小見川麺
小見川のカレーソース焼きそばには、先の『さかえ食堂』の系統とは別にもうひとつの系統があるらしい。何だかこの辺りの事情も「塩原スープ焼きそば」と似ていて面白い。そのもう一つの系統とは『一心堂』系列といい、何でも昭和40年代頃まで営業していた『一心堂』なる店がカレースープ焼きそばを提供していたのがルーツだという。その『一心堂』はかなり人気があったらしいが結構昔に閉店してしまった。地元民には良い記憶としてしか残っていたのだろう。しばらく経った後、その頃を懐かしんだ地元の中華定食店『華蓮』という店が賄いとしてそのカレースープ焼きそばを作った。それが常連に知られて好評になり、20年ほど前から正式メニューとして復活したという経緯があるのだそうだ。次はその『華蓮』を目指す。時刻はもうすぐ正午だ。
横浜とは違い真っ平らの土地が広がる千葉の風景を楽しみつつ、『ニュー栄』からほぼ直線で1.6kmほど離れた次の目的店『華蓮』に到着したのは12時20分辺り。そんな時間なので店内は結構客が入っていた。喫茶店のような食堂のような感じの店内。メニューを見ると丼ものや中華の一品料理が並んでいる。中華定食屋って感じ。厨房にはおじさん店員、おばさん店員、それと高校生のような若い男の店員の3人。家族っぽい。客席は厨房周りにL字型カウンター8席、4人がけテーブル席3卓。こちらも座敷席があったが仕切りがありよくわからなかった。口頭で注文。先客14人ほど。あー喫煙可かよ。隣の親父が吸い出した。その後もパラパラと客が来て、最後は10人超えの大家族が来店していた。地元民が集う憩いの場って雰囲気が良い。
華蓮 『ランチBセット』 1200円
目的のスープカレー焼きそばを注文しようとしたが、ランチセットを見ると、そのスープカレー焼きそばに半ライスとサラダ、スープとお新香、ドリンクが付いたBセットがあるのを発見。<おすすめの食べ方>として「残ったカレースープに半ライスを入れてお楽しみ下さい」とある。「台湾まぜそば」の追い飯的な楽しみ方か、面白そうだ。それにサラダとドリンクが付くのはありがたいのでこのセットを注文した。ちなみに単品「スープソース焼きそば(カレー味)」だと830円、カレー味ではなくソース味だと770円だった。

先ほど食べた『ニュー栄』のカレー焼きそばとは大分違う。底の浅い丼で麺はスープから顔を出し浸っているという感じ。麺は中細ストレート。具はキャベツと魚肉ソーセージが細切れにされたものが入っている。まさにB級…というよりぶっちゃけてしまうと貧乏くさい。でもその貧乏っぽさが先に『一心堂』が営業していた時代、この国が戦後から高度成長へ移行する時代を彷彿させ、かなりリアリティを感じてしまう。スープは『ニュー栄』に比べて優しいカレー味でソースが前面というわけではない。でもそこに一緒に提供されるカレー粉が入った容器からカレー粉を足して自分で調整して食べるのが正しい食べ方なんだとか。なので我も多めに入れてみる。するとハッキリくっきりカレー味。そりゃそうだよ。
麺と具は食べたので半ライス投入。でもカレーライスではない。カレー味のスープにライスを入れたものでスープカレーとはまた違った感じになる。これはこれで乙なもの。スープ焼きそばって、青森黒石つゆ焼きそばとか栃木塩原スープ焼きそばくらいしか聞かない珍しい食べ物。それがこの千葉小見川に存在するというのは、それらとは無関係なオリジナルのシンクロニシティ的な発生なのだろう。これがラーメンなのか焼きそばなのか分類するのは一般的には難しいだろうが、我は昔個人的に定義したものに則せば、これらはラーメン、小見川地麺という事になる。この2系統を今日1回の訪問で実食出来たというのは嬉しい。今日思い切って行動に移してやって来て良かった。それにしても千葉県って凄いな。関東地方の地麺の宝庫だ。
支払いを済ませ退店した。この店から小見川駅まで約1.2kmある。でも次の電車の到着時刻まであと40分以上あるのでゆっくり歩いて駅に戻った。
電車は定刻通りやってきた。後は家路を急ぐだけ。でもここでちょっとでも早く帰ろうと成田で京成線に乗り換えたのが運の尽き。人身事故で乗車した快速は佐倉で勝手に回送電車に変更され乗り換えを強いられた。普通電車に乗り換えて運転再開を待っていると八千代台までは動くというので、途中京葉高速線に接続する勝田台まで行って乗り換えた。運良く東西線直通快速に乗れたのでとりあえず安心かと思ったら、日本橋で東陽町で突然車両交換するからまた乗り換えろと言われた。何なんだよ今日は!仕方なく乗り換えて日本橋から銀座線に乗り換え新橋から東海道線に乗り換えれば横浜に戻れる。必死に走って乗り換えてキツかった。そうしたら東海道線まで遅れてやんの。何て日だ!まあ6時前にはなんとか帰宅出来たからいいか。外房日帰りはやっぱり大変だった。


コメント