泉からほど近いところにあるというので足を伸ばしてみることにした。とはいえ結構な距離がある。更に夜。周りは完全に住宅街。アプリが示す地図だけが頼り。こんな所に店があるのかと疑った。そして進んでいくと…ただの民家があるだけだった。なので今度は食べログサイトから地図を検索。するとかなり大回りしないと行けないドン突きにあるらしい。ホントこういったタブレット端末がないと行けないような店だ。ようやく辿り着いた店は思いっきりプレハブ。引き戸を開け入ってみると…中に屋台があった。長椅子がコの字型に配置されている。先代の引いていた屋台をそのまま利用しているらしい。厨房には中年店主一人。屋台のまんまの厨房周りに長椅子が4つ、4人がけテーブル席が別に1卓。先客7人後客ゼロ。夜7時から3時までの営業なので完全に屋台だ。地元の人達の方言による会話が生々しくて面白かった。
Hyoutan00 Hyoutan01 中華そば・おでん 瓢箪 『中華そば』 500円

ラーメン店というより本当に屋台。おでんがメインなのかな?でも中華そばが筆頭メニューになっていた。見た目は以前食べた瓢系に近いようだが…。麺は細麺ストレート。具は青ネギの小分け切り、もやし、ナルト1枚、ほとんど脂身のみの小チャーシュー。スープは…こちらの醤油なので確かに甘いが、過去食べた瓢系の記憶より甘くないな。でも昔からある松山の中華そばを堪能出来た。
それから踵に靴ズレで血が出て痛いわ、急に腹が下るわで急いでホテルに戻った。足もパンパンだし。本日は強制終了してベッドに潜り込んだ。まだ夜10時になっていない時間だったと思う。ホテルは繁華街にある為、喧騒が五月蝿かったのだが、それをものともせず深い眠りに落ちた。
目が覚めたのは翌日の4時くらい。本当はこのホテルの近くにある夜のみ営業の老舗店『北山軒』を狙っていたのだが、営業は4時までだからもう間に合わないなぁ。でもダメ元で行ってみるかと着替えてまだ暗い外に出てみた。一応『北山軒』に行ってみると暖簾がかかっているではないか!
Hokuzanken00 北山軒
少し中の様子を伺うと…誰もいない。卓上にビニール袋が転がってるし、とても営業している感じでは無かった。それはそうだよな。で、せっかく出てきたのだから早めの朝食がわりに何か食べていくかと徘徊すると、結構まだラーメン店は開いているところがある。選択肢があるレベル。さすがは金曜の夜だ。でもせっかくだからご当地っぽいものが食べたいなぁと探していると「瀬戸内らーめん」という文字を掲げる店を発見。屋号は『あずま家』となっている。朝5時まで営業しているという。まだ40分くらいあるではないか。ここにしよう。早速入店。厨房には男の店員2人。L字型カウンター12席と2人がけテーブル席1卓、6人がけテーブル席1卓。前後客ゼロ。口頭で注文。壁には支店が出来るみたいな事が書いてあった。
Azumayamatuyama00 Azumayamatuyama02 Azumayamatuyama01 らーめん あずま家 二番町店

『こってり醤油らーめん』 680円
何も考えず一番人気と書かれた筆頭メニューを注文。出てきた一杯は往年の渡辺樹庵系のようにも見える現代っぽい一杯。地麺遠征先で食べたから、現代っぽいなんて表現になってしまうよ。鶏ガラ豚骨醤油ベースなんだろうけど、完全に節系が強く出ている。麺はシコシコした中細ストレート。具は青ネギのきざみにメンマ、海苔1枚、炙りチャーシュー1枚。味は濃かったけど口当たりはよくあっさりしている。十分に美味しかった。美味しかったけど、我の求めるものとは違うので複雑な心境だが、半分寝ぼけていたし、美味しい朝飯だべられたと思って良しとしよう。
ホテルに戻り最上階の大浴場に入浴。昨夜は道後温泉に浸かっただけでホテルに帰ってそのまま寝てしまったからな。ここのホテルは嘘かホントか知らないが、6km先の道後温泉からパイプでお湯を引いているのだそうだ。だからこのホテルを選んだんだけど。体の芯まで温まるつもりで長湯をした。よくマッサージもしてリラックスが出来た。

2014年3月21日 (金)

伊予味噌

Matuyamashi2014 八幡浜から松山に到着したのは16時20分頃。駅前から市電と呼ばれる路面電車に乗り伊予鉄松山市駅に移動。そこから更に伊予鉄横河原線に乗り2駅目、いよ立花駅で下車。あらー、ここでも天気雨が降ってるよ。ここから徒歩3分ほどのところに松山筆頭とも言われる『ラーメン一興』、その松山本店がある。本店という事は県内に支店が数店舗あるようだ。店主は『一風堂』で修行して松山に豚骨ラーメンを広めた草分け的存在だという。厨房には男の店員3人。一風堂系だけあって接客は丁寧。厨房前に一列のカウンター8席と5人がけテーブル席1卓、10人がけテーブル席1卓。前客2人後客4人。口頭で注文。
Ramenikkyouhonten00 Ramenikkyouhonten01 ラーメン一興 松山本店

