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2024年9月14日 (土)

青森朝離

240914aomorist01 朝9時に宿泊していたホテルをチェックアウトしJR青森駅へと向かう。早くも朝10時過ぎの新幹線に乗り帰宅の途につく為だ。天候に恵まれ短いけど充実した良い旅だった。でもまだちょっとだけ続きがある。

ホテルから10分程度で青森駅に到着。まだ朝9時10分にもなっていない。こんなに早く駅に来た理由はやはりラーメンを食べる為。朝10時発の新幹線に乗って帰るのにその日に3連食を目指す。朝ラーメンの文化が根付いている青森ならでは可能の行為。今回の旅の最後に訪問するのは津軽煮干し中華そばの雄『長尾中華そば』だ。最近東京神田に支店を出したらしい。本店には最初の青森遠征で訪問済。今回訪問する青森駅前店も約9年前訪問しているので再訪問になる。朝7時から営業開始。店外に設置された券売機で食券を購入してから入店。厨房には男女2人の店員。狭い店内ながら柄杓型に配置されたカウンター席が9席。先客8人で1席だけ空いていたのでそこに着席し店員に食券を渡した。水セルフ。後客3人くらい。

240914nagao00 240914nagao01 長尾中華そば 青森駅前店『◯新津軽ラーメン こく煮干し』900円

青森の〆として煮干しギンギンの濃厚なヤツを食べたくて、その最上たる「ごぐえぎ」なる新メニューを狙っていたのだが、朝営業では提供していないらしく券売機で買えなかった。仕方なく今まで通りの「こく煮干し」を注文。麺は手打ち麺/中太麺/細麺/縮れ麺から選択する。我は筆頭手打ち麺を選択した。

240914nagao02スープ表面に煌めく魚粉が浮かぶ本格的濃厚煮干しな一杯。麺はツルツルモチモチした食感の四角い中太やや縮れ。具はきざみ葱、濃い色をした平メンマ数本、チャーシュー2枚。スープは臭みはなく思ったより飲みやすい。安定感のある味わいに大満足だった。

240914hayabusa01 JR青森駅の改札を抜けるとあと1分で新青森駅行きの電車が出ると判って急いで走って電車に乗った。まあ次の電車でも間に合うんだけど早いに越した事はない。新青森駅で土産物を買う余裕も生まれた。朝10時過ぎの全席指定のはやぶさに乗車し東京へ向かった。腹いっぱいだったので車中で爆睡。昼1時半くらに東京着、2時半過ぎには無事帰宅出来た。こっちは相変わらず蒸し暑く、急いで部屋の冷房を入れて冷水シャワーを浴びてから洗濯物やらをした。短い旅だったけど自分的には目的を無事達成して充実していたと思う。好天にも恵まれ避暑も出来て、何より心を晴らす事が最大の収穫だった。旅っていいもんだと改めて思った。

青森朝麺

240914sky02 『ラーメン糸』を出て青森市中心部へと戻る。青森で朝を迎えたラオタには避けて通れない店がある。1948(昭和23)年創業の青森を代表する老舗『くどうラーメン』だ。青森に朝ラーメン文化を根付かせた偉大なる店。我は2011年9月2015年8月の過去2回青森に宿泊しているが、いずれもその朝に訪問している。3度目の訪問になってしまうが今回も表敬訪問するしかない。朝7時半から営業開始だ。

食べログを頼りに店に向かうとあれ?また記憶と違う赤い店舗になっている。後で調べたら区画整理が原因で2019年に移転したみたいだ。店に到着したのは開店5分後くらいで既に営業中。早速入店。入口の券売機で食券を購入し厨房に行って食券を渡す。厨房には高齢のおじさんおばさんの2人だけ。跡継ぎがいるのか心配になる。客席は広く壁向かいに一列のカウンター6席、店内中央にL字型カウンター7席、テーブル席が1人卓1つ、4人卓2つ。先客6人後客8人。水セルフ、レンゲもセルフ。テーブルの上に食券の半券を置いて着丼を待つのだが、この広い店内でそれを探して運んでくれる厨房のおじちゃんおばちゃんは大変そう。申し訳ない気持ちになる。

