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2020年2月 8日 (土)

山形牛骨

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いつも食べ歩きの参考にさせてもらっている千葉のDrさんのブログに牛骨ラーメンを提供している老舗店が山形にあることが紹介されていた。興味があったので行ってみることにした。明治中期に創業し5代続く老舗店『金長本店』という店。ラーメン専門店ではなく、そばやうどん、丼ものまで提供する食事処だ。『竹田家手打ちラーメン店』から更に駅から離れる方向へ歩いて7分くらいの路地あった。意外と庶民的な店構え。早速入店。厨房は横にありおばさん店員が2人。厨房はテーブル席が1人席、3人席、4人席が各々1卓づつ、座敷に2人卓4つと6人卓2つ。客席は12人くらいと結構賑わっている。口頭で注文。

200208kinchyou00200208kinchyou01金長本店 『ラーメン』 650円

筆頭はおすすめマークが付いた山形ラーメン。牛さがり・山菜醤油味と補足説明が書かれていいる。地名のついたメニューに弱い我は迷ったけど、牛骨スープを純粋に味わいたい気持ちが強いので基本のラーメンを注文。何だか懐かしい感じなのに黄金色に見える一杯が登場。麺は柔らかめに茹でられた中細縮れ麺。具はきざみネギ、海苔1枚、かまぼこ1枚、メンマ数本、さっぱりしたチャーシュー3枚。そしてスープは牛骨だとハッキリわかる甘さを奥に感じるスープ。ああこんなにハッキリ牛骨なんだ。鳥取倉吉山口下松の牛骨ラーメンとも違う味。やっぱり醤油が違うんだろうな。情報によると山形市には牛骨が使われているラーメンは珍しくはないそうだ。人知れず存在していた山形牛骨ラーメン。興味深い。歴史を感じる意外な地麺。満足の退店となった。

200208yamagata02入店前まで粉雪が舞っていたけど店を出たら青空が広がって日差しがさしている。時刻は午後2時を過ぎたあたり。これなら駅まで歩いた時間を入れても3時過ぎ発のつばさに乗れる。ゆっくり歩いて山形駅に戻った。今回は全て成功に終わったので満足。午後7時過ぎには帰宅出来た。

山形手打

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『かめや』での実食を無事終えて遠征目的は完了した。でもせっかく山形県まで来たのだからもう少し食べ歩きを続けよう。今泉駅からは山形鉄道のフラワー長井線に乗り終点の赤湯で山形線に乗り換え山形までやって来た。こちらでも粉雪混じりの冷たい風が吹いている。最初の目的店は駅から徒歩10分、中心部からちょっと外れた場所にひっそりとある『竹田家手打ちラーメン店』なる店。店外に「ラーメン軽食」と表記されている。こじんまりとした店内。厨房には店主夫婦と思しき男女2人。厨房前に一列のカウンター4席、4人がけテーブル席1卓、座敷に4人卓が2つ。先客8人後客3人。ほぼ満席状態で地元民の支持が見て取れる。メニューには餃子や炒飯、麻婆豆腐、天津飯などラーメン以外のメニューが並んでいる。軽食というより町中華っぽい店かな。口頭で注文。

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竹田家手打ちラーメン店 『ラーメン』 600円

筆頭基本のラーメンを注文。お新香付きで登場。なんだか凄いシンプルな顔をしている。麺は白い中太麺でモチモチした食感。不揃いでまさに手打ち麺。具はきざみネギ、きざみほうれん草、メンマ数本、かまぼこ一切れ、海苔1枚、サッパリチャーシュー1枚。スープはすごくあっさりした醤油スープ。聞けば醤油ダレまで自家製だとか。メンマのタレ?がスープに溶けるのが確認出来るほど澄んでいる。シンプルだけど丁寧な一杯。消費税10%時代にこの価格で提供しているというのはとても良心的なお店のようだ。地方都市でこういう一杯を食べるというのも味わいがあるなー。満足。

長井地麺

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今年最初の遠征の地に選択したのは冬の山形。我は暑がりの癖に雪国の陰鬱な景色というのが苦手で、冬の時期は滅多に北へ進路を取ることはなかった。そして山形へは約2ヶ月前の昨年11月下旬に訪問したばかり。それでも目的地に選んだ理由はあの店へのリベンジに他ならない。
 