『伊予路の味噌ラーメン(麺かた)』 650円
松山の地麺を調べている中で見つけた「伊予路の味噌ラーメン」なるもの。地元の中華料理組合が2年ほど前から立ち上げた新ご当地ラーメンというものらしい。特徴は愛媛名産の塩分が低く甘い麦味噌を使っていることと、瀬戸内で捕れた鯛ほぐしを入れた一品だという。あまりに新しい創作ご当地ラーメンなのでそれほど興味は無かったものの、知ってしまった以上食べるしかないだろう。麺は細麺ストレート。普通のラーメンと違い麺のかたさはカタまでと言われた。具は青ネギの小分け切り、もやし、そして油揚げ?油揚げにしては味と触感が違う。何だろうと後で調べると「松山あげ」という地元独特の油揚げで、乾燥させてから揚げているのでサクサクした食感が得られ、日持ちもするそうだ。そしてチャーシューというより焼き肉と言った方がいいだろう大きな牛肉。一般的な白味噌より白いのではとい思うクリーミーな麦味噌スープは鯛ほぐしの出汁も相まって甘い。でもしつこい甘さではない。少なくとも初めて体感した味だった。麦味噌、松山あげ、焼き牛肉となかなか個性のある一杯に出会えて満足した。
店を出るともう雨は上がっていて何事もなかったような空。また伊予鉄に乗って松山市駅に戻って、そこから松山市最大の繁華街と言われる銀天街、大街道という二つのアーケード商店街を歩いて本日宿泊するホテルに辿り着いた。ホテルは大街道の脇にあり1階にコンビニがあり便利そうだった。

八幡浜麺

Yawatahama00 当初の予定では今治から松山に入り、松山城や道後温泉に行って観光でゆったりして、翌日八幡浜に出かけるつもりだった。ところが今日は空は雲が多く、明日は快晴の予報。どうせ松山城に行くのなら快晴の日に行った方がいいなぁ。なのであまり観光する予定の無い八幡浜に今日行ってしまう事にした。入念に調査して臨機応変に対応する。旅慣れてきたなぁと自画絶賛してしまう。特急しおかぜに乗り一気に松山に出た後更に特急宇和海に乗り継いで八幡浜に到着したのは午後2時15分くらい。改札を出ると雨が降っていた。天気雨というやつですぐにあがるだろう。駅前の土産物店でレンタサイクルが借りられる事は事前調査済なので借りる。レンタル料金は4時間300円で保証金1000円を預けた。地方ではよくあるが、駅と町の中心部がかけ離れているので自転車を借りたわけだ。そして八幡浜に来た理由とはもちろん地麺巡りの為。ここには「八幡浜ちゃんぽん」という独自の麺料理が存在する。愛媛の西の玄関口として特に九州と関係が深い八幡浜。長崎ちゃんぽんが伝来し豚骨スープを、鶏ガラ、昆布、鰹等から摂ったあっさりスープに独自変換したもの。滋賀の「近江ちゃんぽん」に近い感じかな。

最初に向かうのは八幡浜ちゃんぽん提供店の中でも最古参、発祥の店とも言われる創業昭和23年の『丸山』に向かう。商店街脇の路地の中にあった。店前で子どもたちがボール遊びしていた事もあって、なんだか昭和の雰囲気だ。早速暖簾を割る。厨房は奥にあった。店員はおばちゃんばかり3人いたようだ。2人がけテーブル席1卓と4人がけテーブル席2卓、座敷に4人がけテーブル2卓。先客11人後客ゼロ。口頭で注文。

Maruyamayawatahama00 Maruyamayawatahama01 丸山ちゃんぽん 『特製ちゃんぽん』 650円

通常のちゃんぽんより100円増しの特製を注文。麺はシコシコした食感の黄色い中太ストレート。具は青ネギの小分け切り、きくらげ、もやし、キャベツ、玉ネギ、にんじん、ナルト2枚、茹で玉子スライス2枚、海老、イカ等。甘さを感じるあっさり醤油スープ。やっぱり醤油の違いが如実に出てくるなぁ。野菜の甘みがあって美味しかった。満足。

更に奥に進んで八幡浜市庁舎前にある明治創業の老舗食堂『清家食堂』。あんまり人気を感じないけど引き戸を開け暖簾を割る。テレビの音声が耳に入ってくる。おばちゃん店員2人がテレビを見ていた。4人がけテーブル席4卓、座敷に2人テーブル1卓と4人がけテーブル1卓。前後客ゼロ。口頭で注文。

Kiyoyasyokudou00 Kiyoyasyokudou01 清家食堂 『チャンポン』 480円

カレーとかかつ丼とかある中で目的のチャンポンを注文。見た目が素朴で美味しそう。黄色い中太ちぢれ麺、具はもやしとキャベツ、人参、豚肉、かまぼこ、玉子焼き。スープは煮干しも効いているがやっぱり甘めのスープ。満足した。

Yawatahama02 1時間しないでまた駅に戻り自転車を返却。八幡浜を去り松山に戻る事にした。途中低い位置に虹が見えた。

今治地麺

今日から3連休。つまり地麺巡りの旅に出発という事になる。1月末の高知遠征に続いて再び四国、今度は愛媛県だ。海と山で隔てられた高知とは異なり、瀬戸内海で隔てられてはいるものの、対岸の広島や九州大分との関係が深いと言われる愛媛県。徳島や高知とはまた別の四国の姿が見られるかも知れない。そんな期待を寄せ、あえて行きは陸路で向かう事にした。本州との距離間を体感して到着したかった。帰りでは意味が薄いというわけだ。

