天天有後
先日久々に池袋に行った時『新京』が出店していて驚いた。我が地麺巡りの情報収集に夢中になっている間、自ずと東京の新店には目もくれなかった。でもその間各地の地麺を代表する店が東京に乗り込んでいたらしい。そんな店が他にもないか調べてみたところ、京都鶏白湯系の老舗『天天有』が大井町に出店していた事がわかった。今年の3月14日にオープンしたばかりらしいけど。集合施設等に出店しているような店を否定するところから我の地麺巡りの旅は始まったのだが、本店訪問を終えた今、一周回って気持ちの余裕を持って接する事が出来るようになったので訪問してみる事にした。
京浜東北線で大井町駅に到着したのは11時前くらい。駅前すぐのところにあるアワーズイン阪急なる飲食店が多く入っているビルの1階に『天天有』大井町店はあった。東京では珍しい阪急系のところだから出店したのかな?綺麗なガラス張りの店舗でメニューのサンプルが展示されている。内装も武士のシルエット等が書かれちょっと『麺屋武蔵』のよう。結構スタイリッシュで本店とは似ても似つかない雰囲気。厨房には男の店員3人と女の店員2人。一列6席と9席のカウンター席が向かい合わせにあり、4人がけテーブル席4卓。先客2人後客3人。口頭で注文。
『鶏白湯』 690円+『炒飯(黒)小』 350円=950円
小炒飯とのセットメニューを注文。麺は四角いストレート中細麺。具は九条ねぎのきざみ、薄切りロースチャーシュー4枚ほど。スープは鶏と野菜を10時間煮込んだものだそうで、甘さを強く感じた。そして豚骨臭に近い独特の匂いがする。更に京都のラーメンといえば黒炒飯。小という事だがそれなりの量がある。黒ダレと九条ねぎが炒められ香ばしい味がする。関東圏の人間からすれば甘口のラーメンというのは違和感を感じるが、そこはそれ、ご当地ラーメンを食べているのだから。炒飯は本当に美味かった。
本日大井町を目的地に選んだのは『天天有』の為だけではない。今度は大井町自体の地麺、『焦がしネギラーメン』を再び味わいたいと前から思っていたのだ。その元祖、昭和31年の老舗『永楽』に到着したのは開店時間6分前。ところが店前には7人の行列が既に出来ていた。開店時には20人強の行列になっていた。待っている間老夫婦が前のおじさんに「これ永楽の行列ですか?」「うん。まだ開店前だからね。」「いつもここ並んでますものねぇ」という老舗の行列店ならではの会話が交わされていた。開店して客が一気に店になだれ込む。瞬く間に全席が埋まり、最初から店外に行列が残る。厨房には男の店員3人とおばちゃん店員2人。厨房周りにL字型カンター9席、2人がけテーブル席2卓と4人がけテーブル席2卓。店内外とも昭和の空間となっている。口頭で注文。
筆頭ラーメンを注文。麺かためで注文したので先客をすっ飛ばして我に提供された。麺は平打麺。かため注文だったけど結構柔らかめ。具はもやしと半味玉、チャーシュー1枚。スープは鶏ガラあっさり醤油スープの表面にタップリの焦がしねぎとネギ油が広がっている。想像より香ばしさ、苦味はあまり感じなかった。でも特徴的な一杯なのでどんどん箸が進む。久々に我が好む老舗の雰囲気、味を味わえて満足出来た。
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