山形県置賜地方。戦前、山間の斜面に田畑を作る為、牛よりも力のある馬が農耕用として重宝されていた。当然馬肉は牛肉や豚肉より安価で入手出来た土地柄だったという。そういう文化的背景があった上に、長井市にはかつて草競馬場があり、走れなくなった馬は貴重なタンパク源として食されたそうだ。そうして生まれたのが長井の地麺、馬肉ラーメンということになる。その元祖と言われているのが、長井市中心部からは外れた今泉地区という場所ににある昭和28年創業の老舗『かめや』だ。我は昨年11月末に山形内陸地方遠征を行った際、見事にフラレてしまった。その理由は「人手不足と都合により1ヶ月間休業する」というものだった。気持ちの上では膝から崩れ落ちた。12月2日から営業再開とは書かれていたのでそのまま閉店しないというのはわかったけど、理由が深刻なのでもしかするともしかするかも知れない。それからというもの我はこの店の事が心にずっと引っかかっていた。その後改めて再調査するに連れ「この店は我が行かなければならない店」だという思いが募ってきた。なので遠征に出かけるならまず『かめや』へのリベンジ!という気持ちだったので迷いはなかった。今度はレンタカーではなく電車と徒歩で向かう。もちろん日帰りで。一週間前には新幹線のきっぷを手配をした。更に「また臨時休業にぶち当たってはタマラン!」と不安になり、実は前日に店へ明日営業しているか確認の電話を入れた。すると店主と思しき男は「明日営業するかは未定です。その日その日でどうなるか変わるので」とぶっきらぼうに言ってきた。なかなかの職人気質のようだ。一瞬躊躇したけど、そういう答えがあるという事は営業する可能性があるという事だ。前回のような長期休業にはなっていない事は確認出来た。ネット万能みたいに言われる時代になっているけど、地麺巡りはそうはいかない。それが面白いところでもある。明日に賭けることにした。

東京8時発のつばさに乗車し出発。那須塩原辺りは空気の澄んだ気持ちの良い青空がひろがり遠くには雄大な山々が連なる景色が続き、これからの旅に期待が高まる。ところが郡山を過ぎ険しい山岳部に差し掛かると急に吹雪が吹き付ける雪景色に変わった。木々は雪の重さで頭を抑えられているよう。更に山深いところへ進むと、線路のすぐ近くから急激な谷になっていて底の方には凍った川が見え、雪の吹き溜まりのようになった極寒の景色が車窓一枚隔てた先に広がっていた。温かい新幹線車内とのギャップが半端ではない。米沢でつばさを降りて米坂線に乗り換え30分ほど揺られちょうど11時くらいに今泉駅に到着。ホームから渡り階段へあがるところで駅員が待ち構えていたのできっぷを渡して駅出口を目指した。

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駅から300mちょっと離れた場所に目的の店『かめや』がある。角を曲がると記憶にある風景。約二ヶ月前車で通った道。何の変哲もないこの田舎道に結構な交通費と時間をかけてまた自分はやって来たんだ。車で通ったこの道を今度は歩いて進む。僅かな屈辱感もあるが、それ以上に「今度こそ!」という気持ちで高揚している。この感覚は初めてではない。約4年前、北秋田二ツ井の『曙食堂』へ再訪問した時だ。何故か馬肉チャーシューつながり。今回もあの時のようにリベンジを成功させたい。「頼むぞ、頼むよ」と心の中で呟きながら、粉雪が少し風に混じる、静まり返った道を速歩きで進む。そして店に到着した。開店予定時刻を10分ほどまわった時間だった。
200208kameya05まず立て看板の下に辛うじて光っている電光掲示板が目に入った!そして二ヶ月前はガランとしていた店の駐車場に何台もの車が停まっている。そして店舗には暖簾がかかっているのが見えた!やったぞ!二ヶ月間思い焦がれていた店にリベンジ出来る!この時は本当に嬉しかった。地麺巡りをしているとこういう喜びが味わえる時がある。早速入口のガラス戸を開けて入店。駅から店に着くまで通行人の姿が見えなかったのに、何なんだこの店内の活気は!こんな辺鄙な場所にあるのに大勢の客が詰めかけている。それは地元民に絶大な支持がある名店の証拠に他ならない。