Shimanamikaidou02 朝5時過ぎに家を出て、6時15分発ののぞみに乗車。3連休初日という事でチケットは早めに確保しようと約一ヶ月前に購入したのだが、何と窓際の席は埋まっていた。でも通路側の方が出入りが楽でいい。案の定強烈な混み方で自由席は大変な事になっていたらしい。そのせいかわからないが急病人が出たとかで神戸を過ぎたあたりで急停車してしまった。予定より10分遅れて福山に到着。福山駅前からしまなみライナーという高速乗合バスに乗車する。こちらも満席。前席の爺がいきなり背もたれを倒してきたので、文句を言って戻させた。最近マナーがなっていない老人が多くて困る。瀬戸内の島々を縫うしまなみ海道を渡って愛媛県今治まで向かう。バスの車窓からだったが、瀬戸内の海は水が澄んでいて綺麗だった。1時間半ほどかけて今治に到着したのは11時40分頃。

Barisan01 今治と言えばタオルか造船か「バリィさん」という事になるのだろうが、我はもちろん「今治ラーメン」を体感する事が目的。例によって地元食材を活かした町おこし系ご当地ラーメンにあたるのだが、既に4年以上続いているもの。当初は専門店を作る等気合が入っていたようだが、他の町おこし系ラーメン同様衰退していて、その専門店も既に閉店している。なので仕方なく生き残っている他の店舗を狙うのだが、曜日限定で数量限定とか細々と生き残っている感じなので、食べるのは困難を極めるのだ。付け加えて今日は祝日の金曜日。当初狙っていた店は金曜日は提供していなかったので駅の近くの久留米ラーメン店『光屋(みつや)』に向かう。こちらは限定30食とはいえ今治ラーメンを毎日提供してくれる貴重な店なのだ。駅から徒歩5分ほど、大通りに面したところに店を構えていた。早速暖簾を割る。和風の内外装。厨房には店主と思しき男が1人と女店員3人。創業から6年くらいの若い店。店主は久留米『大砲ラーメン』で修行されたとか。L字型カウンター5席と座敷に4人がけテーブル3卓。入店時8割ほど席が埋まっていて何とか座れたが、その後家族客を中心に来客が相次いだ。駅から近くて駐車場完備だもんなぁ。でも調べてみると地元では評判の店だとか。口頭で注文。

Hikariyaimabari00 Hikariyaimabari02 久留米ラーメン 光屋

『今治ラーメン(並)』 580円

店内には豚骨臭が充満しているが、我は今日久留米ラーメンに用は無い。1日限定30食という今治ラーメン一択だ。今治ラーメンとは、瀬戸内では庶民の味として食べられている「エソ」という魚の他、鯛、イリコ等瀬戸内で捕れた魚を出汁に使ったシングル塩スープで構成され、宮窪の海苔、大三島のレモン、す巻き(蒲鉾)を入れたものだという。10分くらい待たされて着丼。麺はかために茹でられた中細ちぢれ麺。具は三つ葉、きくらげの千切り、柚子、海苔1枚、鶏チャーシューが胸とモモの2種が豪華に2枚ずつ計4枚。レモンスライスが絞り器と一緒に別で提供される。後で好みで、卓上の柚子胡椒と共に味を調整するのだそうだ。町おこし系らしく強烈な個性は無い。標準の塩ラーメンの範囲に収まっているが、塩味というより魚介出汁で食べさせるタイプの塩ラーメン。卓上にあった食べ方説明書の通り、後の方でレモンと柚子胡椒を加えてみるとサッパリ感が出て、後味がスッキリした。満足。後客の注文を聞いていると半分くらい今治ラーメンを注文していたので、限定30食というのは怪しい。というより、そんなに人気なのは良いことではないか!と思った。

線路の高架下を潜り市の中心部の方へ向かって歩く。アーケード商店街に入り中ほどで脇道に入る。そこには創業から一世紀を超えると言われる老舗のうどん屋『こきんや』があった。本当はこの店が当初筆頭目的店だった。しかし調査したところ、この店で今治ラーメンを提供するのは水土日のみ20食限定。そして今日は金曜祝日。やってないよねーと店前に立つ。やっぱりメニュー表には「今治ラーメン」の文字は無し。諦めるか…と立ち去る直前、えっ?と思った。店前に水色の今治ラーメンと書かれた幟があるではないか。これがあるって事は大丈夫だよね?とダメ元で入店してみる。厨房には店主と女店員の2人。厨房前には一列8席のカウンター席、更に2人がけテーブル席2卓と4人がけテーブル席1卓。先客8人。空いていたカウンター席に座り早速メニューを見てみると、あっ!あった!「イマバリラーメン」と書かれている!連休だから特別に提供するようになったのか?評判が良くて毎日出すようにしたのか?水色の暖簾は今治ラーメン提供日であると知らせる為のもの?ともかく良かった。限定20杯だもん。早速口頭で注文。諦めずに入ってみるものだねぇ。後客2人。

