雪桜上水
金曜平日。今日の午後は前から予定があったので事前に有給休暇取得していた。こんな時に幸か不幸か関東地方広域で降雪予報。それでも2ヶ月ぶりの有給休暇だったのでラオタとしての行動は決めていた。朝9時前には家を出発していた。
今日の目的店は今年1月15日に開店した『桜上水 船越』というラーメン店。『渡なべ』で13年腕を磨いた渡辺樹庵氏5番目の弟子の独立店だそうだ。当初11月上旬オープンの予定だったが、師匠渡辺樹庵氏からのプレッシャーの中、個性的なラーメンを生み出そうと苦悩し約2ヶ月オープン日を遅らせる事になった。そして見事に結果を出して独自の味を生み出して開店以降日に日に行列が伸びているという。そんな物語性に惹かれ訪問してみたくなった。店の場所は京王線桜上水駅から徒歩約3分ほどの甲州街道沿い。桜上水には初めて訪問したがカッコいい地名だね。店に到着したのは開店予定の40分も前。店の前には誰もいなかったが待つことにした。雪が舞う中何もない甲州街道沿いに立って40分開店を待つなんて我はつくづくラオタだなーと苦笑したよ。でもその5分後くらいには2人組の後客が現れ、それ以降どんどん列は伸びていった。開店30分前になった頃、船越店主が店から出て使い捨てカイロを配ってくれた。指がかじかんでいたのでとてもありがたかった。定刻に開店した時には傘が雪で重くなっていたよ。その頃には後ろに15人くらいの行列が生じていた。1番のりで入店。店右隅に券売機が設置されていた。厨房には船越店主と女の店員の2人。客席はL字型カウンター7席のみ。小さいが清潔感がある綺麗な内装だ。ヒーリング音楽みたいなのがBGMに使われていたのが印象的だった。
『ワンタンメン(塩)』1150円+『味付玉子』120円=1270円
券売機にオススメと表示されていたメニューを注文。8分くらい待って最初の一杯が我に提供された。我の後ろに並んでいた2人組にはかなり後に2人分提供された。つまり店主が一杯を丁寧に作っているという事だ。丼がステンレスの平皿の上に乗った状態での提供。見た目にボリューム感があり今風ではなくどこか田舎っぽいビジュアル。山形鶴岡地方のラーメンに通じるところを感じるけど、これは塩ラーメン。見たことがありそうで見たことがないビジュアルにワクワクした。
麺は中太で結構縮れが強い。かためだけどつるっとしていてもちもちな食感。麺量は並で200gあるという。具は大量のきざみ葱と小松菜とメンマ、叉焼は3枚くらい入っていた。この叉焼が食べると燻製臭して香ばしさを感じる上質なもの。味玉丸1個は黄身の中心部分だけトロッとしていて味付もしっかりしていて、我の経験からして最高級の味玉だった。これはオススメされているのも納得した。雲呑は4個くらい入っていて皮は比較的厚めでモチッと感とツルッと感が両方楽しめた。餡は胡椒を効かせた豚肉だ。麺も具もそれぞれしっかりした量があるのが良い。スープは特に凝っていた。動物系のこってり感と魚介系のじんわり出汁感の複雑な旨味を奥の方に感じる。清湯塩スープなのに濃厚感がある今まで食べた経験がないタイプの塩ラーメンだった。我の大好きな素朴なご当地ラーメンの魅力と東京の最先端の技術力を感じる『渡なべ』系ならではの一杯だった。田舎のラーメンと都会のラーメンの良い所どりでやや田舎寄りという塩梅も素晴らしい。こんなの汁一滴残さず完飲完食するしかない。雪の中40分待った価値が十分にあった。「ごちそうさまでした。美味しかったです」と船越店主に伝えると目を見て「寒い中ありがとうございました!」と言ってくれた。体も心も温まった。大満足の退店となった。店外には15人くらいの行列が続いていた。
連食するつもりだったけど今日はこの一杯だけで良いという気分になった。新宿から横浜に戻り用事を済ませ買い物をして午後4時過ぎに帰宅した。寒いし疲れも感じたので短時間のつもりで布団に入ったら夜9時半過ぎまで寝てしまった。疲れが溜まっていたんだな。
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