240914kudou00 240914kudou01 くどうラーメン『ラーメン中』600円

既にいつもの麺1玉ちょっと少なめの中サイズを注文。三度目のご対麺だ。

240914kudou02 麺は中細縮れ麺。具はきざみ葱とメンマ数本、昔ながらのかためのぱさついたチャーシュー2枚。あれ?椎茸が半分のっている。今まで入っていた記憶が無かったのでちょっと驚いた。ある意味ラッキーだったのかな?スープはしっかり濃い目の醤油色。味は煮干しは感じるものの控えめで醤油味がやや勝っている印象。それでいてあっさりしてどんどん飲めてしまう。日本蕎麦にも近い印象を受ける。朝ラーメンの原点にして至高の一杯。もはや青森の朝には欠かせない存在になっているので出来れば末永く営業を続けて欲しいと思わずにはいられない。大満足で店を出た。

朝7時台で既にラーメン2連食してしまった。ホテルに戻り冷水シャワーを浴びた後1時間ほどゆったりと朝の時間を過ごした。

早朝焼干

体内時計によっていつも通りに早朝目覚めると日常とは異なり青森で宿泊しているホテルの一室のベッドの上にいた。うたた寝したい気分を断ち切り身支度した後エレベーターで最上階へと向かった。もちろん朝から露天風呂に浸かる為だ。ああ、昨日よりは若干雲が多い気がするが、それでも良い天気のようだなーとボーッと湯船の中で大の字に身体を広げ空を見ながら考えていた。風呂を出ると昨夜同様マッサージチェアで極楽気分を味わい、無料提供されているヤクルトもどきをグィッと飲み干した。素晴らしい朝のルーティンだ。

240914sky01 サッパリした後身支度をして朝6時45分頃外へ出た。早朝の青森中心部は無人の野を行くが如くだ。青森中心部の中でも大通りである柳町通り沿いにある2022年9月1日にオープンした『ラーメン糸』という店へ朝ラーメンを食べに出かけた。朝7時から営業しているので朝型の我は大助かりだ。店には開店5分後くらいに到着。暖簾が出ているので早速入店。白い内装の清潔感がある店内。厨房には中年の男の店主1人。客席は厨房前に逆L字型カウンター8席と上がりに2人卓が2つ。適当な席について口頭で注文。水セルフ。レンゲも置き場からセルフ。先客1人後客ゼロ。

240914ito00 240914ito03 ラーメン糸『あっさり焼干醤油らーめん 細ちぢれ麺 中盛』650円

この店はスープは共通で麺を選べるシステム。細縮れ麺/ストレート麺/太麺の中から筆頭細縮れ麺を選択した。

240914ito02240914ito01美しい顔をした一杯が登場した。麺は黄色い縮れ細麺。一番ラーメンらしさを感じられる麺種だと個人的に考えている。具は薬味葱、細切りメンマ数本、薄切りチャーシューが5枚くらい入っていた。スープは油少なめであっさりしながら焼干しが効いた美味しい醤油味で無化調だそうだ。朝から抵抗なくスルッと食べられてしまう一杯。なかなかのコストパフォーマンスだし朝7時から大満足だ。

240914ito04 +『茶碗めし・貝焼きみそ』150円=800円

茶碗めしというサイドメニューに興味を惹かれたので注文した。貝が味噌焼き卵とじされているものがのっている。あっさり焼干しラーメンと共に食べるといかにも日本人が喜ぶ朝食セットとして完成してしまう。失礼かも知れないがラーメン以上に美味しい一杯だった。頼んで良かった。大満足で支払いを済ませ店を出た。今日も良い1日の予感だ。

2024年9月13日 (金)

西濃煮干

240913sky12 ホテルで2時間ほど休憩して幾分腹もこなれてきた。せっかく青森に来ているので美味しい煮干し中華そばを食べるべく再び街へ繰り出した。金曜の夜だというのに相変わらず街には人出が少ない気がした。