Cokinya00 Cokinya01 Cokinya02 こきんや 『イマバリラーメン』 500円

調理方法をみているとピッチャーのようなものの中にスープを入れていた。あと1割ほどしか残っていなかったので、この店の1日20食限定は本当かも知れない。10分ほど待たされて着丼。いい顔をした一杯。このヴィジュアルの写真を見たのでこの店を筆頭目的店に選んだのだ。その通り美しい一杯だった。麺は中細ちぢれ麺。具は青ネギの小分け切り、細切りきくらげ、三つ葉、錦糸卵、鶏肉、海苔、今治ラーメンのマークが焼き印されたす巻きが中央にのせられている。別皿で絞り器と一緒になったレモンスライスと粗びき胡椒が提供された。海苔にあられみたいのが付いているけど、何だろうと思っていたが、魚の卵が産み付けれれた子持ち昆布というものなのだそうだ。知らなかった。そしてこちらの一杯は先ほどの『光屋』のものと基本的に一緒の味なのだが、うどんの出汁感が出ているのが面白かった。さすがは老舗うどん屋。あっさり塩ラーメンなので2杯目だけど苦もなく美味しく食べられた。この店の今治ラーメンを食べられて良かった。満足。

次の電車が出るまであと10分弱。観光の余裕など無い。店から小走りに駅まで戻って、みどりの窓口で特急券と乗車券を買って出発時刻2分前にホームに立つ事が出来た。今治タオルとか買えなかったが、『こきんや』で食べられたボーナスが嬉しく、幸先の良い愛媛遠征のスタートがきれたと思う。

2014年2月 1日 (土)

高知拉麺

Kouchi04 昨日は高知市内の老舗3店をまわったが、今日は高知に普遍的に存在していて、他県からはあまりお見かけしない地ラーメンのルーツを探る。それは「味噌カツラーメン」というものだ。こう書くと名古屋の味噌カツが入ったラーメンと思われるが、正しくは「カツ入り味噌ラーメン」と表現するべきもの。岡山では「とんかつ」というトッピングが一般的に存在していたが、ここ高知では味噌ラーメン限定のトッピングのようなのだ。地域的に離れているので関係性は薄いと思われる。その「味噌カツラーメン」の元祖の店を調べてみると、『ラーメン豚太郎』という店である事が判明した。昭和42年創業で、今や県内に35店舗を展開している地域密着のチェーン店。フランチャイズではなくボランチャイズという各店舗の自主性を尊重した不統一チェーン店との事。ならば本店格の店舗を目指すべく、高知市内でも郊外の方にある介良(けら)店という本部直営店に狙いを定めた。

朝10時半と遅めのチェックアウト。例によってほとんどの荷物はホテルに預かってもらって出発。近くの電停から「とでん」に乗り、ひたすら東へ約20分ほど揺られて鹿児(かご)という電停で降りる。そこから5分くらい歩いて南国バイパスという国道に出る。その国道に沿って今度は西へ。国道沿いというのは本当に無個性で、全国どこ行っても大概同じ景色に見えてつまらない。でも観光地とは無縁の国道沿いを歩いているという行為が、「ストイックに地麺巡りしているなぁ」、「我はホントにラオタだなぁ」と感じてしまうんだよなぁ。国道にでてから約5分ほど歩いたところで豚のイラストが描かれた看板が見えてきた。目的の『豚太郎』介良店、本部直営店だ。確かに大きなガレージのような建物には「豚太郎本部」と書かれており、その一角が店舗となっている。事務所というより工場に見えるが、スープ等を作っているのだろうか?ともかく店舗に入店。中はファミレスのような作り、建屋の関係で天井が高い。その為照明が高いところにあり、手元が暗い。厨房は奥にあり男の店員1人と女の店員が3人。4人がけテーブル席2卓に6人がけテーブル席5卓。先客4人に後客2人。口頭で注文。