200208kameya03200208kameya04 4人がけテーブル席6卓は全て客で埋まっていた。座敷に6人卓が3つあり、その中の一つが空いていたのでいち早く乗り込み陣取った。それは一限の客にはハードルが高い、この店独自の注文ルールがあるのだ。それは客の方から厨房に出向いて陣取った席の番号を言って注文するというもの。それを知らないで店員が注文を取りに来るのを待っていると永遠にラーメンにありつけないことになる。我は事前調査で知っていたのでとりあえず席を確保し厨房に口頭で注文した。厨房にはおじさん店主とおばさん店員の2人で切り盛りしていた。メニューは中華そばの小盛、普通盛、大盛というシンプルさ。我は念願のリベンジだったので大盛を注文。しかしその後25分くらい待たされることになった。でも大丈夫。次の電車の出発時刻までは余裕がある。その間来客は相次ぎこの店が我が想定していた以上の人気店だというのがわかった。地元の支持率がこんなにもあるというのは期待は更に高まる。そして念願だった『かめや』へのリベンジ成功を目前にしているという事実に、自然と笑みがこぼれてしまいそうになり、堪えるのが大変だった。

200208kameya00200208kameya01中華そば かめや 『中華そば(大盛)』 800円

素晴らしいビジュアルの一杯がようやく着丼。この美味そうなラーメンの顔といったら!麺は丸い形でやや柔らかめに茹でられたシコシコ食感の麺。山形のラーメンらしい多めの麺量だ。具はきざみネギ、柔らかめの長いメンマが数本、ナルトの代わりなのか魚肉ソーセージが一切れ、そして黒い馬肉チャーシューが4枚。そしてかなり濃いめの醤油味のスープ。我はこのくらい濃い醤油味は好みなので美味しく感じた。そして馬肉は思ったほど硬さはないがこちらもしょっぱめ。北国のラーメン感があって良いね。着丼前もそうだったけど、食べている間も自然と顔がほころんでしまったよ。量が多かったけど文句なし完食!もちろん大満足!また厨房入口に出向いて料金を支払う。女店員に「おしょうしな」と言われた。これで隠れ地麺である長井馬肉ラーメンの攻略を果たすことが出来た。こんな満たされた気持ちになったのは久しぶりだ。徒歩でこの店にやって来たような物好きは我くらいなので、今度はニタニタ顔を抑えることなく、誰もいない駅へ続く道を戻った。
200208imaizumi03注文から店を出るまで結構時間がかかったけど、次の電車が来るまで20分くらい前に今泉駅に戻ってくる事が出来た。駅の窓口が開くのを待って山形までの切符を購入。我以外誰もいないホームで電車の到着を待った。今回は観光抜きだけど、こういうホームに立っているだけで旅をしている実感が湧いてくるのが不思議だ。

2019年11月23日 (土)

有頂天訪

山形市大野目温泉。そこには「げそ天みそラーメン」で有名になった『有頂天の元祖』という店がある。温泉旅館の社長の息子が作ったメニューが評判になったのだそうだ。そのラーメンは基本は赤湯にある『龍上海』の辛味噌ラーメンのインスパイア。ご当地ラーメンというわけではない。ところがゲソ天がのったインパクトからか、山形のラーメンを紹介する際に各メディアで紹介されることが多く我も前々から気になってはいた。

尾花沢から南下し山形市内へ。店はわかりずらい場所にあり手こずったけどようやく到着することが出来た。時刻は午後3時半。ラーメンと書かれた幟が多数立てられているが…入口には本日の営業終了を示す札があった。残念!
191123uchyoutennogannso00有頂天の元祖

仕方ないけど我は諦めない。急遽『有頂天Evolution』本店へと向かった。その店の方がメディアでの露出が多い。そちらは「げそ天みそラーメン」を考案した温泉旅館の息子がラーメン専門店として市内に2008年に出店した2号店。その時本店の方は弟に任せた為「味も微妙に変わっている、なのでこの2号店の方が創業当時の本当の味」という噂まで出ている。その後独立したのかこちらを本店として、長井や仙台にも支店を展開するまでに至る。そもそも創業店がわざわざ「元祖」と名乗っているのに違和感があったし、2号店に「Evolution」とか横文字付けちゃってるのも妙だったのでどちらに訪問するか迷っていたのだ。午後4時前くらいに本店到着。こんな時間だったので駐車場も空いていたが営業はしていた。早速入店。券売機はない。厨房は奥突き当たりにあり見えない。中央に6席が向かい合う形になったカウンター12席。その片側に4人がけテーブル席3卓と座敷に4人卓が3つ、10人卓が1つ。店員が注文を取りにきたので口頭で注文。先客3人後客2人。

