一双懐古
木曜平日。日本海側を中心に不要不急の外出を控える呼びかけがされているほどの降雪らしい。横浜は典型的な冬晴れになったが昼過ぎから突風が吹いた。朝突然ショックな連絡が入り予定が完全に狂った。残念だが家で閉じ籠もっていても事態は変わらないので、ちょっと心苦しかったけど気分転換に思い切って午後外出する事にした。
向かったのは新横浜ラーメン博物館。年末年始で中断していた店舗リレー企画「ノスタルジックラーメン」が今日から再開したと聞いたからだ。年明けのバトンは『博多一双』へ。入口券売機で食券を買って早速入店。厨房には男2人女1人の店員。先客7人後客5人。店内はいい感じで豚骨臭が漂っていて期待感が高まる。
博多一双 新横浜ラーメン博物館店『思い出の豚骨ラーメン』950円
今回のラーメンは創業店主が「子供の頃に食べた町のとんこつラーメン屋の味」を思い浮かべて作り上げたそうで、具体的な店名は上げていない。麺はバリカタ指定。ラーメン提供と同時にイベント特典シールや応募券を貰った。
『博多一双』は現在の博多豚骨ラーメンシーンの最先端と言っていい「泡系とんこつ」「豚骨カプチーノ」等と呼ばれる豚骨ラーメンを提供している店。それが真逆と言っていい、あっさりした昔のノスタルジックラーメンを作るという試み。結果的には地方の老舗店好きの我にとっては突き刺さるようにイイ豚骨ラーメンだった。あっさりした口当たりの塩豚骨ながら旨味はしっかり出ている。ストレート細麺も良い感じ。雑に切られた葱と薄っぺらいチャーシュー2枚もいい味出してる。福岡の町角で食べた豚骨ラーメンを思い出した。でもそこは『博多一双』。現在の客に受けるようツボは抑えており、構成は昔ながらなんだけど旨味はしっかり出ている。スープを飲み干すと丼の底で骨粉が少し堆積しているのを確認出来た。東京的アレンジが加わらない、まるで本場福岡で食べているような気分に浸れる本格的豚骨ラーメンだった。大満足で退店する事が出来た。
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