Tontaroukerahonnen00 Tontaroukerahonnen01
ラーメンの豚太郎 介良店

『みそカツラーメン(麺かため・味濃いめ)』 780円
目的のみそカツラーメンを注文。メニューでも筆頭になってるし、豚太郎発祥としっかり書かれている。麺のかたさ、味の濃さを選べる。朝から何も食べていなかったので、麺かため、味濃いめで満足感を得たいと思い注文。麺は細麺ストレート。具は薬味ネギ、もやし、メンマ、茹で玉子半個、チャーシュー2枚。そしてカツなのだが、大きさは二口サイズで、それが3個入っている。衣の具合からして冷凍だろう。そこに文句を言うつもりもなく、むしろカツ入だけどチャーシュー2枚は抜かずにちゃんと入っている事を評価したい。スープは一般的なチェーン店のものだが、味濃いめ注文なのでしっかり味噌を味わえるものとなっている。直営店のこの店だけ食べて判断するのはいけないとは思うが、普通の醤油や塩ラーメンで530円から、味噌で580円からとかなり良心的な店だと感じた。
それにしても高知で味噌ラーメンとは想像していなかった。ポイントは単にこの『豚太郎』というチェーン店が広まったから、ではなく、他のラーメン店でも一般的に味噌カツラーメンが提供されているという事だ。紛れも無く高知の地ラーメン。その元祖を食べられて満足だ。
店を出た後もしばらくは真っ直ぐな国道沿いの道を歩き、また横道に逸れ「とでん」がある通りまで歩いた。また「とでん」を待って乗り、はりまや橋の電停を2駅通り過ぎ、大橋通駅で下車する。時刻はちょうど12時半くらい。電停から歩いて2分弱、天神橋商店街の中にある『手打ちラーメンとがの』に向かう。高知遠征最後に予定していた店だ。しかし、その途中で赤字に白文字でラーメンと書かれた昔ながらの暖簾を掲げた店が目に入る。中を覗くと老若男女の客で賑わっている。明らかに評判店の匂いがする。で看板を見ると『丸福』とある。老舗らしい良い屋号。あっ!そういえば食べ歩きの参考にしていた千葉のDrのブログでも紹介されていたっけ。こんなところにあったんだ。入ろうか迷っていると、店前に車が止まって中から子連れの5人家族が先に入店しようとした。しかし店内があまりに混雑していた為、父親は撤退を指示。なのでこれはチャンスとばかり突発的に入店してしまった。我が遠征で予定外の店に入ることはめったに無いのだが、高知2日目は2店しか目的店を設定しておらず、ちょっと物足りないかなと思っていたところだった。後悔はしていない。中は昔ながらの中華料理店といった風。厨房には比較的若い夫婦と思しき男女と、中学生だろうか、夫婦の娘らしい女の子が接客。このアットホーム感が良店の予感を押し上げる。そして店内の活気がいい。常に満席状態キープ。親子三代できている客までいる。店主はおおわらわだ。厨房周りにL字型カウンター12席と4人がけテーブル席2卓。口頭で注文。
Kouchimarufuku00 Kouchimarufuku01 中華そば 丸福 『ラーメン』 630円

筆頭基本のラーメン注文。麺は高知初となるちぢれ細麺。具は薬味ネギ、わかめ、茹で玉子半個、海苔1枚、チャーシュー1枚。スープは普通の醤油スープ。むぅ…これはワカメラーメンだ。ワカメのせいでしょっぱく、場末のラーメンにに感じてしまった。これは予想が外れたと残念な気持ちになってしまった。知っていたらワカメ抜きでお願いしたのに。希望を聞いてくれるかわからないけど…。屋号を冠した野菜入り塩ラーメンの『丸福ラーメン』を頼んだ方が良かったのかな。一期一会と割り切るか。でもチャーシューは美味しかったと思う。
店を出てそのまま『とがの』に行くのはキツイので、インターバルを置くため一度『ひろめ市場』に行き、土産用の鰹のたたきを購入。それからまた来た道を戻り最後の店『とがの』に入店。創業昭和56年。県内でも珍しい手打ちラーメンの店。店内は喫茶店のようでもあるが雑然としている。何で先客の食べ終わった丼をなかなか片付けないのか?厨房には熟年店主夫婦2人。L字型カウンター12席と4人がけテーブル席2卓。先客6人後客3人。口頭で注文。
Togano00 Togano01 純手打ちラーメン とがの

『とがのラーメン』 530円
麺は注文を受けてから打つというこだわり。どんどん本数が増えていく手延べ方式。不揃いの麺はもちもちした食感。具は薬味ネギ、もやし、メンマとワカメ、バラチャーシュー数枚。スープは高知遠征初となる豚骨スープ。歴史が比較的浅いからね。かなりあっさりした豚骨スープだった。手打ちでこのボリュームでこの値段。とても良心的だと思う。店主は後客の為にまた麺を打つ為、製麺場に立つ。バーンッ!バーンッ!その音が高知の旅ももう終わりだと告げていた。
宿泊していたホテルに預けていた荷物を受け取りに戻った。ロビーで帰り支度を整え、はりまや橋の高速バスの停留所へ向かう。チケット代は700円。約30分で高知空港に到着。1時間半ほど待って飛行機に乗り羽田には夕方5時過ぎに無事到着。夜7時前には帰宅出来た。今遠征の満足度は高い。老舗巡りっていいね。土産の鰹のたたきはとても美味かった。

2014年1月31日 (金)

高知地麺

あかおか駅から土佐くろしお鉄道に乗り約30分、そのまま直通でJR高知駅へ。改札を出て路面電車に乗り市の中心部であるはりまや橋へやって来た。時刻は11時50分くらい。ここから高知の地麺巡りが幕を開ける。まずは今回の遠征で最重要訪問店と位置づけた昭和5年創業の老舗中の老舗、『十一屋(といちや)』本店へ訪問する。こちらはラーメン専門店ではなく所謂お食事処といった感じの店。それでも中華そばの提供を始めてから40年以上経っているという。市内に暖簾分けした店が1軒あるそうだ。店ははりまや橋商店街から少し外れた路地にある。この店を知ったのは食べ歩きの参考にさせていただいている千葉のDr様のブログ記事より。そこで紹介されていたこの店の写真を見たことが高知に遠征に行くきっかけになったと言っていい。この赤い看板!渋すぎる!早速入店。うわっ!お客さんでいっぱいだ。何とか空いた席に相席させてもらう。中も年季の入った茶色い板張りで渋く、七福神の面や、たぬきの置物、通行手形等の民芸品が所狭しと飾られて老舗感をより一層引き立てている。厨房は奥にあり初老の店主と思しき男の店員とおばちゃん店員3人。壁側に一列のカウンター4席と4人がけテーブル席2卓、6人がけテーブル席1卓。客層はスーツを来た人や普通のおばちゃんが多いが総じて年配客が多い。後客も続々来店でほぼ満席状態をキープ。これこそが地元に長く親しまれている証明に他ならない。早速口頭で注文。高知の中華そばがどんなものか楽しみだ。メニューは壁に木札で書かれており、うどんやそば、親子丼等があった。でも周りの客の注文を聞いていても圧倒的に中華そばが人気。この店はだいたい3時くらいに暖簾を下ろしてしまうそうだが、中華そばが閉店時間まで残っている事はまず無く、昼1時過ぎくらいには提供終了になってしまう場合もあるという。なので今回訪問予定時刻を早める事が出来て本当に良かった。注文出来た時点で今遠征の山場を乗り越えたと言っていいくらい。