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山形らーめん有頂天Evolution 山形本店

『げそ天みそらーめん(太麺)』 990円

ようやく食べたかった一杯が注文出来た。麺は中太か太麺か選べる。昨年から自家製麺に切り替えたそうだ。もちもちした白い縮れ太麺だ。具はきざみ葱、茹でキャベツ、バラチャーシュー3枚。げそ天はメディア向けだと立てられた形でセッティングされているけど、実際は寝かされた。魚介出汁の味噌汁のようなあっさり味噌スープ。そこに青のりがのり中央に赤味噌。やっぱり北海道味噌とは全く系統が異なる味噌ラーメンだな。そしてゲソ天。揚げ物がのったラーメンというのは色々あるけど、げそ天のかたくプリプリした食感というのは一番ラーメンに合うような気がする。そこを発見したのはこの店の功績だろう。ご当地ラーメン別バージョンの一杯。そして色々あったけど本日最後の一杯を食べられて満足して退店した。
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夕暮れ時の再開発が進む山形駅西口でレンタカーを返却。久々観光抜きの地麺巡りを無事終える事が出来て満足。5時過ぎ発の新幹線つばさが10分遅れで出発。帰宅出来たのは夜9時半だった。こちらではまだ雨が降っていた。

尾花沢麺

置賜地方ら村上地方へ。目にする山々のほとんどが黄色や橙色に色づき美しい。1時間半ほどかけて尾花沢市へやってきた。こちらにも「尾花沢牛ラーメン」というご当地ラーメンがあるからだ。それを提供しているのは和洋中全てを提供する『お食事処 柏屋』という店結構大きな店で入口を入るとサンプルが並んだショーケースがある。厨房は完全に見えない。客席は4人がけテーブル席9たくと座敷に6人卓が6つ、個室が一部屋あるのも見つけた。パンフレットを見ると二階は宴会会場になているそうだ。口頭で注文。先客は小さな子どもを連れた家族客が数名。子どもたちが店内を走り回っていた。
191123kashiwaya00191123kashiwaya01 お食事処 柏屋 『尾花沢牛ラーメン』 870円

尾花沢市の名産は尾花沢牛とスイカだそうだ。その尾花沢牛の牛脛肉と、スイカから作ったぺそら漬けが入っている。名産品を入れているという事からこれは自然発生した地麺ではなく「町おこし型」地麺である事が容易にわかる。麺は中細縮れ麺。きざみ葱も入っている。スープは鶏ガラ醤油。でも柔らかく煮られた牛すね肉から出る甘みによって何とも言えない美味しい味わいになっており、本日3杯目なのに完飲しそうになった。未知のぺそら漬けは強烈な酸味と辛味があり、強めの梅干しの味に近い。ラーメンに入れるには少々くせがある。なのでぺそら漬けを抜いた「べごラーメン」というのがメニューにあったよ。何にせよ尾花沢牛すね肉の美味さが際立っており満足。長井から1時間半のドライブで何とか昼営業に間に合い実食出来た事で安堵した。

長井馬肉

米沢市の北西に位置する長井市。ここには馬肉チャーシューを使う「長井馬肉ラーメン」という地麺がある。馬肉チャーシューというと秋田県能代市の『曙食堂』が思い出されるが、山形にも馬肉文化が根付いていたという事だ。その元祖の店と言われる『かめや』を目指し30分ほど車を走らせ店にやってきた。するとどうも様子がおかしい。店前の駐車場にはおじさんがひとり洗車しているだけ。これは…やられた。しかも11月の丸々1ヶ月を休業する旨の貼り紙が貼られれていた。全く、やってくれるなー…。
191123kameya00191123kameya03かめや

