石見銀山
目覚めの良い朝を迎えた。ホテルの部屋の窓のカーテンを初めて空けると出雲市駅が丸見えだった。今日も良い天気そうで良かったよ。
一応ツアーとして宿泊しているので朝食付き。通常はバイキング形式なのだろうが感染症予防対策の為弁当形式になっている。これもこれからのスタンダードになるのかな。
チェックインの時に、アンケートに答えれば3000円相当のクーポン券が貰えると渡されたので、昨夜の内に書いておいたアンケートをフロントのところに持っていくと貰えた。出雲市が発行しているものだ。観光業の危機が如実にわかる。でも旅行客の我にとってはGotoトラベルキャンペーンと相まってかなりお得な旅となっている。道の駅や空港の売店で土産物を買うのに使わせてもらった。
さて出雲2日目は出雲大社に並ぶ島根県の名所、石見銀山へ行ってみる事にした。1527年に発見されて以降400年に渡って採掘された鉱山遺跡だ。戦国時代後期から昭和16年まで採掘され続けたというのは凄い。そして2007年7月に世界遺産に登録された。
出雲市駅前のホテルを朝7時半過ぎにチェックアウトしホテルの玄関を出た時異変に気付いた。涼しいなと感じた。夏が過ぎ去ってしまった事を実感した瞬間だった。
車に乗り込んで南西方向の太田市の山奥を目指した。到着したのは朝9時半。シルバーウィーク2日目で世界遺産登録された観光地なので自分では早めに来たつもりだったのだが駐車場は満車状態。駐車場のおじさんに近くの別の駐車場の場所を教えてもらったのだが結局わからず結局元の駐車場に戻ってきた。そうしたら先程のおじさんが手招きして1台空いたスペースを教えてくれた。よかった。すぐ近くのレンタサイクル店で電動アシスト自転車を借り出発する。青空の下、日本の田舎然としたのんびりした光景を電動アシストの力を借りてスイスイと進むのは気持ちが良いよ。これだけでも来てよかった。
目指すは龍源寺間歩。間歩(まぶ)かとは採掘する為の坑道で、龍源寺間歩は石見銀山を代表する間歩だそうだ。駐輪場に自転車を止めて料金410円を払って間歩の中へ入る。昔の人は歩いてこんな山中まで登って、更に危険で過酷な採掘をしたという事を想像すると、人間というのは凄いもんだなーと思ったよ。
帰りは下り坂。電源を切ってペダルから足を離して爽快に降りていく。途中「清水谷精錬所跡」にも立ち寄った。
出発地点の駐車場に戻ってきた。すぐ近くに崖に廟があって橋がかかっている奇妙な場所があったので立ち寄ってみた。「五百羅漢」という、銀山で働き亡くなった人々の霊を供養する為に作ったものだぞうだ。左右の石窟の中には250体もの石像が立ち並んでいる。中には居眠りをしていたり、斜め後ろの人に話しかけている像もいて何だか生き生きとしていて話し声が聞こえてきそうだった。内部は撮影禁止だったのが残念だった。
自転車を返して今度は大森地区といわれる銀山で栄えた江戸の面影を残した町並みが続く地区を歩いた。ああこういう雰囲気いいね。
我はどちらかというと自然な景色が好きで、あまり史跡の類は興味はないので、出発前までは石見銀山へ行くのはあまり気が進まなかったというのが正直なところだった。だけれど父親の勧めもあったのでやって来た。結果的に来てみて良かったと思う。田舎の景色を堪能し大分穏やかな気分になれた。
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