次の訪問店は青森市役所の近くの細い路地にある『西中華そば店』という店を狙った。創業は2015年3月18日。店には夜営業開始の15分も前に到着してしまった。雰囲気のある店構えだ。店前には誰もいなかったので店前のベンチに腰掛け開店を待った。開店の2分前くらいにようやく後客が並び始めた。人気店と言っても駐車スペースがない地方のラーメン店はこんなものなのだろう。定刻に暖簾が出され店内に招き入れられた。男の店主と若い女店員の2人。客席は厨房前一列のカウンター5席と座敷に4人卓が4つ。カウンター席に座り口頭で注文。料金後払い。先客ゼロ後客12人。

240913nishichyuuka00 240913nishichyuuka01 西中華そば店『濃い中華そば』750円

今夜は青森王道のあっさり煮干し中華そばではなく、ギンギンに濃厚な煮干しラーメンを求めていたので濃い中華そばを注文した。

240913nishichyuuka02 麺はかために茹でられたモチモチ食感のストレート太麺。具はきざみ葱と濃い色をした細切りメンマ数本、そしてしっとりとした大きめのチャーシューが4枚も入っている。これはコスパが良いね。肝心のスープだが大量の煮干しでギンギン、でも煮干しのエグみを濃厚な動物系のスープで上手にまろやかにしている。これは評判になるのが理解出来る。弘前の『高橋中華そば店』や青森一と言って良い人気店の『ひらこ屋』等と肩を並べるレベルと言っていいんじゃないかな。腹にそれほど余裕がない状態だったのに最後まで美味しく食べ進めることが出来た。今日の最後を大満足で締めくくれる事が出来た。支払いを済ませ退店した。

途中コンビニに寄ってからホテルに戻ってきた。今回利用するホテルは長野で利用したのと同じグループのもの。多少お高いが露天風呂がありサービスが充実しているので目的地にあったら優先して予約利用するようにしている。今夜も青森上空に漂う雲の動きを見上げながら露天風呂に手足を伸ばして脱力して浸かり日頃蓄積していた疲れを湯の中に溶かした。風呂上がりは無料の高級マッサージチェアに座り15分間夢心地。そして冷たいコーヒー牛乳をゴクゴクと飲む。更には夜食として無料提供される夜鳴きそばを食す。

240913dormmyinn01 天然温泉 淡雪の湯 ドーミイン青森 『夜鳴きそば』

各地共通のレシピだろうから基本変わらない一杯だけど優しい味わいで大好き。食べ終わってあとは床に就くだけ。最初から最後まで自分の思うがまま行動出来る一人旅ってノンストレスで実に素晴らしい。あー、楽しく良い1日を過ごせた。その満足感に浸りベットで横になれば自ずと眠りの世界に転がり落ちた。

避暑青森

240913sky03 青森に来てまず感じたのは気温もそうだが湿度も横浜と比べて低い事だ。横浜だったらとてもじゃないが蒸し暑過ぎて日中サイクリングなんか出来ない状況だと思うのだが、こちらでは心地よい風を受けて寧ろ快適なくらい。テレビ報道だと「北海道も猛暑で…」とか言っているから日本全国蒸し暑いのかと思ったが、実際来てみると程度が違った。避暑という意味でも旅先を青森に選んだ事は大正解だった。

240913sky11 それに平日の昼過ぎという事もあるのだろうが、街の中心部でも人出が圧倒的に少ない。横浜と比べるとまるで無人の都市に来てしまったかのようだ。首都圏の人口集中が一部で言われていたけど、実際地方に来てみるとより深刻な状況なのかも知れないと感じた。

