天鳳再訪
朝から好天に恵まれた12月最初の週末土曜休日。朝から布団等を干して予約していた床屋へ出かけサッパリしてきた。少し早いかも知れないがボサボサ状態で年越ししたくなかったので早めに決着しておいた。
先日『niるい斗』で提供されていた「ぺーぱん麺とぺーぱんチャーシューの豚骨醤油ラーメン」を食べた際、直感的に「これは『天鳳』の一三五をイメージしたのかな?」と感じた。そして「そう言えば六本木の『天鳳』って16年前に一度食べたっきりだったよな?」と気がついた。最近老舗店の閉店が相次いでいる背景もあり、随分前に行ったっきりの老舗店には気がついた時もう一度行っておこうという気持ちが我の中で高まりをみせている。床屋から出た時点で11時をまわっており、我的には出遅れていたのだけれど電車に乗って六本木へと向かった。
『天鳳』は1985(昭和60)年六本木で営業開始。その前に札幌ラーメン横丁で開業したがその店を親族に譲って創業店主は東京に出てきたという経緯があるそうだ。元々は旭川ラーメンの老舗『特一番』で修行していたそうなので札幌ではなく旭川ラーメンの系統。なので『niるい斗』店主と渡辺樹庵氏は『ぺーぱん』の麺とチャーシューをおばちゃんから譲り受けた時に、同じ旭川ラーメンであるこの店の看板メニューに着想してメニューを考案したのではないかと勝手に推測している。
久々の六本木。慣れない街に苦労しながら歩いて目的の店へ到着出来たのは12時半くらいだった。無事看板代わりのドラム缶が外に出されて営業されていた。当然行列に並ぶ覚悟をしてきたが店前に意外にも待ち客はおらずそのまま暖簾を割った。厨房には最近代替わりしたらしい中年の店主と外国籍と思われる男女の店員2人。客席は厨房前に一列のカウンター6席と4人がけテーブルが4卓。カウンター席に着席し口頭で注文。先客8人後客5人。
『醤油ラーメン(1・3・5)』900円+『半めし』200円=1100円
味噌や塩もやっているそうだが、看板メニューの「1・3・5」は醤油のみ。「1・3・5」より更にハードモードの「めんばり」というものにするか迷ったけど、流石に前回訪問から16年も歳月が流れているので改めて看板メニューを再確認してみる事にした。
16年前と同じ丼で登場。美しい。若干スープ少なめに見えるがこれこそが「1・3・5」。結構な醤油味の濃さ、しょっぱさだがその奥に豚骨の甘みを感じる美味しいスープだ。具はきざみ葱と平メンマと小さめのチャーシュー2枚。
そしてこの濃いスープに、もはや歯ごたえが感じられるほど硬めに茹でられた西山製麺の黄色い多加水縮れ麺が絶妙に合っている。この組み合わせの発明、天才的なんじゃないか!と心の中で叫んだほど16年ぶりにぶっ刺さった。半めしの効果もあり、あんなに濃い味なのに気がつくとスープ完飲の完食していた感じ。大満足以外の何者でもない。こりゃ「めんばり」狙いですぐ三回目の訪問をしてしまうかも知れない。支払いを済ませ笑顔で退店した。
そう言えば『ぺーぱん』のおばちゃん、早くも再開に向けて動き出していると聞いた。厨房に立つことが生き甲斐になってしまったようだね。そうであれば我は何も言う事は無いし、再び『ぺーぱん』の暖簾が出されるのを気長に楽しみにしていたい。
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