徳山星系
徳山駅みなと口駅前、今は工事中のロータリー脇にある昭和23年創業という老舗ラーメン店『スター本店』。本店以外に「第ニ」「第三」と屋号をつけた店も駅を挟んだ反対側にある。でも経営は別で先代が兄弟の親戚繋がりのようだ。提供されるラーメンが黒いスープをたたえた懐かしい雰囲気の一杯。だから近隣在住のラオタからは「徳山ブラック」と呼ばれているようだ。「地名+ブラック」というのは安易で没個性的なのでそろそろ止めて欲しいと思う。実に我好みの中華そばに早く対麺したいと逸る気持ちで目的の店へ開店予定5分前にやって来た。店前の頑丈そうなシールド?が異様を放っている。待ち客はなし。暖簾は出ておらず準備中のまま。でも我に続いてもう一人おじさんが後ろに続いた。開店予定11時の1分前くらいに女将が暖簾を出しに来て「どうぞ」と入店を促してくれた。手の消毒をして入店。厨房は奥にあり仕切りの向こう。小窓が開いていて覗けるくらい。どうやら女将が一人で切り盛りしているようだ。客席は多分感染症対策なのだろうが少なく、カウンター3席、2人がけテーブル席1卓、3人がけテーブル席1卓、4人がけテーブル席1卓。後客3人。口頭で注文。
メニューは基本と生卵入とチャーシューメン、あと各大盛り。サイドメニューはライス、焼き飯、いなり、しんこ巻き。イナリ等は入口近くのショーケースに入れられていた。あまり待たずに着丼。関西、しかも九州寄りだから甘口薄口醤油文化圏だから見た目に反してあっさりだろうなと予想して食べたらしっかりとした醤油味がして驚いた。思い返してみると大阪にも「高井田系」と呼ばれる濃い醤油味のラーメンがあり、それと味が似ている。但し麺は違う。割とかために茹でられた平打気味のストレート細麺だ。とても素朴な印象を受ける。具は刻み葱ともやし(ブラックマッペ)、もも肉チャーシュー2枚。この構成は隣県の広島ラーメンと同じだ。感想としては美味い。我好み。大満足。空きっ腹というのもあるがこの醤油が沁みる。地麺巡りをしている時の喜びを堪能出来たよ。営業時間は当面11時から15時までの昼4時間だそうだ。
続いては駅の反対側へ移動する。港側は「みなと口」、市街地側は「みゆき口」と言うそうだ。確かにこちらの方が栄えているようだ。でも同じ新幹線のぞみの停車駅でも新横浜駅とは異なり、血が通ったというか生活感が感じられる街だ。行き交う人は少なかたけど。
続いての目的店は駅から歩いて5,6分の場所にある『第二スター』。徳山スター系順番通り訪問計画だ。『スター本店』と同時開店予定なのでその20分後くらいに店に到着したのだが様子がおかしい。暖簾は店内にあるし中が暗い。え?営業時間は昼11時から16時まで、定休日は火曜のはずだがまさか臨休?暗い店内を覗き込むと奥で女の店員がエプロン姿をしていたので開店はするだろう事はわかった。でもいつ開店するのか?先に『第三スター』に行ってしまう事も考えたが、順番通りの訪問ミッションを達成する為に6分以上待った。ようやく女店員が暖簾を出して店内に促してくれた。良かったー。厨房は奥にあり見えないが、おそらく厨房には男の店員がいる。接客係のおばさん店員2人。1人はもうひとりの店員に厳しく注意していた。客席は壁側にカウンター3席、テーブル席は2人卓が1つと3人卓が2つ。こちらでも感染症予防の為客席は減らしているようだ。我が開店を待っている時他に誰もいなかったのに、どこに隠れていたのか後客がぞろぞろやって来た。子連れの客までいる。最後は店外待ち客も生じていた。街の中心部に近いからかも知れないが、この日のスター系の中では人気1位だった。口頭で注文。
この店もラーメンメニューは同じ構成、サイドメニューはおむすびとライスのみだった。我はもちろん基本メニューを注文。スター系の中では基本価格が一番高い。麺や具の構成はほぼ『スター本店』と同じだがチャーシューの枚数が多い。そして何より味の違いに驚いた。醤油味控えめ。その分ちょっと動物系の出汁を感じた。あっさり。麺もやや柔らかめ。スター系でもこうも味の違いがあるとは面白い。こういう仕上がりがこちらでは万人受けするのだろうな。
さてスター系順番通り訪問計画も大詰め、最後の『第三スター』訪問。場所は『第二スター』から徒歩3分くらいの通りに面した店舗だ。こちらが一番歴史を感じる店構え。こちらは昼11時から16時までの営業。無事暖簾が出ていて一安心。早速扉を開けて入店。店内も味があるなぁ。壁の木札のメニューもいい。厨房は店舗左奥にあり全く見えない。おそらく店主が調理しているのだろう。接客係のおばちゃん1人。客席は一番奥に小さなカウンター1席、テーブル席は2人卓1つと4人卓1つ。上がりに4人卓2つ。先客3人後客3人。口頭で注文。
こちらは味噌ラーメンもあるようだ。いなりはセットメニューだけ?炒飯もあった。具の構成、麺の種類は一緒。チャーシューは肉厚なのが2枚入っていて3店の中ではチャーシューが1番美味しかった。スープは『第二スター』よりあっさりした味だった。卓上に大きなコショーの缶がこれみよがしに置いてあったので途中で投入すると程よい味になった。そういう設計のスープなんだね。普通に昭和の雰囲気が漂う店内でこんな中華そばを食べる事が出来ればそりゃ満足するよ。支払いを済ませ退店した。
今回の旅の主目的だった徳山スター系3店舗順番通り訪問計画が約50分の間に完遂する事が出来て大満足。徳山の港の風景も楽しめたし、心置きなく徳山を後にする事が出来た。
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