240913sky08 時刻は未だ午後2時をまわったあたり。ホテルのチェックイン時間までまだ間がある。休憩のおかげでお腹に少し余裕が出来たのでもう1軒立ち寄ってからホテルで休む事にしよう。初っ端『味の札幌 浅利』の臨時休業を喰らって食べ損なった青森の隠れご当地ラーメン「味噌カレー牛乳ラーメン」にリベンジしようと街中心部に戻ってきた。たぶんこの地でないと食べる機会もないだろうからね。目指したのは元祖の店である『味の札幌 大西』。我は約13年前の青森初遠征の際に訪問済なので再訪問となる。食べログを頼りにやって来たがどうも店の様子が記憶とは異なる。こんな立派な看板がかかっていた記憶がないから。移転したのかな?後で調べてみたらやっぱり別の店舗になったみたい。昨年創業店主が亡くなり、弟子だった支店の店主が屋号を引き継いだみたいだ。こちらが一番弟子、『味の札幌 浅利』の方が二番弟子らしい。以前は本店と言われていたはずなのにそれが消えたので不可解だったんだよ。納得した。10年以上ブランクを空けて再訪問してみるとやっぱり色々と変化があるものだ。早速入店。隠れご当地といいつつ最近ではカップラーメンにもなって半ば観光名所みたいに行列が出来ているらしいが、流石に平日のこの時間帯は並びはなく店員から待合席に座ることもなくそのまま席へ案内された。店員は男女共に各3人ずつ。客席は厨房前に一列のカウンター8席とテーブル席が4人卓が2つ、上がりが8人卓2つという大箱の店舗で先客も20人くらいいて賑わいが感じられた。口頭で注文。料金後払い。

240913oonishi00 240913oonishi01 味の札幌大『味噌カレー牛乳ラーメンバター入り』980円

醤油も塩もあったが、当然ながら青森でしか食べられないであろう人気No.1と書かれた看板メニューを注文。

240913oonishi02 240913oonishi03 麺は札幌ラーメンらしいレモン色した縮れの強い中太麺。具はもやし、平メンマ、乾燥ワカメ、脂身のないチャーシュー1枚。バター付き。基本は昔懐かしい味噌ラーメン。そこに牛乳とカレー粉を足したような一杯。結構カレー粉の主張が強く感じて改めて食べてみるとチープな印象。我の後に来た地元の常連客っぽい人が二人共各々カレーを入れない「味噌牛乳ラーメン」を注文していたのを見て、確かにカレー味無しの方が好みに合ったかも知れないと思った。麺と具は何とか食べきって支払いを済ませ退店した。

一度青森駅へ向かいレンタサイクルを返却して歩いて予約済のホテルへ向かいチェックイン。何にせよ腹一杯で苦しいので少し休憩することにした。

 

原食堂癒

240913park01 地方に出向いてラーメン食べ歩きをする事を我は「地麺巡り」と称している。ちょっとカッコつけて言ってしまうと「日本各地に各々根付いたラーメンを現地に出向いて体感する事」を目的としている。だから各地の美味しい店を求めているわけではないのだ。味を超越した個性や地方ならではの雰囲気を求めている。だから地麺巡りの事前計画段階でネット上のラーメンランキング等はまず参考に出来ない。ラー博に出店しているようなご当地ラーメンのマストの店を別にすれば、大概一昔前に首都圏で流行ったようなラーメンを出す店ばかり名を連ねているからだ。「麺屋〇〇」やら「麺匠〇〇」、あと横文字が入っているような店名の店は自ずと除外している。逆に「〇〇食堂」という店名だとテンションが爆上がりして、無名でも訪問リストに加えてしまう場合が多い。

240913river02 今回の青森遠征の2軒目として選んだのは堤川にほど近い場所にある『原食堂』という店。創業年までは調べてもわからなかったが60年以上の歴史を持ち、うどんや蕎麦、カツ丼やカレーライス等も提供している大衆食堂だ。ラーメン専門店ですらないし特に名が知れている店でもないのだが、我の心に何故か引っかかるものがあり訪問リストに加えていた。昼だけの営業なので『あさ利』を出た後すぐに向かった。店に到着したのは昼12時半くらい。店前に待ち客はいなかったので早速入店。入店したその瞬間に我のテンションが高まった。明らかにノスタルジックな内装の年輪を刻んだ事が伺える店内だったからだ。

240913hara04 許されればもっと店内の写真を収めたかったほど雰囲気が良かった。店入口はドアは無く開け放たれていて風通しが良く開放感がある。いかにも田舎のこじんまりとした食堂といった感じで、まるで木陰の下でくつろいでいる時のように居心地がとても良かった。厨房には意外と若い男女の店員2人。客席は厨房横に一列のカウンター5席と4人卓2つと5人卓1つ、上がりに2人卓1つ。先客5人後客4人。口頭で注文。料金後払い。