Jyuuichiyahonten00 Jyuuichiyahonten03 Jyuuichiyahonten01 十一屋 本店 『中華そば』 580円

ほどなく中華そばが運ばれてきた。美しい顔をした一杯。麺は中細ストレート。具は薬味ネギ、メンマ、花の模様が書かれたカマボコ、チャーシュー2枚。スープは見た目あっさり醤油スープに見えるけど一体どんな味なのか?こればかりは食べてみないと判らない。まず驚いたのが麺の食感。柔らかめだがなかなかのシコシコ感。さすが麺の国、四国という感じだ。そしてスープはあっさり醤油だが、関西風の出汁を効かせたもの。鰹と鶏ガラの出汁を合わせたという。じんわりと染み入る感じ。これは美味しい。人気なのも納得。高知のラーメンは東京風でも徳島風でも豚骨でもない、高知オリジナルスタイルを持っていたという嬉しい誤算という結果になった。

Jyuuichiyahonten02 十一屋 本店 『蒸し寿司』 700円

それともうひとつ、冬季限定ながらこの店の名物が存在する。「蒸し寿司」というものだ。正方形の升に散らし寿司が入ったもの。せっかく冬場にこの店への訪問が叶ったのだから注文するしかない。そしてこれが美味しかった…と言いたかったが、酢飯の酸味と椎茸の煮漬の甘み、それらの匂いがない混ぜとなった湯気が我と合わず、半分以上食べる事が出来なかった。ゴメンナサイ。

さてここで気分を変えて桂浜観光に出向いた。その様子は前述の「晴天桂浜」で。

バスではりまや橋に戻ってきてまず行ったのは土佐電鉄の営業所。路面電車の一日乗車券を購入する為だ。地方に行って旅情を感じるし便利だなぁと思うのがこの路面電車。目的地や経路が分かりやすいし、時間だってだいたい合ってるし、バスなんかより全然いいよ。路面電車が今になって見直されているって聞くけど、横浜で復活するっていうのは現実問題無理なんだろうなぁ。残念だ。無事1日乗車券を購入し路面電車に乗り込む。高知の路面電車は土佐電鉄という会社が経営しているので「とでん」と呼ばれている。その「とでん」に揺られ約10分ほど西に向かい旭町三丁目という電停で下車。そこから1分ほど歩いたところに今遠征初のラーメン専門店となる『旭軒』本店を発見した。昭和30年創業というから、ラーメン専門店としては高知ではかなりの老舗の部類になる。支店が何故か至近距離にあるらしい。辿り着いた店は老舗感を全く感じないビルになっている。1階が駐車場で2階が店舗。早速入店。厨房は奥にあり敷居がされていて見えない。変形L字型カウンター9席、3人がけテーブル席1卓、4人がけテーブル席4卓、座敷に5人がけテーブル席1卓。先客1人後客3人。口頭で注文。

Asahikenhonten00 Asahikenhonten01 旭軒 本店 『ラーメン』 610円

筆頭基本メニューを注文。他に味噌、豚骨、塩などがあった。出てきた一杯はまた素朴さは感じさせつつも、見たこともない個性的なもの。麺は白い細麺ストレート。具は薬味ネギ、コーン、キャベツ、メンマ、チャーシュー2枚、中央に鶉の生卵。スープは鶏ガラ醤油スープ。コーンとキャベツはあるとしても、鶉の生卵が入っているラーメンはあまりないように思う。スープは若干洋風な感じ。しょっぱさを強く感じる。誤解を恐れずにあえて表現するのなら、サッポロ一番カップスターのような味わい。麺はかためのストレート麺だがら麺の食感は違うけど。個人的好みとは合わなかったけれど、高知のラーメンはどこにも似ていないラーメンだったという事が確認できたのが何よりの喜びだ。帰りにまた「とでん」に乗る為大通りに戻ったら、旧店舗がそのまま残っていた。昔からの客の思い出を壊さないように残しているんだとか。こういう事が出来るのは本当に素晴らしいと思う。Asahikenhonten03

