出雲夜麺
日没後の日御碕から今夜宿泊するホテルがある出雲市駅へ戻った。駅付近は流石に大渋滞が生じていて時間がかかって疲れた。ホテルの駐車場もギリギリ最後の1枠だけ空きがあったので駐車できる事が出来て一安心。荷物を降ろし少し休憩した後街へ出る。
場所は出雲市駅前。選択肢は幾つもあるはず。でも地方の駅前は必ずしもそうとは限らない。電車は取り残され車移動が住民の生活の中心になっているパターンが多いからだ。とは言え離島ではないのだから選択肢はあるはず。下調べもしてきた。けれども夜7時半だというのにアーケード商店街はほぼシャッター通りになっており、その中にある訪問を予定していたラーメン店も営業していなかった。
なので駅前ロータリー前という分かり易い立地にいい感じの雰囲気のラーメン店を見つけていたので入店する事にした。『支那そば来来』という店だ。後から調べたのだが夜7時からの営業のようだ。好立地だけど掘っ立て小屋っぽい店舗で厨房の中には親父さん1人。厨房周りにL字型カウンター11席。先客2人後客1人。口頭で注文。厨房設備のせいか調理には時間がかかるようだ。
支那そば来来 『ラーメン』 600円
当然筆頭メニューを注文。ラーメンの後にはチャーシューメン、チャンポンメン、焼きそば、焼きめし、餃子と続き後はアルコール類とトッピング。麺は柔らかめに茹でられた黄色い中細縮れ麺。具は青ネギの小分け切り、茹でもやし、平メンマ数本、小さなチャーシュー1枚。スープはあっさりとした塩味だけど野菜や豚骨鶏ガラなどから摂ったと思われるじんわりとした旨味が感じられる。明らかに〆の一杯を狙って組み立てた一杯。夜鳴きそばとでも言いたくなるような。出雲らしさというものは感じられなかったけれども、それよりこの素朴な味わいに満足出来た。料金を支払い退店した。
味には満足出来たけどあのあっさりとした一杯では晩飯としては物足らなかったので食べログアプリで現在地周辺のラーメン店を検索するとJR線路の高架下にある店があるとわかった。『ラーメン篠寛』という店だ。予備知識なしだが早速行ってみる事にした。よかった、営業していた。半透明のプラ製トタンで作られたかなり手作り感がある店舗。その分店内は明るい。入口脇に券売機。厨房には男の店員2人。厨房前に一列のカウンター5席。奥に背中合わせで一列のカウンター3席と4席が設置されている。テーブル席は4人がけが2卓。先客5人後客1人。
メニューは筆頭から担々麺、塩担々麺、汁無し担担麺と担々麺推し。続いて大山どり塩ラーメン、出雲ラーメン、塩豆乳ラーメンと続く。地麺巡りをしている我であれば迷わず出雲ラーメンを選択するべきだ。でもね、今は担々麺が食べたい気分になっていた。露骨に観光用ラーメンだった場合ガッカリな気持ちで一日を終わる事になってしまう。それにね、今日宍道湖を一周ドライブしている間にも自然にラーメン店が目に入ってきていたのだが、やたら担々麺と書かれた幟が立っていて不思議だなーと思っていたんだ。島根って独自の地麺が存在しない分、担々麺が好まれる文化が形成されつつあるのかも…。こういうのは現地に来てみないとわからないものだ。そういう強引な理由で筆頭担々麺をトッピング無しで注文した。程なくして提供された。何故か卵黄が別皿で提供された。無料トッピングだ。麺は黄色い中細縮れ麺。具は薬味ネギ、もやし、海苔1枚、たっぷりの挽き肉。スープは甘辛で酸味も若干、花椒も効いている。オーソドックスな担々麺だった。このオーソドックスが好まれて島根に広まっているのだろうか?卵黄が別で無料提供されるのは、この店独自のサービスなのか、島根担々麺?の特徴なのかまではわからなかった。どちらにしろしっかりとした味わいの担々麺に満足した。コンビニによってホテルに戻る。あれ、こんな近くにあったのか。駅をまわって来たからわからなかったよ。普通のビジネスホテルだけど、先月末宿泊した新島のドミトリーに比べればプライベート空間が保たれていて快適な一夜を過ごせた。ぐっすり眠る事が出来た。
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