240913hara00240913hara01 原食堂『天中華そば』800円

この店を訪問店に選んだ大きな理由はメニューに天中華そばがあったからだ。このメニューがある店は老舗店好きのラオタからすれば、地元の人達から長い間支持されてきた証明書みたいなものだ。約9年前にこの天中華を求めてわざわざ五所川原市にある『亀乃家』を訪れたものだよ。「天中華」についてはその時の記事に考察をまとめている。この店のは海老天が入った中華そばらしい。

240913hara02 提供された一杯の素朴な表情を見ただけでテンションが上がった。こういうのを我は今求めていたんだよ!麺は中細ストレート。具はきざみ葱と柔らかメンマ、大きめのチャーシュー2枚。そして海老天が一尾。こういうノスラーって大概昔ながらの薄い醤油味か生姜醤油味のスープなんだよ。だからいつものだろうと期待しないで飲んだら、しっかり煮干しの味わいがするんだよ!うわっ!美味さの不意打ちだ。この懐かしさが溢れる居心地の良い店内で、美味しい煮干味の天中華を啜っているという状況が我に多幸感を与えてくれている。地麺巡りをやっていて本当に良かったな-と思えた瞬間だった。完食してもちろん大満足。正直今回の旅で食べた中で1番美味しい一杯だった。数日かけて全メニューを制覇してみたかったくらいこの店を気に入ってしまった。支払いを済ませ後ろ髪を引かれる思いをして退店した。

240913park02 この時点で『あさ利』と『原食堂』の2店を訪れただけだが、既に満腹となり休憩が必要となった。人がほとんどいない平和公園のベンチで青空を眺めながら横になった。今年5月に自分の体質が変化した事を自覚し、今までのような連食は出来なくないだろうなと思っていた。それは覚悟していたのだが、それ以上に今は精神的に満たされた状態になっていたので、もうこの後食べ歩きはしなくていいとさえ思ったくらいだった。青森を目的地に選んでやって来て本当に良かった。

青森辛葱

240913sky07 雲もあるが美しい青が広がる青森の空。正午間近の日差しは強いが気温は30℃に届かず。酷暑の横浜に比べればむしろ爽やかささえ感じられる。

まず向かったのは『味の札幌 浅利』という青森の隠れ地麺である「味噌カレー牛乳ラーメン」を提供する店。とろが店に到着すると暖簾がかかっていなかった…。

240913ajiasari00 味の札幌 浅利

臨時休業!初っ端からこれを喰らうとは…。でもこの店を最初の訪問店に設定したのは単に営業時間が昼の短い時間だったからで、我の中では重要度は低かった。さっさと頭を切り替え今回の旅での最重要店舗に向かうのみだ!

240913river01 今回の旅での最重要店として設定していたのは青森中心部から約3㎞ほど離れた郊外にある『あさ利』という店。1969(昭和44)年創業で地元民からの支持率が高い老舗店。しかしながら一般的な煮干しを使った青森ラーメンからかけ離れた個性の強い一杯を提供しているという。この店を知ったのは小伝馬町近くにある『中華そばたた味』がきっかけ。その店のラーメンのルーツのひとつであると紹介されていた。それからこの店の事を調べるようになったのだが、これは我が行かなくてはいけない店のひとつだと思うようになった。所謂全国を食べ歩くようなコアなラオタ達には有名な店だった。『渡なべ』の渡辺樹庵氏もこの店のラーメンをインスパイアした限定メニューを出していたほどだ。青森のご当地ラーメンという括りで調査してしまうとどうしても「煮干しラーメン」ばかり抽出してしまい、こういう個性的な店が訪問リストから漏れてしまうという。我にとっては痛恨の極みで地麺巡りを事前計画するにあたっての戒めとなった。それだけ今回の訪問への意気込みは高かった。