長井馬肉ラーメンを提供しているのはこの店だけではない!と仕切り直し。10分ほど車で北上し『新来軒』という店にやってきた。昭和5年創業でこちらも馬肉ラーメンの老舗と知られている。近くにスーパーの広い駐車場がありそこへ駐車させ急いで店へと向かった。早速暖簾を割り入店。店内は昭和の雰囲気が感じられ好印象。カウンターは無く、4人がけテーブル席と座敷に各々5卓。厨房は別室で見えにくいが、たまたま厨房入口付近の席に座ったので覗いてみると男の店員1人とおばさん店員2人。口頭で注文。ちょうど昼時の入店だったので先客15人後客6人と賑わっていた。
191123shinraiken00191123shinraiken01支那そば 新来軒 『馬肉チャーシューメン』 850円

本当は筆頭支那そばを注文するべきだったのだが、壁に「長井名物 馬肉チャーシューメン」の貼り紙を見て「確実に馬肉」である「馬肉チャーシューメン」を注文した。だってそのメニューには別に普通の「チャーシューメン」があったから。ここまで来て地麺ではないメニューを頼んでしまったら元も子もない。早速現れた一杯。黒々とした薄い馬肉チャーシューが6枚、中央には平メンマが数本表面を覆っている。他にきざみネギが少々。
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麺はもちもちした食感の白い中太ストレート麺。スープはしょっぱさ控えめのあっさり醤油で、若干馬肉から溶け出している甘みが混じっている。馬肉チャーシューは豚チャーシューに食べ慣れていると固く感じてしまうが、これでも水煮してから醤油を煮て柔らかくしているそうだ。それとバランスをとるように柔らかめの中太麺の食感がまたいいね。この店も地元民に好まれ地元に根ざしている感が感じられる雰囲気がよい。地麺巡りの楽しみを思い出させてくれて満足の退店となった。

米沢筆頭

ラーメン消費量日本一であり、ラーメン王国の異名をもつ山形県。それ故県内各地に個性的な地麺が存在する。そんな山形地麺をたった一泊二日で巡ってしまおうと、我は2010年8月6日、真夏の山形へ訪れた。その旅は我の地麺巡りの旅の中でもトップクラスで過酷だった。楽しかったけどね。でも山形県の地麺は一泊二日でなんとかなるような浅いものではなかった。なので2015年のの二度に渡って訪れた。しかしそれはいずれも日本海に面した庄内地方だけだった。まだ内陸も取りこぼしている地麺が存在していたことを最近になってようやく思い出した。思い出すと我慢が出来なくなってしまい、本日置賜地方と村上地方の地麺巡りの旅に出ることにした。
191123yonezawa0110時20分過ぎに米沢駅に降り立った。横浜は本降りだったがこちらは青空が少し見えていて安堵した。米沢には9年前の真夏の山形遠征最後の目的地として訪れている。その頃はまだ体力もあったので、車は使わず公共交通機関かレンタサイクルを使用し店を巡るスタイルだったが、この米沢駅周辺には当時レンタサイクルなどなかった。過酷な旅の最後でバテ気味だったので、結局禁じ手のタクシーを使った苦い思い出がある。その為十分な米沢ラーメン店巡りが出来たとは思えず、いずれ再訪したいと思っていたので今回は米沢を最初の目的地に選んだ。そして予め予約していた駅前のレンタカー事務所へ。

本日最初の目的店は米沢ラーメン筆頭といわれる『ひらま』。昭和35年製麺所として開業、その後昭和47年に店主が独学で学んだラーメンを提供することとなった。現在でも製麺所として市内数店舗に麺を卸しており、この店の存在が「米沢ラーメン」の名を全国に知れ渡らせる主な要因になっている。「米沢ラーメン筆頭店」で間違いない店だ。場所は車で行かなくては厳しい場所にあり、前回の米沢遠征時訪問を断念していた経緯がある。到着したのは開店予定の30分前。流石に誰もいない。しかし直後に店前の駐車場が埋まりだした。まだ時間があるからと車の中で待っていたら開店20分前から店前に人が並びだした。慌てて我も車外に出て並ぶ。しくじった。車も続々店にやってきて行列も長く伸びていく。開店予定の5分前に店主自ら暖簾を出してくれた。厨房にはいかにも職人といった感じの店主と割烹着を着たおばちゃん店員3人。厨房前に一列のカウンター11席、4人がけテーブル席3卓。口頭で注文。他の客は夫婦や家族連れ、作業着姿の男などが多くラオタな感じの人はいなかった。田舎町の人気ラーメン店という感じが良いねー。すぐ満席になった。
191123hirama00191123hirama01 そばの店 ひらま 『中華そば(麺かため)』 650円

