奄美地麺
我の事なので旅するとなったらその土地の地ラーメンはないかと探りは欠かさない。そこで見つけたのが、この島の郷土料理「鶏飯」のごはんの部分を中華麺に変えた「鶏飯ラーメン」というものだ。ラーメン専門店ではほとんど提供されてはおらず、居酒屋で〆の料理として複数店で提供されているのは確認出来た。なので我はこれを奄美地麺と認定した。
その中でも我が目をつけていたのが『ハレルヤ食堂』という店。この店は名瀬郊外にある永田橋市場内にある弁当屋らしく、昼12時から2時間だけ店舗でラーメンを提供しているらしいのだ。その店では鶏飯炊き出しスープに島の黒豚をブレンドしたという「島ラーメン」というものを提供しているらしい。何とか閉店20分前に店に到着する事が出来た。先客に2人夫婦がいた。営業しているようで安堵した。店前には3席だけ丸椅子が置かれていたので端の席に座らせてもらった。口頭で注文。後客ゼロ。
島ラーメン ハレルヤ食堂 『シマラーメン』 600円
筆頭基本メニューを注文。他にナリ(ソテツ)みそラーメン、がん(蟹)ラーメン、つけめんなどなかなかのラインナップだった。麺は中細ちぢれ麺。具は薬味ネギ、乾燥させたタンカンの粒、ゆで玉子半個、そして骨まで柔らかく食べられる黒豚ソーキが2本も入っていた。これでこの値段でいいの?と思ってしまった。スープは確かに鶏飯のスープよりコクがあり、鹿児島ラーメンのあっさり豚骨スープのエッセンスも入っているように感じた。それにしてもこのソーキが食べ応えがあり美味かった。再訪したいなと思わせる店だった。
その後島南部を巡って大浜海浜公園で夕日を見た後に宿泊地名瀬の中心部にあるホテルにチェックイン。今回のホテルは大浴場があるという理由でえらんだが、男女入れ替え制で時間制限夜8時まで、フリーWi-Fiもなしという旧式感が否めないホテルだった。まあ涼しい部屋で横になれればいいかと思う事にした。この島では珍しいコンビニもすぐ近くにあったし。って意外と我も現代っ子感覚なのかね?
そして晩飯。これもガイドブックで紹介されていた『鳥しん』という店。鶏飯と島料理の店と名乗っているが、屋号から何から完全に赤提灯の店だ。全面喫煙可。我にとっては完全アウェー。それでもこの店に足を運んだのは「鶏飯ラーメン」がメニューにあることが確実だとわかったからだ。意を決して暖簾を割る。厨房にはおじさん店員が5人くらいいた気がする。厨房周りにL字型カウンター11席。5人がけテーブル席が2卓。あとは広い座敷席。夜7時前とわりと早い時間だったせいか客入りは4割から5割程度。それでもカウンター席は結構埋まっていてぎゅうぎゅうに詰めさせられた。口頭で注文。
奄美鶏飯と島料理の鳥しん
『奄美黒豚パパイヤ丼』 950円+『タンカンハイ』 500円+『お通し』 350円
1日慣れない車の運転で緊張したのでちょっと頭のねじを緩めるため、店の雰囲気に負けてタンカンハイを注文してしまった。明日はツアー参加で車は運転しないし、朝もゆっくりなのでまあいいだろう。でも我は飯を食べに来ているので、この店の人気メニューとして紹介されていた奄美黒豚パパイヤ丼というものをまず注文した。黒豚、青パパイヤ、もずく、田芋の茎などが入っている。スープ付き。豚丼的なものを期待したが、実際は山菜丼的な感じだったな。悪くはなかったけど。
+『奄美鶏飯ラーメン』 750円=2550円
そして主目的のラーメン。麺は白っぽい細麺ストレート。具は薬味ネギ、きざみ海苔、錦糸玉子、キャベツやにんじんなどの炒め野菜、それと鶏肉のきざみ。スープは…これって本当に鶏飯スープ?炒め野菜が入っているからか、タンメンの塩スープのように感じただけだった。居酒屋のラーメンの域から出ることはない。やっぱり居酒屋じゃなくて、本土で活躍しているラーメン店主(もしくは渡辺樹庵氏)がこの鶏飯ラーメンに着目してくれたら、結構いいレベルの地麺が完成するかもしれないなーと思ったりもした。高グレードな鶏飯スープで仕上げるとか、濃厚鳥白湯風に仕上げるとかね。ただそうなると我が求める、素朴さを伴う地麺とは違うものになってしまいそうなので難しいところだ。
腹も満たされたので早々にホテルに戻り、ギリギリ大浴場に間に合い汗を流してすっきりした。ハイテンションでこの大きな奄美大島を北から南まで欲張るように移動してしまった。相当に疲れ夜10時前には床に伏し泥のように眠りについた。久々に楽しい時間を過ごせた1日だった。
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