薔薇家系
『名物屋』と『六角家本店』が閉店したという悲報を聞いた。『名物屋』は我の理想とするものに近い、大のお気に入りのラーメン店だった。素朴なラーメンも、老夫婦が営む店の雰囲気も。その割に訪問回数は数えるばかりに終わってしまった。夜のみ営業で帰路とは外れた立地だったから。我が最後に訪問したのは今年の春、大岡川沿いの夜桜見物の後だったなー(「夜桜名物」参照)。店主夫婦が高齢だったので近いうちにこうなってしまうだろう予感はあったけど、それでもこの現実はとても悲しい。
一方の『六角家』は、家系の歴史に名を残す名店。途中で濃厚路線に変わった『吉村家』「直系」と違い、家系発祥当初のスタイルを色濃く残す家系クラッシックスタイルの代表格。だから醤油寄りの豚骨醤油スープの家系ラーメンを我は勝手に「六角家系」と呼んでいるほど。一時は我も豚骨寄りの豚骨醤油スープの「壱六家系」に流れた事もあったが、今はすっかり「六角家系」スタイルを好むようになった。そんな家系の中核を成すような『六角家』本店を失うとは…。
だから今夜は『六角家』が無い六角橋に足を運ぼうかという考えが一瞬頭をよぎったが、他の系統のラーメンを食べても今は味気なく感じてしまうに違いない。頭の中をリセットして会社帰りの帰宅途中、横浜から横須賀線に乗り換え保土ヶ谷駅にやって来た。駅から徒歩1分弱の場所にある夜飲み営業の店『ラーメン情熱の薔薇』へ再訪を試みた。先月末の開店初日に訪問した時(「薔薇夜麺」参照)は筆頭基本の九州系豚骨ラーメンしか提供されていなかったが、最近家系ラーメンも提供しているというのでやって来たのだ。到着したのは夜7時前くらい。入店すると厨房には男の店員1人のみで先客も1人だけ。入口の券売機で食券を購入。その後来客が相次ぎ最終的にほぼ満席になった。繁盛しているのかな?
ラーメン 情熱の薔薇
『情熱のYOKOHAMAラーメン(麺かため)』 690円
目的のメニューを注文。好みは聞かれなかったが麺固めオーダーしたら通った。サイドメニューのてりやきチキン丼も合わせて注文してみた。ほどなく着丼。あれ?丼が筆頭メニューとは異なりちゃんと家系伝統の青磁のものに変わっている。具も家系標準だけど玉ネギのみじん切りが最初から入っていた。卓上には無かった。麺は平打ち中太ストレート。注文通り結構ゴワゴワのかため。そしてスープは醤油寄りの豚骨醤油。クラシックスタイルの家系だ。『六角家』よりも醤油寄りな気がする。厨房は狭いのに安易に工場製スープの「壱六家系」でないのが好感が持てた。なかなか美味いし満足出来た一杯だった。
+『てりやきチキン丼』 300円=990円
続いてサイドメニューのてりやきチキン丼だが、香ばしい焼いた鶏肉とザンギリネギが多めには入ったもの。鶏肉は特に照り焼き感は感じなかったが香ばしい。但し、決定的に量が少ないミニライスレベル。
相変わらず椅子が高くて食べづらいし、店の作りが安普請過ぎるのであまり居心地が良いとは思えないという不満もある。でも今回の家系ラーメンを食べて、この店は意外と店名通りにラーメンに対する情熱はあるのかな?と感じた。準備中の「情熱のTOKUSHIMAラーメン」というのも気になるので再訪するかも知れない。
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