基本メニュー、先客に習って麺かため指定。注文グループ人数ごとに調理しているようだ。現れた一杯は温かみを感じる良い顔をしている。具はきざみ葱、細切りメンマ、ナルト1枚、海苔1枚、パサツキチャーシュー1枚。スープは豚骨鶏ガラ煮干しのじんわり旨味が伝わる東北らしいスープ。最初っから胡椒がかかっている。そして主役は間違いなくこの縮れに縮れた中細麺。製麺時に手もみして2~3日熟成させてから、茹でる直前にさらに手もみする念の入れよう。もの凄い存在感のある麺に仕上がっている。そしてこれは山形ラーメンに共通する特徴なのだが麺量が多め。この店内の雰囲気の中、カウンターに座って縮れた麺を音を立てて啜っていると多幸感に包まれ「地麺巡りって本当いいなー」と実感してしまった。本当に来てよかったと思わせる店。大満足で舌代を払って店を出る事が出来た。

2019年7月14日 (日)

旅終煮干

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十和田・奥入瀬&下北半島の旅が終わった。普通であればそれぞれ1泊2日の工程を組むような観光スポットだけど、それを強引にまとめて1泊2日で回ってしまった。充実した2日間だった。あとは1時間後の新幹線で帰路につくだけ。その間に早めの晩飯をとっておこうかな。東京駅に到着するのが夜9時20分過ぎになるからね。新青森駅の1階は道の駅のような土産物屋とフードコートが設置されている。その中から『めぇ』という店を選んだ。この店は青森の様々なご当地グルメが楽しめる。ラーメンだけでも十三湖のしじみラーメンやら6種類以上ある。早速入店。中は太宰治に関する絵やら写真やら貼られてちょっと明治っぽい雰囲気。口頭で注文。
190714mee00 190714mee01めぇ 『濃い煮干し中華』 780円

ラオタならば青森に来たら煮干し中華食べておきたいと思うはず。ましてや我はご当地ラーメン好きなのだから。博多についたらとんこつラーメン食べるようなものだ・窓を見ると1日20食限定の新メニューとして濃い煮干し中華というのがあったので注文すると注文が通った。しばらく待ってやって来た一杯はカプチーノみたいに泡が立っている意外な顔をしていた。麺は中細縮れ麺。具はきざみネギ、メンマ、お麩、かまぼこ1枚、半味玉、チャーシュー1枚。濃い煮干し味をしたスープ…だがそれ以上にしょっぱい!結構な塩分濃度だ。さすが青森って感じ。あまりスープは飲まないように食べ進めた。スープを吸ったお麩はちょっと厳しかった。

190714mee02+『馬か丼(小盛り)』 480円=1260円

サイドメニューとして馬か丼を注文。馬肉と高菜と味噌煮と豆腐がのる小丼。こちらはいい塩梅の味わい。これのおかげで満足の食事になった。

新幹線の車中で旅の写真を見て過ごした。何故かあまり寝ることが出来ないまま東京に到着。最寄り駅からまたタクシーを使ったおかげで10時半くらいには帰宅出来た。

粘昆布麺

大間崎から緩やかな坂を上って3kmくらいしたところにある『すみよし食堂』に訪問した。旅に出る前にここ大間崎付近にも少し興味をひかれるラーメンを出す店としてチェックしていたのだ。昨夜や今朝の事もあるのであまり期待しないで行ったのだが、無事暖簾は出ていた。店前の駐車スペースには車はない。とりあえず駐車して入店する。おばちゃん店員が奥の席を案内してくれた。厨房はよく見えなかったのだがおばちゃん店員2人で切り盛りしているようだ。客席は2人がけテーブル席1卓と4人がけテーブル席1卓、座敷に4人卓2つ。田舎のお食事処って感じだなー。口頭で注文。入った時はガラガラで前後客ゼロかなーと思っていたら、次々と来客があり結局8人くらいきたかな。
190714sumiyoshisyokudou00 190714sumiyoshisyokudou01すみよし食堂 『ねばり昆布らーめん』680円

