岳家再来
強引な角度から日本列島を横断して関東地方へ迫ってくる台風。時折雨戸を叩く雨音が大きくなったり止んだりを繰り返している。実は我は今日から夏休みで9連休となるのだが残念な幕開けとなってしまった。外出するかどうか迷ったが結局10時半前くらいに家を出た。
今日の狙いは今月15日金沢区に開店した『横浜家系 岳家(がくや)』という店。この店は以前港南区日野に店舗を構え濃厚豚骨をウリに当時のラオタ達に支持されていた。我も約15年前に一度訪問した事がある。確かにクリーミーな豚骨醤油スープの家系ラーメンだった。いつの頃からか閉店してしまい半ば伝説化していた。そこで働いていた店員が港南区丸山台に出店した『はま家』が引き継ぐような形になっていた。ところが『岳家』は実はその後名古屋に場所を移して営業していたそうだ。そして十数年ぶりの横浜凱旋。場所は金沢区六浦、横須賀街道沿い。ギリギリ横浜市内、少し歩けば横須賀市という立地だ。台風の影響で電車が遅れていたので金沢八景駅から傘をさして徒歩で店へ向かった。店に到着したのは開店5分前くらい。店前には既に4人待っていた。我の後ろにもすぐ行列が生じた。定刻に開店。前客に続いて入店。券売機はなく席は順番に指定された。厨房に精悍な男の店主と女の店員2人。客席は厨房前に一列のカウンター5席、テーブル席は2人卓と4人卓各1つ。口頭で注文。料金後払い。店内は空調があまり効いておらず今日は蒸し暑かったのでちょっと辛かったね。
横浜家系 岳家 『ラーメン並(麺かため・油多め)』 750円
筆頭基本メニューを我の家系定番の好みを指定して注文。あまり待つことなく白く経が小さく底が深い丼で提供された。丼もスープも熱っつアツ。麺はしっかりかためで中太やや縮れ。具は家系標準。問題のスープは日野時代とは全然異なりサラッサラ。店頭に「旨み豚骨醤油」とアピールしているように豚骨と水のみでスープの旨みを出す事に力点を置いているようで、醤油もそれほど強く主張してこない。かつての『岳家』と再会するつもりだと肩透かしされたように感じるだろう。これは名古屋という他の土地で営業していたという事が大きいのだと思う。地麺巡りをしていて思うことは本当にその土地土地で客が求めるものが違うというのはハッキリとわかるし、当然それに店主が応えようとして知らず知らずに変わっていくということは十分ありえる事だ。横浜の地に戻ってきてまた変わっていくのだと思う。日野時代のような、昔の『壱六家』の白いクリーミーな家系ラーメンも今では見なくなったので、そのまま昔に戻るという事ではないだろう。そういう意味で考えさせられたし、家系のバリエーションの中の一杯として面白かったので満足し支払いを済ませ店を出た。すると雨は上がっていたね。今度は追浜駅方面に歩を進めた。
コメント