夕方5時に一旦ホテルに戻り1時間半ほど休憩する。何だかんだとよく歩いたし。だけどせっかく高知に来たんだ、これで初日終了というわけにはいかない。今回のホテルは帯屋町商店街という高知で一番の繁華街の中ほどにある好立地にある。なのでそのアーケード商店街の突き当り近くにある「ひろめ市場」まで歩いて5分ほどなのだ。「ひろめ市場」とは言ってしまえば屋台村の集合施設みたいなもの。飲食店40、土産物店20が軒を連ねる、高知市内観光としては外せない場所。入口に来たが何だか活気がないし、入ったらいきなりシャッター通りになっていたので不安になった。しかししばらく中に進んでみると、とても賑わっているところが広がっていた。後で判ったが裏口から入ってしまったようだ。いくつもテーブルがあったが既に集団客が沢山座っている。端のテーブルを見ると誰も座っていない席を見つけた。よく見ると予約席となっていた。でも時間まではご自由にお使い下さいとも書いてあったので、その席を確保する事にした。予約してあった時間にはまだ1時間弱あったから。早速何から食べようかと物色したところ、「日本一旨い」と言われている高知名物屋台餃子の店を発見。先の食べ歩きの参考にさせてもらっている千葉のDrも食べていたものだ。早速餃子1枚とビールジョッキ1杯のセットを注文した。

Hiromeichiba00 Hiromedeyasubei01 ひろめで安兵衛 『お得セット』 800円

少し小ぶりの餃子が7個。焼き餃子か揚餃子か判別つかないような外見。食べてみると餡は韮と挽き肉なので餃子の味というのは変わりない。でも食感に驚かされた。例えるならホクホクの小粒の蒸かしジャガイモのよう。中までホクホク。日本一かどうかは置いておいて、間違いなく食べやすくて美味かったのは確か。

Yairotei01 やいろ亭 『塩たたき』 1300円

そして高知に来たら鰹のタタキを食べなきゃ駄目でしょう!我は塩タタキを選択。5切れで1300円というのは高いか安いかは判らない…やっぱり高いかな?でも味は間違いなく美味かった。藁焼きの香ばしさに舌鼓を打った。我は寿司より断然たたきが好きだなぁ。

たったビールジョッキ1杯だけで顔が赤くなり酔いがまわってきている安上がりな我。でも旅の開放感もあって上機嫌だ。このまま宿に戻らず、本日最後に行くと決めていた店に行く事にした。はりまや橋から「とでん」に乗り南下すること3駅目、桟橋通二丁目駅で下車。陸橋を渡って徒歩2分弱で目的の店を発見。その店名は『ラーメン専門 川崎』という。横浜在住の我からすれば妙な印象を受ける店名なのだが、店主が川崎さんだからだよねぇ。昭和35年創業という老舗で支店が県内に1店あるらしい。早速暖簾を割る。厨房は奥にあり老店主夫婦と思しき男女2人のみ。内装は老舗が漂う。逆L字型カウンター6席に2人がけテーブル席2卓、7人がけゲーブル席2卓。前後客ゼロ。テレビがBGV。

Ramensenmonkawasaki00 Ramensenmonkawasaki01 Ramensenmonkawasaki02 ラーメン専門 川崎 本店

『醤油ラーメン(麺かため)』 890円

サイドメニューは一切無し。ラーメンの味は醤油とニンニクと酒粕の三種のみ。考えてみればこの3種の味も奇抜でただならない店という感じはあるが、我がこの店が気になったのがその値段だ。基本と思われる一番安いメニューの醤油ラーメンが一杯890円!首都圏にもなかなかない強気過ぎる値段!それでいてこの高知で長年営業を続けていけているという事実!その秘密を知りたくてこの店を選んだのだ。ここは基本の醤油を注文。家系の様に麺・味・油を調整出来るというのは高知でも珍しいのではないか?でも、麺のやわめを「ヤオイ」といい、油多めを「ムッコイ」というのはとても高知らしい。しばらく待って出てきた一杯もまた判断に迷うような個性をもったものだった。麺は四角い中太ストレート麺。具は薬味ネギ、きくらげの細切り、大量の豆もやし、チャーシューと間違えた薄切の円形カマボコ1枚、チャーシュー2枚。大量の豆もやしは徳島ラーメンのようでもあり、細切りのきくらげは博多ラーメンのようであり…。麺はコシが強く、出汁の旨味が出ている豚骨鶏ガラスープは昼に食べた『十一屋』に近いが、こちらの方が大分オイリーな感じ。量はきわめて普通。ラーメンも普通に美味しかったけど、正直値段に見合う一杯とは思えなかった。でも店主にはこだわりがあり、高知の人もそれを支持しているという事だろう。よそ者がどうこう言うものでもない。この店は昼11時半から深夜1時半まで頑張って営業しているという。末永く頑張って欲しい。

さてようやくホテルに戻ってきたのだが、まだ夜の8時。ホテルの1階にマッサージ屋があったので入ろうと思ったら、あと1時間待ちだという。まぁいいや、1時間後に予約を入れて部屋でくつろいだ後マッサージ屋へ入る。我が疲れるのはふくらはぎから足裏なので、そこだけ重点的にやってもらった。「お客さん、かなりふくらはぎ固いけどスポーツでもやってたの?」と聞かれた。やってません。純粋に疲れてるんです!ほぐして下さい!おばちゃんだったので非力かと思ったが、結構な力でグリグリとやってもらって、よだれが出てしまうほど気持ち良かった。20分で2000円だったが十分効果があった。おばちゃんありがとう!今夜はぐっすり眠れそうだとお礼を言った。本当にその夜はそのままぐっすり眠れた。

