頑固邂逅
みどりの日。水曜祭日。今日も朝から行楽日和。こんな天気の良い日は外出しないと勿体ない感じがする。旅行に行かない分ラーメン食べ歩きに出かけよう。近所の新店情報も耳に入ってきているけど、近場なら会社帰りか梅雨入りしてから行けばいい。開店したては店員のフォーメーションも熟れていないだろうし。なのでやっぱり今日も都内遠征に出かける事にした。
都内遠征をするとして、やはり下手打ちたくないので事前調査をした。あんまり立地が厳しいとか難易度の高い店だとこの時期臨時休業をくらう確率が高いからね。結論として今日は立川に出かける事にした。久しく行ってないし新鮮な気持ちになれるだろうし。始点川崎から南武線終点立川まで移動。やっぱり遠く感じるね。駅南口から歩いて4,5分くらいのところに立川らーめんたま館なるラーメン集合施設があった。事前調査で集合施設と知らなかった我は開店時間1分前くらいに到着したのだが長い行列が出来ていて驚いた。施設自体がオープン前だったのだ。少し待つとオープンし行列が前にすすむ。そのほとんどの客が『立川マシマシ』という二郎系の店に吸い寄せられていった。我が目的にしているのはその店ではないので安堵した。
今日の目的店は『一条流がんこラーメン 立川たま館分店』になる。昨年10月21日に開店したそうで我は初訪問になる。情報によると店主は新しく総本家となる家元の弟さんの店『一条流がんこラーメン総本家相模原分店』の弟子だったという噂だ。そう!今「一条流がんこ」と言えばラオタ界隈を騒がせた事件が起きた。一条流がんこ創業者にして家元と呼ばれた一条安雪氏が先月24日、75歳での突如現役引退してしまった事だ。我は約6年前家元が厨房に立っていた『一条流がんこラーメン総本家』に4回ほど訪れている。旅先で食材に出会いそれをラーメンに活かすことを楽しんでいる様子が伺えた。それはもう我の知る「一条流がんこ」のラーメンからかけ離れていたが、そういうのに縛られない事こそが「一条流」なのだろう。実際美味しかった。ラーメンを食べる喜びというものが味わえた。一時期は離れていたがそれからしばらく長蛇の列に並ぶのを繰り返していたからね。その甲斐あって当時家元自身が大好きだと言っていた基本の「自由が丘(醤油)」から、ラーメン本等でその名を知り憧れだった「悪魔ラーメン(純正)」も体験する事が出来た。家元が作った至極の一杯を食べる事が出来た事は今や貴重な体験となってしまった。
その時の体験を思い返していたらついつい「一条流がんこラーメン」が食べたくなってしまったのだ。事前情報だとこの店は不安定な営業しがちの「一条流がんこラーメン」系列としては珍しく無休らしいので訪問する事に決めたのだ。『立川マシマシ』の長蛇の列の脇に券売機があったので先客に続いて食券を購入して着席。店主と小太りの男の店員の2人体制。客席は厨房前に一列のカウンター8席。先客5人後客5人。
『塩(バラ)』850円
この店は筆頭が塩で醤油、辛痛、つけ麺と並んでいる。チャーシューもモモorバラが券売機の時点で選べた。また味の濃さ(しょっぱさ)がLEVEL1~8まで選べた。我は末広町にあった『がんこ八代目』とその弟子筋の溝の口にあった『味輝拉』にも行っており、新総本家(旧相模原分店)にも行っているので、家元が独自路線をすすむ前の『一条流がんこラーメン』スタイルが頭に染み付いている。あの強烈にしょっぱくて何故か後を引く一杯。あれが食べたくて基本のLEVEL4よりさらに濃くLEVEL6を選択。青唐辛子の有無も確認されたがそちらは無しで、麺かためでお願いした。
基本一杯ずつ調理するらしく結構待たされたが提供された一杯は正に我の記憶している従来の『一条流がんこラーメン』だった。具は大きめのバラチャーシュー、その上に白髭葱、穂先メンマ2本と海苔1枚。この透明なスープの中に黄色い細麺が泳ぐ様の美しさ、だ。そしてスープを飲んだら「これ!これ!」と心の中で呟いたほどの求めていたしょっぱさだった。結構ガツンとしょっぱく、LEVEL7や8を頼まないで良かった。そしてこの黄色い細麺の魅力的な食感。基本太麺好きだった我に細麺の魅力を教えてくれたのも「一条流がんこ」だ。一条流がんこクラシックスタイルに再び邂逅出来てなんか嬉しくなった。汁一滴残さず完飲完食。大満足で店を後にした。
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