三馬路塩
昨年8月に我は博多ラーメン源流の店『三馬路』を継承している『博多うま馬』祇園店を訪問した。その時調査した過程で同店は東京にも支店を出している事を知って「いつか訪問しよう」と気になっていた。『博多うま馬』はラーメンも提供するが基本居酒屋としての営業形態なのだが、今年4月からランチタイムにラーメン専門の営業を始めそれに合わせて『三馬路』の屋号を限定復活させたらしい。そして今月9日に神田駅西口商店街の中に場所を移し路面店として開店させたというので訪問してみる事にした。
秋葉原に立ち寄った後歩いて店へ向かった。食べログを頼りにビル街を縫うように歩いて店に到着したのは開店予定を1時間ばかりまわったくらい。まだ営業が不安定のようだが無事白い暖簾は出されていた。早速暖簾を割った。入口正面に券売機。厨房には男の店員2人。客席は厨房前に一列のカウンター6席のみ。先客2人後客1人。厨房内は店員がもう1人に技術的な教育をしているようで博多弁が飛び交っていた。他店の名前を出したり、コストダウンの事とかかなり突っ込んだ話が耳に入ってきてちょっと面白かった。麺専門店 博多 三馬路 東京店 『塩そば』 850円
基本メニューを注文。塩以外にはおそらく醤油味であろう「中華そば」が2番目としてメニューにあった。卓上に薀蓄が書かれていたが完全にこの塩そば推し。あまり待つことなく提供された。麺は中太ストレート。具は通常の葱のきざみと九条葱のきざみと小松菜、豚バラチャーシュー2枚と鶏チャーシュー1枚。鶏チャーシューにはデュクセルという椎茸とボルチーニからなる茸ペーストと柚子ペーストがのっていた。スープは名古屋コーチンや大山鶏から作っていて、そこに煮干しや貝等の旨味を重ねているという。鶏油が濃厚で柚子がとても合うハイレベルな塩ラーメン。後半卓上から柚子胡椒を追加して味変も楽しんだ。美味しかったしほぼ完食し満足はした。でもこれは『三馬路』の屋号でする事なのかというと甚だ疑問だ。望んでいた博多源流の豚骨ラーメンとはある意味真逆と言っていい一杯だった。おそらく店主は他店で最新の技術を習得し自分のやりたかったラーメンを完成させ出店を決めた時、実家の歴史あるラーメン店だった時の過去の屋号を「ちょうどいいや」と引っ張り名付けて営業するに至ったのだろう。でもそれは別の独自の屋号でやって欲しかったなあ。なんせ博多源流のラーメン店の屋号だよ。『カレと。Men』と同じ過去と決別するような営業方針でもこちらの方は感心しないな。継承すべきものは引き継いで欲しかったというのが正直な感想だ。
神田駅から東京に出て東海道線に乗り換え横浜へと戻った。
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