家系本質
今日は本当は近場の店を狙っていたんだけど昨夜突然営業内容変更が知らされた為におじゃんになった。せっかく朝から快晴の土曜休日、何とか効果的な過ごし方はないかと考え、先週末同様東京家系店を開拓してみる事にした。
東京家系の中でも最も勢いが感じられる勢力が東中野『武蔵家』系列。元々は『たかさご家』出身らしいが今や横浜家系より豚骨濃度がかなり高いパンチ力があるスープが人気となり、その系列店は現在80店舗以上という一大勢力となっている。その『武蔵家』総大将の三浦店主が地元葛飾に今年8月8日に開店させた『三浦家』が本日の目的店。西日暮里から常磐線直通千代田線に乗って降りたのは金田駅。初めて降り立った駅だ。目的の店は駅前ロータリーの正面、真新しい商業ビルの1階、『日高屋』の並びにあった。看板には「武蔵家」や「家系」の文字は無いが「YOKOHAMA」の文字はあった。到着したのは開店予定の45分も前。新店ながら大注目を受けて連日大行列と聞いていたからね。でもこの時間だと店前に先客2人だけ。後に続いて並ぶ。時間が経過するに連れ我の横にもどんどん人の列は伸びていき開店する頃には40人弱くらいまでいったと思う。定刻2分ほど過ぎて開店。開店ギリギリまで券売機に電源を入れてないようだったから「大丈夫かな…」と思っていたら案の定最初の客でつまづいていた。前面パネルを開けて調整して今回はそれだけで済んだ。券売機で食券を買って奥から順番に着席した。水は提供していてくれた。厨房には男の店員3人。威勢のよい接客だが威圧感はなく気さくな雰囲気。客席は厨房周りにL字型カウンター11席。席間に仕切り板は設置されていた。
この店のメニューはラーメン、チャーシューメン、上ラーメン、特上ラーメンと並んでおり、どうせならと特上を注文した。好みは我の家系定番、麺かため、油多め。ライスは無料なのでお願いした。卓上からおろしニンニクと豆板醤…ではなくて一味の醤油漬け、カッパ漬けも付けた。
特上は海苔8枚、チャーシュー4枚、味玉1個、ほうれん草、コマチャの構成なのだそうだ。麺は酒井製麺の中太平打縮れ麺。そしてスープなのだが…我は結構な家系ラーメンを食べ歩いた経験があるけど初めて遭遇した味わいで驚いた。豚骨濃度も高く醤油も濃い。どちらもMAXというか。それでいて『吉村家』直系の味とは明らかに違う。もちろん昨日食べた『武蔵家』菊名盛りとも異なる。これを食べると『吉村家』のラーメンは醤油寄りの醤油豚骨なのかなとも思えてくる。これが『武蔵家』総大将がやりたかった一杯だったのか。素直に凄いなと思ったよ。
卓上に貼られた食べ方指南にも書いてあったが、この店のスープは「ライスに合う様濃いめに仕上げて」あるのだ。だから結構しょっぱい。なので「しょっぱい」「胸焼けする」等の批判もあるのだと思うが、そういう客は腹が減ってもいないのに家系ラーメンを食べに来たのではないだろうか。家系ラーメンの本質は「ご飯と一緒に食べる」事にあると思う。チャーシュー丼とか余計なものが上に乗っていない白飯だ。家系ラーメンがおかず代わりになるという意味ではなく、家系ラーメンは白米と一緒に食べてこそ完成すると言った方が良いか。だから当然腹が減っている時しか食べちゃいけないのだ。この点が同じガッツリ系の「二郎系ラーメン」と明確に異なるところだろう。我は朝飯を抜いて2時間弱かけて金町に朝早くきて並んで開店を待っていたのでそれは腹が減っていたが、これが仕事後疲れた状態に食べたらもっともっと美味く感じたのだろうなと思った。ラーメンという食べ物はそういうもの。そもそも我がラーメンを好きになった原体験は20代30代の頃、仕事で精神的にも身体的にもダメージを負い体を引きずるように家路に向かうその途中、日付が変わる直前くらいの深夜に空腹に耐えかね入ったラーメン店で食べた一杯が心底美味しいと感じたからだ。麺をすすり熱いスープを飲み白飯をかき込む。あんなに憔悴していたのに自分の顔がほころんで笑顔になっていたのを自覚した。そんなラーメン原体験を思い出させてくれたこの店の一杯に感謝したい気持ちになった。あんな濃いスープだったのにほぼ飲み干し白飯も平らげて大満足。笑顔で退店する事が出来た。
コメント