鷄魚豚骨
薄い雲に覆われたハッキリしない空模様の平日水曜、在宅勤務の日。
先日訪問した『和歌山家』だが時期は不明だが今の寿町から出ていくそうだ。そうなると逆に貴重になる今の店の雰囲気を楽しんでおこうかな、店のTwitterによると本日レアな限定メニューも提供予定だそうなので既食メニューとかぶらないで済むだろうと昼の訪問を決めた。徒歩圏内なので歩いて向かった。店に到着したのは開店7分くらい前。店前には誰もいない。まあいいやと店前で暖簾がかかるのを待った。しばらくして我の後ろに女性客1人が続いた。定刻に店主が暖簾を出した。入店を促されたので入店。壁のメニュー表にはTwitterで告知していたメニューは書かれていなかったのだがここで遠慮していると負けだと思い店主に注文した。イサキ(鶏魚)を使った豚魚ラーメンで限定6杯くらいだという。すると店主は「イサキですか…」と何だかハッキリしない。でも拒否はされなかった。続いて後客の女性客も同じく限定を注文。後客は店主の顔見知りらしく色々と話していた。まだ店主の中で構成が定まっていなかったらしい。でも告知した後で悩まれても困るよ。麺も太麺か細麺かで悩んでおり、後客のみと話し合い細麺で決定しようとした。先客である我を無視して事が進みそうだったので「じゃあ私は太麺で」と背中を向けている店主に頼んだ。すると「太麺ですか…」と快諾とは言い難い反応。すると店主は後客の女性に「すみません、太麺でいいですか?茹で時間が変わってしまうんで」と謝っていた。…それでは我が悪いみたいではないか。まあここは変に遠慮した方が負けだ。押し通した。
『豚魚イサキラーメン(太麺)』 800円+『炭火焼き豚バラ』 200円=1000円
限定イサキの豚魚ラーメン。この店の魅力のひとつでもある炭火焼きチャーシューもトッピングした。麺はかために茹でられた中太ストレート。この店の濃厚な豚骨ベースのスープにはこのくらいの主張がある麺の方が合っていると思う。我を通した甲斐があった。具は九条ネギ、太メンマ2本、大きな長方形の海苔1枚、半分に切られた味玉1個。肉厚の大きなチャーシュー1枚。そして後から投下された分厚いく香ばしい匂いがするトッピングの炭火焼き豚バラチャーシュー1枚。最近のラーメン店ではまずお目にかかる事はない刺激的なビジュアルのチャーシューだ。スープはドロドロ、この店らしい強烈な豚骨濃度の中にいい塩梅の魚介を感じる。イサキという魚は塩焼きメインの魚らしくラーメンに使用する例はあまりないようでそこが店主の不安要素だったらしい。でも生臭さは感じないし普通に魚介豚骨スープとして美味しかった。汁一滴残さず完食。不安そうだった店主を安心させるつもりで空になった丼を見せ美味しかった事を伝え支払いを済ませ退店した。この町から移転した後も今と同じような野趣溢れる魅力を失わず変質させずに頑張ってもらいたい。
早々に帰宅、午後の業務に取りかかった。
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