カテゴリー

2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 鎚頭開港 | トップページ | 根岸背脂 »

2019年11月 2日 (土)

秋上高地

このところ我は離島旅行にハマっているが、秋冬にまで離島に出かけるほどのレベルにまでは達していない。なのでこの期間どこに行こうか迷っていた。「秋の美しさの象徴は紅葉の山かなー」と単純に考え、三連休初日に長野県の上高地へ行ってみることにした。旅行先の定番だけど我は今まで行ったことがない。地麺巡り以外の旅は全くの素人同然なのでこの有様だ。定番には定番になる理由があるはずだと先月半ばにバスツアーに申し込んだ。全体行動が嫌いな我はバスツアーに参加することは極めて稀。それでも申し込んだ理由は、上高地は一般車の乗り入れは禁止されており、許可された車両に乗る必要があることを知ったから。「だったら最初から通行許可があるバスで行ってしまった方がスムーズだ」と横浜駅から出発するバスツアーに申し込んだ。後で知ったのだけど今月15日には上高地は冬季閉山してしまい、売店などの各施設は更に早めのこの3連休で終了してしまうのだそうだ。今年最後のギリギリチャンスのバスツアーだったようだ。申し込みが成立して良かった。

朝6時半までに横浜駅東口に集合し定刻に出発。バス1台で参加者45人満席状態のツアーだった。運良く窓際に座れた。現地も予報通り好天に恵まれ観光日和だそうだ。ところが今日は三連休初日、早朝出発でも高速渋滞ワースト1位の横浜町田インターチェンジがある。それを避ける為に途中高速を降りて相模湖付近まで一般道走行が入った為大幅に上高地到着が遅れ、大正池に到着したのは午後1時をまわりこんでいた…。
191102kamikouchi03191102kamikouchi02どうしようもないことだとは言え、せっかくの好天に恵まれても午後到着ではなーと気持ちは下り気味でバスを降りた。ところが絵葉書写真の原寸大と錯覚を起こすほどの景色がいきなり目の前に広がっていたのだから、そのような不満は瞬間的に霧散した。紅葉した木々で彩られた連なる山々、遠くには山頂部に雪を冠した穂高連峰、その背後には抜けるような青空が頭上にまで広がり、足元にはエメラルドグリーンに見える恐ろしく澄んだ水を湛える大正池。湖面に鏡のように山が写り込んでいるなど写真の中ではよく見るが、ここまでの精度で映り込む光景を肉眼で眼にしたのは初めてだったかもしれない。

191102kamikouchi06191102kamikouchi07191102kamikouchi04191102kamikouchi05あとは「うわー」「すげー」を心の中で何度も呟きながら夢中で歩を進めシャッターを押すだけの生物と化したよ。国内旅行の定番である理由を一瞬で理解させられた。風もなく穏やかで心地よい気温!そして何という空気の爽やかさなのだろうか!

191102kamikouchi10191102kamikouchi09上高地を貫く清流梓川。驚くほど透明な水が豊かに流れている。何だってこんなに綺麗な水の色をしているのだろうか…。
191102kamikouchi12191102kamikouchi13191102kamikouchi14 田代橋付近で猿の群れと普通にすれ違う。全く人を恐れず、餌をねだるような素振りも見せず、普通に足元を通り過ぎていった。
191102kamikouchi15191102kamikouchi16191102kamikouchi17次々と現れる絶景に夢中になりながら梓川沿いを歩いていると、上高地観光の中心地である河童橋へ到着した。でも我は人工物やケーキなど興味はほとんど無いので更に北へと歩を進めた。今度は明神池を目指す。

191102kamikouchi18191102kamikouchi19明神池は遠く離れていて、往復して出発予定時刻にバスターミナルに戻ってこれるかギリギリの見込み。でもこの好機は逃さず後悔はしたくないので行くことにした。岳沢湿原を過ぎたあたりになると今までのような絶景の連続ということは無くなり、遊歩道も狭く勾配も出てきてすれ違う観光客もぐっと減ってきた。
191102kamikouchi21191102kamikouchi22191102kamikouchi24191102kamikouchi20約1時間歩いて明神池へ到着。穂高神社の敷地内にあることから300円の拝観料を支払う。時刻はもう4時近く。日は傾きかけて湖面は日陰の部分が多くなってしまっていたが、その分反射で紅葉が美しく映っていた。こちらを見下ろすようにそびえ立つ紅葉に彩られた山々が夕陽に照らされることによって、思わず息を呑む圧倒的な光景を生み出していた。到着が遅れたことはむしろ幸いしたのだと思えるようになっていた。そして長い距離を歩いた苦労も一瞬で報われた。来て良かった。
191102kamikouchi25191102kamikouchi26 明神橋を渡り後は約束の時間午後5時までにバスターミナルに戻れるか時間との勝負だ。早足でバスターミナルへと向かう。河童橋に到着出来たのは午後4時40分あたり。5分ほど歩けばバスターミナルに着けるので余裕がありそう。土産物屋で買い物をして定刻の5分前にバスターミナルに到着。その時携帯電話が振動した。旅行会社の添乗員からだった。どうやら我以外のツアー客はバスに戻っていたらしい。約束の時間までに戻ってきたから問題はないだろう。

上高地到着は午後になってしまったが、4時間たっぷりと好天に恵まれた秋の上高地を堪能出来、大満足の旅になった。帰りは順調にバスは進み、午後9時過ぎには横浜駅西口に到着出来た。家には午後10時半に戻ってこれた。疲れた体を湯船に沈めながら瞼を閉じて思ったよ。あの景色を日帰り旅行で体験できるなんて幸せだよ、せっかくこの国に生まれて来てこの風景を見ないなんてあまりにもったいないと。定番観光地は伊達じゃなかった。

« 鎚頭開港 | トップページ | 根岸背脂 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 鎚頭開港 | トップページ | 根岸背脂 »