佐渡振返
両津港に戻り所定の時間より1時間前倒しでレンタカーを返車した。そして港近くの食事処で朝飯兼昼飯を食べる事にした。港の道路挟んで反対側に良さげな定食屋を見つけた。『いさりび』という店だ。味のある庶民的な蕎麦屋のような店内。厨房は見えないがおそらくおじさん1人。いかにも定食屋のおばあちゃんといった感じの人が接客係。2人がけテーブル席2卓、4人がけテーブル2卓。奥に座敷席があるようだが様子はよくわからなかった。先客3人後客ゼロ。口頭で注文。
カツ丼が味噌汁付きでこの値段だ。でも我の知るカツ丼とは異なるね。カツはスライスされた豚肉にパン粉を付けて揚げたもの。強いて言うならお弁当用のカツの大きめなのが4個ごはんの上にのっていて、卵でとじておらず甘辛いタレがかけられている。そして青のりが多めにかかっていた。佐渡のカツ丼がみんなこうなのかは不明だが、ちょっとご当地っぽい風変わりなものを食べられて満足した。
フェリー乗り場に戻ってお土産売り場で佐渡バター等を買ってジェットフォイルの窓口に行く。するとあと20分程度で本来乗る1本前の船が出港予定だ。我が予約していた船を2時間以上待つのは馬鹿らしいのでダメ元で窓口に行ってみるとあっさり交換してもらえた。これはラッキー!予定より大分前倒しで帰宅出来るぞ。
11時過ぎに乗船し佐渡を離れながら今回の旅を振り返ってみた。緊急事態宣言後の初めての離島旅行。宿には客は結構いたので旅行客はいたのは確実。我はいつもどおりの早起きは三文の得作戦で時間をずらしたので観光スポットでの人出は少なかった。それでも4連休中という事を考えると観光客の少なさに異常を感じた。特に外国人観光客が全くいなかった事は大きい。かつては「え、こんなところにまで?」と驚いたような場所に、主に中国人観光客が大挙して訪れていたのを目にしてきたからね。一個人観光客からすれば他の観光客が少ないのはラッキーなのだが観光業にとってはキツイだろう。それと両津の町がほぼシャッター商店街になっていたのも気になった。赤泊港へのフェリー航路廃止は昨年なので感染症拡散の影響ばかりでは無いとは思うが確実にダメ押しになっているのは確かだろう。
観光業が危機に瀕しているとは聞いていたが、今の離島の状況を目の当たりにして考えさせられた。有人島は漁業等の一次産業と観光業で成り立っている事がほとんど。単に観光業に従事している人の事を心配しているのではない。その影響が島全体に及ぼしている事が肌で感じられたので危機感を覚えたのだ。一度廃業を決めてしまったらまず再開する事はない。地価も下がって取り壊しもされず放棄される廃宿。打ち捨てらた観光船。人が減って手入れがされず草が生茂り通れなくなるかつて絶景ポイントと言われた観光名所。悪循環となって更に来島者はいなくなり、最悪の結果住民も去って無人島になる。そういうところまでリアルに想像させられた。いろいろな考え方があるだろうが、我はそうならないように離島訪問は可能な限りはこれからも続けていくつもりだ。それが新しい非日常の姿だと思う。
12時半には新潟駅に到着。3時半には東京、5時過ぎには無事帰宅出来た。長梅雨で天候は満点とはならなかったが有意義な4連休の時間の使い方が出来たので満足だ。
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