和歌山再
久々の旅行初日は地麺巡り和歌山編第2章だ。久々の旅行となると我はどうしても地麺巡りに力が入ってしまう。結果今回の和歌山旅行は観光一切なしでひたすらラーメン店巡りに費やす事になる。前回の和歌山遠征では市中心部に絞って『井出商店』、『山為食堂』、『◯京』、『本家アロチ丸高中華そば』、『◯イ』といった和歌山ラーメン主要店舗5店を巡った。今回は郊外の店を狙う。和歌山市北部を流れる紀ノ川を超え更に車を走らせることになる。数ヶ月ぶりの運転なので緊張感を持って臨む。
最初の訪問店は『正善(まさよし)』。創業1990年。店主は二代目に引き継がれ3年前に新しい店舗に移転している。場所は車でないと訪問は厳しい。和歌山ラーメンの系統で言うと豚骨ベースの豚骨醤油スープのタイプ。井出商店を筆頭とする為「井出系」とも言われる系統にあたる。
店に到着したのは開店から15分ほど過ぎた頃だったが既に店前の駐車スペースは埋まっていた。どうしよう…。ちょっと離れた場所に駐車スペースを見つけたのでそこにこっそり駐車させてもらった。そこから歩いて店に向かった。店入口には名簿があったのでそこに名前を記入し店前のベンチに座って待つ。今日は祭日という事もあるだろうが噂通りの人気店だ。5分ほどの待ちで店内に案内された。店内奥には広い厨房がある。ラーメンを調理するのは店主と思しき男の店員1人のみ。女の店員6人は注文をとったり具材のせて配膳したりのサポートに徹している。店内の内装は白を基調にして両壁向いに一列のカウンター7席と中央に8人がけテーブル席1卓。アクリル板の設置はされている。客層は正に老若男女、家族客からカップル、若者グループと多種多様。それでいてラオタっぽい客はほとんど見かけない。こういう地元民から圧倒的支持されている店の中でラーメンを待つと否が応でも期待が高まるんだよ。店内に飾られた木板のメニューを見て口頭で注文。料金後払い。
生玉子入りそばを注文。もうこの強烈な豚骨臭と醤油の匂いが混ざったものが漂ってくるのを嗅ぐと本場モノと対麺している実感が湧く。『井出商店』は豚骨100%らしいがこちらは豚に加えて鶏も使っているとか。それでも「これぞ和歌山中華そば」という説得力を凄く感じるスープでとても美味い。流石は一時期ブームを起こした和歌山ラーメンだ。麺は四角い中細ストレート。濃厚豚骨のまろやかさとハッキリとした醤油の味のバランスが良くずっと飲めてしまう感じ。具はわけぎと柔らかメンマ、和歌山産かまぼこ「千代巻」1枚、脂身が多く薄いけど味付けくっきりのチャーシューが3枚。そしてトッピングの生玉子が中央に投下されている。これが入るだけで、瀬戸内海を挟んだ向こう側の徳島ラーメンに似た顔つきになっている。おそらくは和歌山側から徳島へ渡って、更に醤油が濃くなって徳島ラーメンが生まれたと推測する。地麺巡りをしていると体感でこういうのが理解されとても面白い。麺を潰した黄身の中に通して食べるのも乙なもの。量は少なめなので他客は大盛りや特大で注文しているのが多数いた。我はこれから連食する身なので並でこの量はありがたい。でも結局美味くてほとんどスープを飲んでしまった。大満足で支払いを済ませ店を出て車の所に戻った。まだ一杯目。いいねー地麺巡りは!
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