二郎家系
我はラーメン食べ歩きを始めた当初から、横浜家系と二郎系というラーメン界の中の二大勢力の共演(競演)というものを夢見ている。ジャンクでガッツリで濃いという共通項はあるのだが、違う強烈な個性をもっているから各々日本中に広まっているのだ。だからあちらを立たせればこちらが立たずという風になってしまうのはわかっている。それでも我は子供っぽく欲張ったラーメンを望んでいるのだ。
家系二郎ラーメンを提供する店が現れたというのを最近知った。六本木駅付近にある『馬場壱家 智の陣』という家系ラーメン店だ。高田馬場付近に本店があるからこんな屋号なんだろうね。でも家系二郎ラーメンは本店での提供はしていないようなので六本木の『智の陣』の方に向かった。みなとみらい線に乗り中目黒で日比谷線に乗り換え六本木駅に到着した。駅から徒歩6分くらいで店に到着。ちょうど11時くらいだったが既に営業していた。営業開始が10時45分だったよ。なので早速入店。入口脇に券売機。厨房には男の店員2人。客席は厨房周りにL字型カウンター9席と奥に4人がけテーブル席1卓。先客はいなかったが席は指定された。接客は丁寧。後客2人。
横浜家系ラーメン 馬場壱家 智の陣 『家系二郎ラーメン(並)』 850円
目的のメニューを並で注文。好みは家系と同じ。二郎に準じたコールは無し。少し待って提供された一杯は「おとなしめの二郎」。「もやキャベ」等の有料トッピングを加えればより二郎感を増加させる事は可能だ。
具はもやし、キャベツ、玉ネギの角切り、大きめのバラチャーシュー1枚。あときざみニンニク。驚いたことに麺がゴワゴワの平打ち太麺。この店の標準の麺を知らないけど変えているのかな?やたらゴワゴワで二郎感が味わえた。スープは流石にこの店のベースである家系豚骨醤油だと思う。でも二郎の乳化タイプのスープと言われてしまえばそんな風にも思える。総じて8割方二郎っぽい仕上がりの一杯だった。家系らしさは僅か。これは元々家系ラーメン店がバリエーションとして二郎ラーメンの味に近づけることを目的にして作ったのだからこのようになるのは当たり前。二郎系ラーメンとしての完成度は高いと思うよ。でも見方を変えると結果的に「量がおとなしめの二郎ラーメン」になっている。だったら二郎系ラーメンの店で本格的なものを食べたたら良いわけで…。これは結局「ミックスソフトクリームの法則」に該当する。チョコとバニラのミックスソフトは薄まったチョコ味になってしまうのと似る。あ、これは思い切ってニンニク抜きにしてスープ味濃いめにすれば家系寄りに出来るのかな?二郎系の店が家系に寄せて作ると我が望んでいるような家系と二郎のちょうど中間を狙えるのかな?等と子供っぽい妄想は続いていく。
この店自体は接客も良かったしラーメンも良質で満足出来たよ。何よりこういう楽しい試みをしてくれる時点で高評価。横浜近辺でもこういう試みをしてくれる店が出てきたらいいな、と思った。
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