光龍益訪
昨年1月末に『麺匠るい斗』15周年記念で『鶏と豚皮』という限定メニューが提供された。鶏白湯のようでいながら豚皮由来と思われる甘みと程よいしょっぱさが加わりとても美味しかった。興味を惹かれたので調べてみると、この店のプロデュースを手掛けた『渡なべ』スタイルの渡辺樹庵氏が大阪にある『光龍益(こうりゅうます)』という店のラーメンに感銘を受けて、『渡なべ』でもインスパイアしたラーメンを度々提供しているくらいお気に入りのラーメンらしい。こんな店が大阪にあるんだ、面白そうだなー、いつか訪ねてみたいなーと思ったことが今回大阪にやって来た理由になる。平日のみ営業する難関店だったので有休使ってやって来た訳だ。
『住吉』を出て布施益に戻り近鉄線で鶴橋に出た後JR大阪環状線に乗り換えるも、土地不案内の為目的地とは逆方向の電車に乗ってしまったりとトラブルがありながら何とか最寄りの桜ノ宮駅に辿り着いた。改札を抜け4、5分ほど歩いた細い路地に目的の店『光龍益』に到着。2006年のオープンで今は新大阪駅近くに暖簾分け?の店もあるそうだ。店に到着したのは開店20分ほど前で店前に誰もおらず本日1番乗りが出来たようだ。しばらくすると店から店主と思しき人が出てきて「ウチへ来ていただいたのですか?すみませんがウチ11時半からの営業でして…」と声をかけられた。判っています、ここに並んで待っていて良いですか?と答えると頷いて店に戻っていった。結果開店を5分以上前倒して店内に案内してくれた。その頃ようやく我の後ろに2人くらい並んでいた。首都圏の行列店訪問のノリで20分前に並んでしまったが逆に店に気を遣わせてしまったようで申し訳なく思った。
雰囲気のある和風の店内。厨房には先程の店主1人だったが後からもう1人男の店員が現れた。客席は厨房回りにL字型カウンター9席と奥に4人がけテーブル席が1卓。席は1番奥のカウンター席を指定され着席し口頭で注文。先客ゼロ後客8人ほど。
カウンター席の前に温められた丼が1つ置かれており、眼の前で店主がタレとスープ、麺を入れていく。そしてその台の厨房側にはスライド機構がある板があって、その板の上には具材が置かれて席の順番通りスライドさせ調理していく。奥の席を指定されたのはこのアトラクションの為だったんだ。こういうのは初めて見たが、眼の前で自分のラーメンが出来上がっていく様を見ているのはとてもワクワクして楽しい。これは面白いよ!
基本のラーメンを注文。他の客は皆特製を注文していた。卓上に「当店のラーメンには大蒜が良く合います。ご希望のお客様はお申し出下さい」と書かれていた。なのでお願いしたのだが、別皿とかではなく調理中丼の中に大蒜が投入されていた。食べ進める内徐々に味が変化していくものらしい。
麺は四角い中細ストレート。具はザク切りの葱。葱本来の歯ごたえと辛味がいい感じ。平メンマ数枚とチャーシュー1枚。チャーシューは三河もち豚石窯叉焼だそうだ。スープは我が望んでいたもので大満足。鶏白湯より若干豚骨醤油寄りな印象。徐々にニンニクが効いてきてラーメンらしいジャンクな味わいが出てきた。スープは少し残してしまったが具と麺は完食した。この店に来れてこの一杯が堪能出来て良かったなーと思えたよ。店主に1000円札1枚を渡し「ごちそうさまでしたー」と声をかけて退店した。本日の目的は無事達成することが出来た。
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