赤岡中日

いつもの出勤時間よりやや遅めに家を出て羽田空港に向かった。羽田8時半発の飛行機に乗る。昨年晩夏の釧路以来になる飛行機搭乗で、童心に帰ったようにワクワクした。時には自分のやりたい事を優先する。精神的な閉塞状況は結局自分で打開するしかない時もあるものだ。高知空港には10時ちょうどの到着予定だったが、何と5分以上早く到着した。この時間的ボーナスは結構重要で、この後の旅は良い方に転がってくれた。高知空港は予報通り晴天。徳島の時は天候に祟られたが、今回は良い旅になる予感がした。

Akaoka01 空港からいきなり禁断のタクシーに乗車。向かうは高知空港からはほど近い香南市あかおか駅。5分ちょっとで到着出来たが1300円かかってしまった。ここには「中日」という麺料理が名物となっているという。存在を知ったのは、よくコメントをくださる丿貫様のブログ記事より。元々赤岡には3つも製麺所があり、中華麺だけは事欠く事は無かったが、ラーメンのスープ作りは手間だった。なので一手間省いて簡単に作れる和風出汁を使い、簡単に作れる食べ物として昭和27年頃から食べられていたという。和風出汁に中華麺を入れるから中日。ラーメン未満の食べ物というか。こういった食べ物は全国に散在する。かけ中@富山、素ラーメン@鳥取、駅そば@姫路、天童の鳥中華も仲間に入るかな。一時は廃れてしまった時期もあったようだが、近隣の店舗が協力して復活させた経緯がある。その復活劇の中心的役割をはたしているのが土佐くろしお鉄道あかおか駅から徒歩3分ほどのところにある『とさを商店』という店だ。昭和39年創業の食料品店。外観からは飲食出来るような店には見えない。中に入っても野菜や乾物が並び、何と文房具類なんかも売っている。実際は雑貨屋のようだ。この店は不定休となっていたので、営業していて一安心した。厨房は店舗の奥の方にあり、カウンター3席、その手前にテーブルクロスが敷かれた2人がけテーブル席が1卓と4人がけテーブル席が計6卓。しかしそのテーブルの上には仕出弁当用と思われる容器や鍋やらが並んでいた。我が客だと判るとおばちゃん達が片付けてテーブル1卓を空けてくれた。厨房には親父さん1人とおばちゃん4人。前後客ゼロ。おばちゃんに「今お湯わかしちょるけんちょっと待って下さい」と言われた。準備が全然出来ていないから時間がかかるという事だろう。その間おばちゃん達の会話を聞いていたのだが、単語以外何を言っているのか判らなかった。見知らぬ町の雑貨屋で、聞き慣れぬ方言が飛び交っているのを聞きながら、緩い時間が流れていく。いいなぁ。旅しているって実感するなぁ。

Tosaosyouten00 Tosaosyouten01 とさを商店 『ちりめんちゅうにち』 580円

結局10分弱待たされようやく着丼した。なかなか綺麗な顔をしている。麺はやわらかめに茹でられた中太ストレート麺。具は薬味ネギととろろ昆布、簀巻き3切れ、ちりめんじゃこに、じゃこ天。スープは地元特産のちりめんじゃこを釜揚げする際の茹で汁に鰹節等を加えているという。なので関西風のうどん出汁とは微妙に違い、甘さも目立たない、じんわりと旨味が口の中に広がる。そして麺は中華麺なのでうどんとは食感が異なりにゅるんとしている。店の雰囲気と、素朴かつ個性的な一杯に出会えて幸せ。雰囲気込みの食事。地麺巡りの醍醐味だ。食後おばちゃんに「こんなおそろしげなところで待たせちゃってごめんねー」みたいな事を言われた。店主のおじさんに中日の感想も聞かれたので、優しい味で美味しかったと答えた。現地でしか味わえない一杯を食べられて満足した。
Akaoka02 予定では11時40分の電車だったのだが、早く目的を達成出来たので1本前の電車に乗れそう。1時間に1本間隔で来る電車なので、この効果は大きい。急いであかおか駅に到着。「アンパンマン」作者のやなせたかし氏がこちらの生まれという事で、彼のキャラクターがずらりと並んでいた。階段を上りホームに出るが、こちらも彼のキャラクター。電車に乗っても各々の駅にキャラクターが付けられていた。無事予定より1本前の電車に乗る事が出来た。駅のホームで券売機を探したが見つからず。どうするんだと思ったら、乗車の時に整理券を取るバスと同じシステム。車内を回ってきた女性駅員から高知までの切符を購入。で、この土佐くろしお鉄道は第三セクターの電車で、後免駅から直通でJR土讃(どさん)線に接続するので、高知まではこの電車に乗ったままでいい。でも初めての乗車客にはこういうの戸惑うよね。ちょっと不安な気持ちで平静を装う。我は旅先でローカル線に乗るのが好きなのだが、こういうのが地麺巡りに通じるものがあるからかな。南国土佐はやはり暖かく、電車内でジャケットを脱ぎシャツの袖を捲った。

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