空想來塩
天気予報を信じて折り畳み傘を置いていったらなんか1日雨が降っていた金曜平日。一週間の勤めを終えた金曜日はこのところ習慣になっているラー博訪問。かつて「日本最初のラーメン店」と紹介されていた『浅草來々軒』を『支那そばや』の協力を得て現在に復活させるという、ラー博ならではと言っていいプロジェクトによって立ち上げられてから早くも2周年を迎えるのだそうだ。それを記念して昨日と今日の2日間限定で塩ラーメンを数量限定で提供すると聞き、本命の店より先に入店したわけだ。でも店には先客3人のみ。入店すると「お好きな席へどうぞ」「隣の席に荷物を置いて下さい」とか言われた。厨房には男の店員3人と女の店員1人。後客3人ほど。
『塩らうめん』1100円
初訪問時にも書いたがこの店はかつて浅草に存在した『來々軒』を忠実には復刻したラーメンを提供しているわけではない。大前提に入館料を払い更に金を出してラーメンを食べに来てくれる現在の客を満足させなければならない。戦前に大人気になったというラーメンを真っ正直に再現しても駄目なのだ。今では入手出来ない食材は色々あり、もしかしたら今では禁止されているような材料も使っていた可能性だってあるかも知れない。それを『支那そばや』が当時の雰囲気だけを何となく匂わせた一杯を新たに作ったという事なのだろう。ましてや『來々軒』は正油味のみで塩は存在しなかったという。全くの空想の一杯なのだ。だって「こんな美味しかったわけあるか!」と思いながら食べてしまっていたから。物足りなさを感じないギリギリのラインで作られた優しい塩味のスープは鶏油がじんわり舌に伝わってくる。具は小口切りの白葱、ワカメ、平メンマ数本、赤縁のチャーシュー2枚。このチャーシューが特に美味かった。麺だけはこの店オリジナルなのかな?『支那そばや』の塩ラーメンとは麺と具は違うのだろうが、そのクオリティだったのでスープまで完飲し完食した。
コメント