240913sky02 久々の自転車で懸命にペダルを踏みながら堤川を超え店に到着したのは正午10分前くらいかな。人が並んでいる店舗を見つけて目的の店だと思い確認すると果たして目的の『あさ利』だった。念願の『あさ利』の渋い暖簾を見て安堵すると同時に嬉しさがこみ上げてきた。店前に3人ほど並んでいたので急いで自転車を止め鍵をかけて列の最後尾にならんだ。回転は早いようで先客達はすぐ店内に案内された。我が一人店前で待っていると女子高生4人組が後ろに並んだ。会話を聞いてみると、口調とかは横浜の女子高生とほとんど変わらないのにイントネーションだけ変わっていて面白い。彼女らが言うには「並んでるけどいつもに比べれば全然!」という事らしい。今日はラッキーだった模様。店員のおばさんが出て来て店内に案内された。厨房には結構高齢に見えるおじさん店主とサポートのおばちゃん店員が2人。客席は厨房前一列のカウンター5席、テーブル席が2人卓が1つと4人卓が2つ。上がりが4人卓1つ。我は厨房前のカウンター席に案内された。口頭で注文。料金後払い。客層は老若男女でいずれも地元民っぽい。ラオタなんて我1人だったんじゃないかな?厨房で高齢のおじちゃんとおばちゃん達が切り盛りして、客席は老若男女の地元民で活気に溢れている。この様子だけでテンションが上がるんだよ!だってこの雰囲気、絶対美味しいラーメンが出てくるヤツじゃん!

240913asari00 240913asari02 あさ利『ネギラーメン』1000円

この店には普通の中華そばもあるが、客はほぼ全員ネギラーメンを注文する。辛さが6段階から選べるのだが逆数になっているようで、1/1が一番辛くて2番から5番が1/2~1/5という意味合いになる。1/0になると辛さ無しになるみたい。一番辛い1で頼むと『中本』の北極など比べ物にならないくらい強烈に辛いものが出てくるらしい。我は激辛モノは得意ではないので本来の味の一端を感じられればと4番でお願いした。炒飯やご飯もあるみたい。以前は餃子も提供していたようで元々町中華的な店だったのだろう。

240913asari01 240913asari03提供された瞬間から熱を感じる我好みである事を予感させる一杯。麺は中細縮れ麺。その上には炒めた長葱と棒状のゴツいチャーシューが3本ほど。スープは辣油とオイスターソースかな?かなり油分を感じる。そして4でもむせるくらい辛い。けれど何故か甘さも結構感じるんだよ。不思議だなー。棒状のチャーシューがかたいのに美味しい。だからか焼き肉ラーメンという印象も感じた。確かに唯一無二と言われるだけある。雪の降りしきる中暖簾を割ってこんな熱々の一杯が出てきたら痺れるだろうなー。我は残暑の中自転車漕いでやって来て食べたので汗が止まらなかったけど念願の一杯を味わえて大満足。この店のネギラーメンを食べ終えた事で今回の食べ歩きは8割方目的を達成したも同然だからね。支払いを済ませ退店すると店前には7,8人並んでいたよ。

2023年12月 9日 (土)

白河三囲

231209nanko003 新白河駅に戻るバスの到着時間まで30分を切った。これを逃すと2時間くらい後の新幹線に乗ることになってしまうのでなるべくこれに乗りたい。あと一軒くらいならギリギリ行けるかな、と『火風鼎』の隣にある『かこい食堂』という店に入店することにした。創業は2016(平成28)年とわりと最近出来た店だね。朝ラーメンで有名らしい。入口に名簿があったので書こうとするとおばちゃん店員が出てきて「ちょっとお待ち下さい」と言われた。すぐ空いたテーブル席に案内してくれた。店内はよくある町のラーメン店然としている。店員は男1人おばちゃん2人。5歳までのちびっこラーメン無料とかやっている。家族客向けの店のようだ。客席はテーブル席は2人卓と4人卓が各2つづつ。座敷に4人卓が2つ。更に隅の別スペースにカウンターが7席あるらしい。外待ちはギリギリ発生しない程度に回っていたみたい。しかし…我の前客が4人組が2組続いたせいか提供に20分以上かかった。バスの出発予定まであと5分だよ。どーしようか…。

