胡椒蕎麦
JR品川駅港南口が再開発される以前、昭和の面影を多分に残す細い路地が密集した飲食店街が残っており、そこには『天華』という町中華の店があった。その店には「コショーそば」と名付けられた一風変わった麺料理が名物メニューになっていた。『天華』は店主が他界したことにより閉店し「コショーそば」は失われてしまったが、今でもそれは一部の古いラオタ達の間で語り継がれている。
そんな「コショーそば」を突然渡辺樹庵氏が『渡なべ』@高田馬場で期間限定メニューで提供すると聞きつけ、今日の予定を急遽変更して店に向かった。東船橋から総武線に乗り西船橋に出た後東西線に乗り換えて約40分ほど電車に揺られ高田馬場駅に到着した。店には開店15分以上も前に到着してしまった。流石に誰もいなかったがこのまま暖簾が出されるのを待つ事にした。定刻に開店した時には我の後ろに5,6人並んでいた。早速入店。入口脇の券売機で食券を買い一番奥にある席に案内された。厨房には男の店員2人。客席はほどなく全て埋まった。そのほとんどが今回の限定メニューを注文していた。
渡辺樹庵氏曰く「食べたのはかなり前で全く覚えていないので再現ではない」「モチーフにしてイメージとして仕上げた」そうだ。
麺はもちもちして適度にかたさがある中太麺。オリジナルはおそらく老舗中華店らしい昔ながらの柔らかめの麺だったと思うが、この麺に変えてる事で一気にグレードが上がっている気がした。具はもやし、白菜、豚肉のあんかけ。「コショーそば」とは端的に言ってしまうと塩タンメンにコショーをぶっかけたやつなんだけどね。胡椒を味を整える為の調味料としてではなく、メインの味付けに使っているのにこれが不思議と美味いんだよ。胡椒の味自体を美味いと感じられるのは新鮮だ。白菜の芯も中まで柔らかくトロトロに仕上げていたりと技が光る。これは美味い!この一杯ほどレベルが高くなくてもいいから、この麺料理、広まってくれないかなーと思ってしまうほどだった。完食し大満足。予定を変更してやって来た甲斐があるというものだ。
この後秋葉原に移動し買い物をした後横浜に戻り用事を早々に済ませ家路についた。幸運にもほとんど傘を使う事はなく帰宅出来た。帰宅後強い風で叩きつけるような雨が降り出した。良い休日時間を過ごす事が出来た。
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