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2015年10月24日 (土)

陸奥古麺

151024irohasyokudou06 ご当地ラーメン空白地帯の宮城県。しかしながら同県大崎市の町外れ、平成の大合併以前は玉造郡と呼ばれた地に存在感を放つ老舗店が存在する。その店の名は『いろは食堂』。明確な創業は判らなかったが、この地で半世紀以上営業しているそうだ。曰く、看板も無く、入口も判らずらいのに日々長蛇の列が生じる。名物おばちゃん店員の鬼の仕切りで完全に客は言いなりに動くしかない、etc…。今は古川駅周辺に支店が出来ているという。

151024minori00 151024minori02 今月二度目になる東北個性派老舗店巡り第二弾。一週間前にチケットは手配した。みどりの窓口で購入したところ、週末パスというものがあり、エリア内乗り降り自由でかなり割安だった。朝8時前東京発のはやぶさに乗り古川で下車。ここで快速リゾートみのりという特別列車に乗り換えた。窓が大きく展望スペースなどもあり快適だったが一駅目の岩手山駅で下車する。時刻は10時半。目的の『いろは食堂』は駅から0.7kmほど離れているので早歩きで10分ほどで到着。店の前にはなるほど看板もなく、木板で造られた年季の入った大きな民家があり入口付近には誰もいない。営業しているのかすら判らない。ただ門は開いている。

151024irohasyokudou05 中に入って大きく回り込むと、既に中には客がいっぱい入っているのが窓から見えた。えっ?開店予定時間の20分も前に到着したのに…。入口の引き戸は閉められており、よっぽど戸を開けて入ろうかと思ったが、前情報でおばちゃん店員の鬼の仕切りを聞いていたので、入口から5mくらい離れた待ち席付近で待っていた。しばらくすると店のロゴが入った青いTシャツを着た短髪で眼鏡かけたおばちゃんが出てきて「今ちょうど満席だから、席が空き次第呼ぶからそこで待ってて下さい!」と言われた。戸を開けないでよかった。しばらくするとどんどん後客が来て長蛇の列になった。しかし開店20分前に到着したのに行列の先頭で待つことになるとは…。食べて駅に戻って11時半発の電車に乗ろうと計画していたがこれでは無理なようだ。ちょうど11時になった時、先客が入口から出て行くのが見えた。直後に例のおばちゃん店員に呼ばれ店内に入れた。中は天井が高く歴史を感じさせる雰囲気があり、川魚を取る漁具と共に、壁には北島三郎のポスターがいくつも貼られている。厨房には男の店員1人と女の店員1人、さらに鬼の仕切りのおばちゃん店員。客席は4人がけ木テーブル2卓と6人がけ木テーブルが2卓、更に座敷に4人がけテーブル3卓。席を指定され言われた通りに着席。注文は聞きに来てくれるまで待つ。しばらくしておばちゃんが注文を取りに来たので口頭で注文。水はセルフで取りに行く。コップは戸棚の中にあり判りづらい。後客が取りに行くのを見てようやく在り処が判った。鬼の仕切りのおばちゃん店員も別に高圧的なわけではなく、座敷席が辛そうな老人客にテーブル席が空いた時に移動を促したり、狭そうな位置に座った客にはテーブルを移動したり、終始冗談交じりの接客なので好印象だった。

151024irohasyokudou02 151024irohasyokudou03 151024irohasyokudou04 151024irohasyokudou01 いろは食堂 本店 『特製いろはらあめん』 900円

グループ単位で順番に作っているようで、着席後更に30分待ちでようやく着丼となった。直前にたくあんの小皿と割り箸が出された。注文したのは揚げた豚肉(パーコー)入りの特製いろはらぁめん。これが予想以上に個性的な一杯だった。麺は平たい細ストレート。自家製麺。具は薬味ネギ、平メンマ数本、そしてグローブのような形をした熱々の揚げたて豚肉。普通の「らあめん」にはこれの代わりに鶏チャーシューがのるらしい。そしてスープなのだが、表面に鶏油が分厚く覆っており熱々!この熱々と揚げたてパーコーの熱の相乗効果で温かい食事をとっている幸せ感が増すのだろう。スープは鶏ガラ出汁と醤油が濃いめの味の輪郭がハッキリしたもので我の好みに合致する。鶏油も好きだしね。パーコーも最後まで熱々で味も食感も良い。全体的にボリュームがある。東北の老舗店としてはかなり異彩を放つ一杯。味濃いめで油たっぷり!ボリュームたっぷり!薄味寄りでさっぱりした和風の食べ物しかなかったであろうこの地域に、こんな迫力のある一杯が出されたら、近隣の、特に若い世代の客は夢中になるのも納得出来る。残念なことに広まりは無かった為地麺とは呼べないけど、宮城の難関老舗店の味を堪能できて大満足。ほぼ完食といってよかった。

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