極焼醤油
昨日に続いて季節外れの暖かさの3月初日の水曜平日。会社からの帰宅途中、新横浜ラーメン博物館を訪れた。今日でちょうど『らーめん味楽』ラー博店が開店6周年を迎えたそうだ。それを記念して利尻本店から創業者の女将がやって来て厨房に立ち、通常より利尻昆布の量を増やした「極み焼き醤油ラーメン」を本日1日限定で提供するそうだ。入館後『味楽』に直行した。店前に2人並んでいたが3分程度の待ちで着席出来た。店員は男3人女3人。あ!オフィシャルの案内では訪問時間帯は創業女将は休憩時間だと告知されていたが、厨房内で創業女将が鍋振るっていたよ。我の隣の席にいた客は女将の知り合いらしく、厨房から「心を込めて焼き上げてるよっ!」と話しかけていた。ラーメン作っているのに「焼き上げてる」って何だか凄い。パワーワードだ。客席は退店客が出た分入店客有りで常に満席のようだった。
『極み焼き醤油スペシャル 大盛』1400円
連食しないでこの店だけ食べて帰ると決めていたので豪勢にスペシャルを大盛りで注文した。別皿で利尻とろろ昆布が付く。『味楽』のラーメンが堪能出来る構成だ。
女将が先程の隣客に「いつもの倍の量昆布使ってるから!」と興奮気味に話していたが、これは嘘ではなく本当の事だと思う。香ばしい強めの醤油味のスープ、それを支えるどころか隙きを見て己が前に出てこようとしているような旨味。それはラーメンでよくある魚介系や動物系の、ではなくもっと日本人に馴染みの深い昆布出汁の旨味だけに、より自然と口中に入ってくる。湯豆腐作る時に一枚入れるだけでじんわりだけどしっかりした旨味を出しているのを思えば、香ばしさを感じる焼き醤油の味さえ乗り越えてくるような旨味は相当の昆布量だと思う。しかも利尻昆布だからね。もしかすると利尻本店で提供しているより突っ込んじゃったんじゃないのかな?北海道らしい縮れ麺を啜ると「ラーメンを食べている喜び」を感じる事が出来た。上品な料理では得られないジャンクな悦び。大盛りで大正解。更に別皿提供のとろろ昆布を絡めて麺を食べると上限突破感が味わえた気がした。食べながら約4年前、利尻本店の開店1時間半前に並んで本当に営業するのか不安で待っていた時の事、開店1時間前に店員が出てきて名簿を書くよう言われて嬉しかった事、開店までの間、雪を被った利尻富士とどこまでも広がる美しい5月の利尻の海という、どこを見渡しても絶景しかない空間で集合時間を待っていた時の事なんか思い出してしまったよ。すっかり堪能して満腹で大満足。今日だけ味わう事が出来た貴重な一杯。訪問出来て本当に良かった。
退店すると店前で女将が写真撮影していた。本店の営業時間が昼2時半である事を考えるとかなり頑張ってくれたのだと思う。我の分が提供された直後あたりに女将が厨房から出ていったからギリギリセーフで女将が作った一杯を味わえたんだなー。我はまだ運を持っているようだ。笑顔でラー博を退館出来た。
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