231209kakoi00231209kakoi01 手打中華 かこい食堂『手打中華』850円

筆頭基本メニューを注文。麺のかたさや味の濃さも調節出来るようだが急いでいたので全て普通に注文。他にワンタンスープやごまラーメン等あり。

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麺は白っぽい中太平打ち縮れ。具はきざみ葱、かいわれ、細切りメンマ数本、海苔1枚、ナルト1枚、チャーシュー1枚。スープは鶏ガラ出汁だが生姜を効かせていたあっさり醤油味。9月に訪問した『英』にとても良く似ていると感じた。バスの時間が迫っていたので、たった3分間で急いで麺と具だけ食べて支払いを済ませて即退店した。最後はかなり厳しかったが、週末の昼前1時間の間に3軒訪問は上出来だ。

231209shinsirakawa002 ダッシュでバス停へ向かった。幸運にもバスは5分ほど遅れて到着し難なく乗ることが出来た。バスはSuicaは使えず定額投入制。長野でもそうだったけど、こういうのを見るとこの国の利便性向上の為のデジタル化促進の道は遠いと実感するよ。とりあえず午後1時前の新幹線には乗ることが出来、午後4時前までには帰宅出来た。今年2回も白河遠征してしまった。もう白河に思い残すことはないよ。

白河ニ東

231209nanko002 白河のラーメン店は喜多方とは異なり市内各所に分散している。その筆頭の『とら食堂』で、他の店からも駅からも遠い場所にあるので前回はレンタカーを借りた。ところが例外的に一部ラーメン店が立ち並ぶ場所があり「らーめん街道」などと呼ばれていたりする。そのひとつが『火風鼎』がある国道沿い。すぐ近くにラーメン店が立ち並んでおり、わざわざレンタカーを借りなくても食べ歩きが可能だ。

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本日2軒目として選んだのは『火風鼎』から歩いて2分くらいで行ける『あずま食堂』という店。創業1972(昭和42)年という老舗だが最近リニューアルしたのだという。行ってみると一見普通の一軒家ぽいのだが暖簾を割ってみると中はモダンなお洒落な雰囲気で店名から感じるイメージとはだいぶかけ離れている。インテリアも含め専属デザイナーがいるんじゃないのかな?と思ったくらい。

入口に名簿があるので記入してから更に奥に入る。すると待合スペースがありその更に奥には広い厨房が丸見えになっている。店主と思しき男1人以外は全て若い女店員で3人くらいいた。待合スペース隅に券売機があるので食券を買って呼ばれるのを待つ。待合室は本が表紙を正面にして並んでいたりする。10分ほど待って客室スペースに案内された。客席は窓際に一列のカウンター6席、4人がけテーブル席が6卓、更に奥に座敷スペースがあるようだ。窓側のカウンター席隅に案内された。各席にカバン置き場が設置されていた。なんか喜多方の『喜一』を連想させられた。

231209azuma00231209azuma01 白河手打ちラーメン あずま食堂『醤油ラーメン』850円

筆頭基本メニューを注文。他に白味噌タンメンや塩などがあった。10分ほど待って着丼。一応白河中華そば枠内な一杯だが、紫玉葱のきざみが乗っていたりとお洒落な雰囲気が演出されている。

231209azuma02

白河らしいビロビロの平打ち中太縮れ麺。具はきざみ葱、紫玉葱のきざみ、ほうれん草のほぼ茎の部分、海苔1枚、ナルト1枚、メンマ数本、小ぶりのチャーシュー2枚。スープは鶏主体の旨味を感じられるまろやかな醤油の味わい。無化調にこだわっているとか。亡くなった母が毎年正月に作ってくれたお雑煮を思い出す味わい。だから美味いなーと思いながら完食した。終始居心地が良かったので良い店だと思うよ。

火風鼎訪

12月の半ばに差し掛かろうとしているが本格的な冬の到来の気配はなく、暖かな快晴の朝を迎えた土曜休日。

231209shinsirakawa001 今年9月1日に人生2度目の白河遠征に行ってきたのだが、その時狙っていた有名店『火風鼎』に臨時休業を喰ってしまい結構ダメージを負ってしまった事は今でも生々しく記憶されている。だって白河の『とら食堂』と『火風鼎(かふうてい)』は、喜多方で言うところの『坂内食堂』『まこと食堂』の関係みたいなものだろうから。白河は流石に『とら食堂』の影響が強く、修行者が独立した所謂「とら系」の店が多い。その中『火風鼎』は『とら食堂』とは関係無い「非とら系」の筆頭店にあたる。創業は1982(昭和57)年。店主は元々は寿司職人で、独学で手打ち麺も含めたラーメン作りをして開いた店だという。その店主の息子は現在那須塩原付近に『手打 焔』を開店させており、我はそちらには昨年11月に訪問している。

