再初富士
明け方までは雨が降っていたが次第に止んで雲も徐々に消えていき青空が広がってきた土曜休日。2021年最後の土曜日だ。来週からは年末年始休暇で世間的にお休みになるので飲食店が休みに入らぬ内にプチ遠征として久々に八王子まで足をのばす事にした。勿論我の狙いは八王子中華そばという事になる。八王子中華そばは千葉の竹岡式中華そばと並び、我がご当地ラーメンというものに興味を持つきっかけとなった地麺だ。札幌味噌や博多豚骨というのなら知っていたが、こんな関東近郊に地味ながら個性際立つラーメンが存在していたのがショックで「じゃあ日本全国には何種類のご当地ラーメンがあるのだろう?」と興味が湧いて以降全国に旅へ出て食べ歩きが始まったんだ。その原点の八王子中華そばは大好きで今までも何度か足を運んでいるのだが、八王子中華そば元祖の店として知られる『初富士』へは6年前訪問したものの撮影禁止だった為写真に収める事が出来ず残念な思いが残ってた。それが最近ネットで情報を収集しているとラーメンの写真が上がっており撮影解禁になったという噂レベルの情報もあった。解禁にはなっていなくても了承を貰えば撮影可能になったようなのだ。原初の八王子中華そば、店主は高齢でいつ閉店してしまってもおかしくない状況。貴重な一杯のぜひ写真に収めておきたい。久々に完全なご当地ラーメンオタクモードになった我は再び『初富士』を訪問すべく八王子を目指す事にした。
八王子駅に到着したのは午前10時半過ぎ。北口バスターミナルから店の近くへ行くバスに乗車し揺られる事10分強で最寄りの停留所で降りる。そこから3分ほど歩いて『初富士』に到着したのは開店予定時間を5分ほど過ぎたあたりだ。暖簾は出ているし店前に待ちはなし。早速暖簾を割る。厨房は仕切りがあるが老夫婦2人の姿は目に入った。客席は厨房前に一列のカウンター3席、4人がけテーブル席3卓。先客6人は全員提供待ち。カウンター席に着席すると正面にはカメラに斜線が入ったマークが前回同様貼られていた。やっぱりか…。後客も続々来店し満席になった。
前回訪問時と同様に基本メニューを口頭注文。料金後払い。6年前から50円しか値上げしていない。一杯550円だ。ここは本当に東京都か?と思ったよ。提供時に腰の曲がった婆さん店員に許可を申し出て了承を得て何とか撮影する事が出来た。この素朴な美しさをもつ一杯を写真に収める事が出来ただけで感無量。でも食べるよ。柔らかめに茹でられた黄色いストレート細麺。刻みタマネギと細切りメンマ数本、ナルト1枚、海苔1枚、薄いチャーシュー1枚。やや濃いめの醤油スープの表面はラードで覆われている。見た目だかではなく味も定冠詞付きの美味しい中華そばに思わず目を細めてしまう。この雰囲気の中でこの一杯を食べている幸せを噛みしめる。地麺巡りっていい。文句なく汁一滴残さず完飲完食。大満足で支払いを済ませ店を出た。我の中の心残りをひとつ解消する事が出来て幸せだ。見たところ店主夫婦は結構高齢だった。なるべく長く営業を続けていただければと思ったよ。





コメント