脂黒椎茸
スコーン!という擬音が聞こえそうなくらい突き抜けるような青空の下、見知らぬ町を歩く。時間の縛りもない、ただのんびりと歩く。もうそれだけで心に出来た痼みたいなものが徐々に弛緩して溶けていくような気さえする。今日休んで本当に良かった。
『藁』を出て東海道沿いに歩いて少し路地に入った閑静な場所に次の目的店『創作麺処スタ☆アト』という店が現れた。2019年4月27日に開店した店で、店主は大阪の店からやって来たそうだ。早速入店。厨房には若く見える店主と接客担当の女店員の2人。客席は2人がけテーブル席が5卓並んだ10席。冊子メニューを見て口頭で注文。料金先払い。先客は2人で後客ゼロ。
筆頭は炭火肉生姜しょうゆそば、2番手はお出汁の中華そばだったのだが、先に食べた『藁』と被りそうだったし、せっかく創作麺処と名乗っているわけだから3番手に書かれたメニューを注文してみた。麺の量は小並中大同料金、また麺は普通の麺と手切り麺を選択出来た。より創作っぽさを体験しようと思って手切り麺を並の量を指定した。しばらく待っていると大きめで底の浅い丼で提供された。店員から「よく混ぜて下さい」と言われた。もう立ち昇る香りが椎茸。正直言って我は椎茸ってそんなに得意な食材ではないんだよ。どちらかというと苦手意識がある。だから恐る恐るレンゲでスープを啜ってみる。確かに椎茸の味は感じるんだけど、ブラックたる黒胡椒のような尖った味わいと背脂によるまろやかさに中和されしっかりとラーメンのスープに仕上がっていた。椎茸出汁の濃いめの黒胡椒ラーメンだね。思ったより抵抗なく、美味しく食べ進めることが出来た。手切り麺はもう「きしめん」そのものだった。具は刻み葱と平メンマ数本、ほうれん草と僅かな辛味、バラとロース2種のチャーシュー。このチャーシュー、なかなか美味しかったよ。スープこそ完飲まで出来なかったが麺と具は完食した。面白いだけではなくしっかりと美味しい創作麺だった。好感が持てる店だったが、店主のTwitterによると学びの旅に出る為年内か来月くらいに閉店してしまうのだそうだ。ギリギリ間に合ってこの一杯を味わえて良かったよ。大満足で店を出た。
辻堂駅の方へゆっくり歩いて向かう。それにしても広い青空だなー。気分が良いよ。時刻は正午を20分ほど過ぎた辺りだったので、新しく出来た商業施設「テラスモール湘南」にも入ってみた。今更こういう大型商業施設に何の興味もないのだが、無印良品やロフトで雑貨を見ているとそれだけで楽しいものだ。少々買い物をして駅に戻り横浜へ帰った。3時過ぎの用事には余裕で間に合い有意義な平日休暇の時間を過ごせた。
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