今日は天気が良く暖かいようなので、寒くなってしまう前に『火風鼎』にリベンジするべく早朝に家を出て福島県白河へと向かった。今回はレンタカーは借りずにバスを使って移動する為、前回より早い時間に新白河駅へ降り立った。

231209nanko001 駅前のバス停から10分ほどで南湖公園近くに到着。営業開始時刻までだいぶ早く到着してしまった為、店に行く前に南湖公園を散歩した。流石は名勝と言われるだけあって眺めていると気分が落ち着いた。9月に来た頃とはまた違った顔を見せてくれている。

開店予定の70分も前だが『火風鼎』に行ってみることにした。今回は臨時休業の張り紙は出されておらず安堵した。入口付近に行ってみると待合室がありそこに何と既に先客が1人待っていた。そうなると続くしかないなーと待合室に入りと隣の席に座った。問題はこの待合室はストーブでかなり暖かい状態になっているのだ。上着を脱いで袖をまくって待つことにした。しばらくすると後客もやって来たのだが待合室には入らず外のベンチに腰掛けた。というわけで今更外のベンチにも座れなくなりちょっとした暑さ我慢大会の様相を呈してきた。後客は車で続々やって来た。この店は名簿記入をやっていないのでただ待つのみ。開店予定20分前に店員が注文を確認しに来た。その頃には20人以上の開店待ち客が集まっていた。その為か5分ほど前倒しで店内に案内された。厨房には白髪の店主が立ち女店員2人と若い男の店員1人。荷物かごを持ってきてくれる等接客は好印象。客席は厨房を囲むコの字型カウンター15席と窓際に一列のカウンター7席。初回で満席。当然ながら外待ち客が生じていた。

231209kafuutei00231209kafuutei01 火風鼎『手打チャーシューメン』1023円

おすすめメニュー筆頭基本?と注文。我は昨年弟子筋である『焔』のラーメンを先に食べており、更に約3ヶ月前に『とら食堂』も食べている。その事から気づいて合点がいった点がいくつかあった。

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まず自家製中太手打ち中太縮れ麺だが、この表面のザラつきと歯ごたえは『焔』を思い出した。製麺時『とら食堂』のように青竹は使用せず麺棒で伸ばして手揉みもしていないそうだ。具は刻み葱とメンマ数本、そしてチャーシューは数えていなかったけど8枚くらい入っていたかな。このチャーシューも燻製の香ばしさを感じるもので、これも『焔』を思い出したが、同時に『とら食堂』もこれくらいの香ばしさはあった気がした。そしてスープは我の好きな鶏の出汁が主役になったじんわりと旨味が伝わってくるやつ。流石有名店になるだけあって凄く美味しいと思った。ただこのスープに関しては『焔』より『とら食堂』に近いような気がした。元々寿司職人だった店主が修行せず独学で中華そば店を出そうとした際、参考にしたのは『とら食堂』のはずなんだよ、ここは白河なのだから。非とら系と言えど白河のラーメン店であれば『とら食堂』の影響下からは逃れられないのだなという事が理解できた。あと同時に弟子筋の『焔』が紛れもなくこの店出身である事も知識ではなく実食してみて良く理解出来た。今思うと手打ち麺のザラつきを更に際立たせ、鶏油の量は過剰なくらい多めにしており、「白河中華そば」という枠からはみ出すくらいにアレンジしていたように感じた。個人的にはこの『火風鼎』の一杯の方が好みだ。

美味しくてスープ完飲完食の大満足。厨房の店主に「ごちそうさまー」と伝えてから、伝票を持ってレジに行って現金で舌代を支払い退店した。気合を入れて2番手で並んでいた分11時10分頃には退店出来ていた。とうとう念願だった白河『火風鼎』訪問を達成する事が出来て感無量だ。

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