種実担々
9月も下旬に突入したというのに最高気温33℃近い日々がまだまだ続いている水曜平日。
京急井土ヶ谷駅近辺に新店が昨日開店したという報を聞きつけ早出出勤の定時退社日にかこつけ行ってみる事にした。食べログ頼りに店に行ってみると何と家系ラーメン店『新岡商店』のあった店舗だった。後で調べたら先月末には閉店していたらしい。9年間営業を続けていたが、最後はレシピごと店を売りに出していたようだ。我は開店当初から訪問していたし、当時から店主1人で厨房に立ち孤軍奮闘していたのを見ていたので少し寂しい気持ちになってしまった。
今度の店は残念ながら店を引き継ぐのではなく店舗のみを譲り受け全く別の担々麺と炒飯の店になったらしい。店名は『種実担々麺菊川』という。早速入店。内装は少し手を入れているようでカウンターとかは以前とは変わっていると思う。厨房には中年の男の店主1人のみ。客席は厨房周りにL字型カウンター8席のみ。先客1人後客2人。
担々麺と半炒飯のセットに、半炒飯じゃ物足りないかもと思って炒飯大盛りも指定した。後で店主には本当は半炒飯の大盛りは出来ないみたいに言われてしまったが今回は対応してくれた。感謝。麺は三河屋製麺の手揉み麺と真空麺から選べて、炒飯には真空麺の方があうと勧められので真空麺でお願いした。あと辛さは5段階から選べて我は1辛選択。痺れは卓上から花椒?を投入して調節するようだ。店主は言葉巧みに流暢に説明してくれた。新店ながら経験はかなり積んでいる様子が見て取れた。
麺は説明通りコシが強めの中太縮れ麺。具はきざみ葱、小分け葱、糸唐辛子、木耳、やや大粒のたっぷりの挽肉。そして店名にも書かれている胡麻やクルミ、落花生等のナッツ系がふんだんに入っていてパリポリした食感と味が楽しい。スープは我の好きな胡麻の風味も活きていて担々麺ならではの美味しさを感じる。また1辛でも十分辛さは感じられるレベルで我にはちょうど良い辛さだった。従来の辛味をほとんど感じない日本の担々麺とは違う。かと言って本場四川担々麺を謳い上げ辛さ(のみ)勝負みたいなものでもない。店主の理想を形にしたオリジナル担々麺なのだろうがが、何故か担々麺ならではの王道の美味しさを感じた。つまり構成が上手いんだろうね。我の好みにも完全合致し文句なしで汁一滴残さず完飲完食した。これは美味しいよ。
パラパラタイプの炒飯。店主が炎の主となって仕上げた自信作だけあってこちらもかなりのレベルに達している。味にメリハリがあるし、卵がいい味出しているよ。こちらも米粒ひとつ残さず完食した。両方共美味くてちょっと感動。我は普段まずやらない事なのだが、食器をカウンター上に上げて席を立った際こちらから店主に「両方共美味しかったです」と感想を伝えざるを得なかった。店主は喜んでくれた。
あとこれは本当に余計なお世話なのだが、おそらく店主理想の拘りなのだとは思うけど、辛さ選択は良いとしても、麺選択制とか客に説明と確認が必要な項目はなるべく減らした方が良いと思う。と言うのはこの店の周辺は住宅街、しかも集合住宅が密集しているから週末ともなれば家族連れが列をなす事が予想されるんだよ。ましてや新店オープンの知らせを聞けば尚更だ。手間取って回転が悪くなることが予想される。今日のところは我は並ばずに食べれて店主に思いも伝えられたので大満足で店を出る事が出来た。ラーメン店倒産急増が話題になっている昨今だけど、良い店が生活圏内に誕生してくれて嬉しい気持ちになった。
日が落ちてきたら少しは過ごしやすくなってきたかな?真っ直ぐ家路についた。
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