師走大盛
何か物凄い勢いで年の瀬が迫っている気がする火曜平日の夜。年が変わろうが今週と来週で変わるはずもないのはわかってはいるけど、正月休みの間「年末あれ食べておけばよかった!」と後悔したくない。年末休業される前に行ける時に行っておこうと会社帰りに『地獄ラーメン田中屋』に約半年ぶりに訪問した。夜訪れるのは本当に久々な気がする。並びはなく空いているっぽい。早速入店し券売機で食券を買い着席。厨房には男の店員2人。先客7人後客6人くらいかな。
地獄ラーメン田中屋 『ラーメン 大盛』700円
我はこの店では昔から基本のラーメンなんだよ。たまに看板の地獄や味噌を食べると味の良し悪しとは別に、食後に何かしっくり来なくなってしまった。それくらいこの基本のラーメンが我の舌に、体に染み付いている。今日はかなり久々に大盛(1.5玉)をお願いした。特盛(2玉)までお値段そのまま今どき700円だよ!別に安いから素晴らしいわけではないけど、お値段以上に何か嬉しくなる。店の心意気の話。やっぱりこの店が我のホームだ。着丼を待っている時に店内の様子を何気なく観察した。作業着のおっさん、老夫婦、子連れ中国人、水商売と思しきお姉ちゃん、みんな寒い冬空の中やって来て同じカウンターに座ってラーメンを待っている。「麺硬め油多め」とか家系と勘違いして言われても、「チャーシュー抜きでわかめ増しって出来る?」とかわがままな注文にも店員は「あいよー」と答えてる。湯気が立ち上った一杯をカウンター越しに店員から受け取る時の嬉しそうな顔。着飾ったものが何もない空間。「ああ、こういう店こそがラーメン屋だよなー」としみじみ感じた。食べログを見たら1983(昭和58)年創業と書かれていた。40年も地元民の支持を絶やさず得られている店には理由があるんだよ。
今更この一杯に言う事はない。卓上の揚げ葱をふんだんにラーメンにふりかけて汁一滴残さず完食まっしぐらだ。このラーメンも無化調だとか〇〇産の材料に拘り…等と着飾ったものは一切無い。でも美味い。いや、だからこそ満足して食べられる。空になった丼をカウンターにおいて布巾で卓上を拭き取ると店員に「ありがとねー」と言われた。気持ちよく笑顔で退店出来た。年末年始の営業予定は未だ張り出されていなかったがいつ休みに入ってしまうかわからない。年内に食べる事が出来て良かった。




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