この店の看板メニューのねばり昆布ラーメンを注文。中細縮れ麺にねばり昆布(がもめ昆布)を練り込んであるんだってさ。たしかに妙にネトネトした不思議な触感の麺だ。具は刻みネギ、メンマ、ワカメ、カニカマ1本、お麩1個、チャーシュー1枚。スープは昔ながらの田舎っぽい塩スープ。ワカメのせいでしょっぱさに拍車がかかっている。この店は他にも津軽海峡海藻らーめんやツルアラメらーめんやら海藻系のラーメンが多い。日本の港町でこういうラーメン出す店はよく見かける。千葉の金谷もそうだった。ただこちらはこの店だけしか提供していないので地麺とは言えない。観光地の土産物屋で提供しているラーメンに近い。でも今日無事ラーメンを一杯食べる事が出来て満足だ。
190714gankakeiwa01その後トマホーク型の下北半島の刃にあたる部分を海岸線に沿って南下した。願掛岩なる奇岩の写真を撮った。

下北北上

190713shimokita01せっかくの三連休。青森まで来たのだから日帰りはあまりにもったいない。初日は十和田湖と奥入瀬渓流、明日は下北半島を巡る予定。なので今夜はむつ市に一泊する。秋田県との県境に位置する奥入瀬渓流から北へ進路をとり一路下北半島を目指す。これが130kmの長いドライブになりとても疲れた。ただ下北半島に入ってしまえば車の数がめっきり少なくなって、北海道を思わせるような真っ直ぐな道が延々続くので楽は楽。三沢基地とか六ケ所村とか、あまり人を寄せ付けないけど有名な地名が続く。

予約していた宿は素泊まりにしていた為到着前に夕飯を食べてからチェックインする事にしていた。なので予めむつ市のラーメン店をチェックして地ラーメンっぽいものを提供してそうな店に目星を付けて、同じむつ市内でも陸奥湾側ではなく津軽海峡側の方までわざわざ行った。ところがその店は営業していなかった。定休日ではないので臨時休業か?それにしては貼り紙などされていない。仕方ないので近くにあるもう一店も訪ねてみたがそこもシャッターが降りていた。あまりに地方の店に行くと閉店情報が食べログにも伝わっておらずそのままという事もある。今回はどうもそうゆうパターンのようだ。諦めて陸奥湾側のむつ市中心部へ移動する。飲み屋街とか行ってみたけど飲み屋ばかりで目ぼしい店は無し。この際とんかつ屋でいいやと行ってみたら予約でいっぱいの貼り紙。むつ市は一体どうなっているんだ。もう個人店は諦めてチェーン店でもいいから早いところ腹を満たして宿に行こう。早く風呂に入りたい。そんな中で偶然みつけたのはショッピングモールに併設された場所にある「みそラーメン」と書かれた幟。あーもうここでいいやと入店したのが『万八ラーメン』というチェーン店全開の雰囲気の店。店員は男2人と女2人。客席数は覚えていない。客入りは常に8割り程度でいい感じ。冊子メニューを見て口頭で注文。
190713manpachi00 190713manpachi01万八ラーメン 苫生店 『ハーフセット(味噌)』 800円

味噌ラーメンもいいけどチャーハンも食べたいなー、唐揚げも食べたいなーと腹が減りすぎて考えがまとまらず、じゃあ量は減らしてハーフセットでいいや。通常は醤油ラーメンだけどスープだけなら味噌に変更可能らしいので。味噌ラーメン(ハーフ)、半チャーハン、唐揚げ1個に餃子3個。味はモロにチェーン店のそれだけど、空腹は最高の調味料となって満足感を味わうことが出来た。

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今夜宿泊するのは「むつグランドホテル」という我にしては上ランクのホテル。高台にあって市街を見おろせる…からというのでは決してない。温泉付きだからという選び方をしたから。素泊まりで早割なら8000円で泊まれた。不慣れな長時間運転で疲れた体を湯船で伸ばしさっぱりした後心地よい眠りにつけた。

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