松山昼麺
大街道から市電に乗り大手町という電停で下車する。目の前に伊予鉄の乗り場があるので高浜線に乗り2駅目、衣山という駅で下車する。地元の人みたいに慣れればどうってことないのだろうが、よそ者からするとJR、と伊予鉄、市電と入り乱れ、目的の駅にどう乗り継いでいいのか迷う。わかりづらい。そして衣山という駅は大きな道路と大きなショッピングモールが点在する郊外の街並み。駅から徒歩5分ほどのところにある中央2丁目交差点付近に『松山分校』という、松山でも人気筆頭と言われる久留米ラーメン店がある。今治でもそうだったが、少なくともラーメンに限っては広島、尾道等より久留米ラーメンの影響力が高い気がする。こちらの店主も『大砲ラーメン』に陶酔し、3年間通い続けようやく修行が許され、最後には呼び戻しスープを分けて貰って店を出したという。いろんなものを学んだから『大砲ラーメン』を本校に見立て、自らの店を分校と称しているのだそうだ。店に近づくに連れ猛烈な豚骨臭が漂ってくる。早速暖簾を割り入店。厨房には男の店員4人と女の店員2人。厨房前に一列のカウンター席6席、4人がけテーブル席2卓、座敷に4人がけテーブルが2卓。先客9人後客は10人以上。口頭で注文。
『分校ラーメン(麺かた・ラード多め)』 680円+『焼き飯セット』 200円
通常のラーメンは「まろやか系」と書かれてあり、屋号を冠する「分校ラーメン」の方は「評判こってり系」と書かれていた。『大砲ラーメン』でいう通常のラーメンと昔ラーメンと同じ分け方なのだろう。麺のかたさだけではなく、スープの味(あまくち/からくち)、ラードの量(なし/少なめ/多め)が選べる。いつもの家系のパターンと一緒の好みで注文。高菜入のミニチャーハンセットにした。出てきたラーメンを見て「あー大砲ラーメンってこうだったなー」と思った。忠実かそれ以上の再現度。これは好きな人にはたまらないだろう。豚骨スープが腹に染みわたる感じがした。チャーハンも高菜があまり主張をせず、奥ゆかしく味わいを出しているところが好感が持てた。パラパラで美味かった。大満足。
今回この市街地から離れた場所に来たのは、実は『松山分校』が目的ではなく、真の目的は次の訪問店だ。しまなみ街道の中にある伯方島。全国的に有名な「伯方の塩」が名産だ。現地ではその塩を使ったラーメン店があるという。昭和46年創業という『三和食堂』という店だ。今回の愛媛遠征の計画を練る段階で訪問するか悩んだ経緯がある。どうやっても時間的ロスが大きすぎるので泣く泣く切り捨てた。ところがその支店がこの交差点付近にあるのだ。『松山分校』を出て交差点の斜め反対側に向かう。あっ見つけた!無事営業中の札が出ている!この支店は不定休というから心配していたのだ。早速入店。店内はちょっと暗く雑然としていて狭い。どことなく飲み屋の雰囲気。厨房には親父が一人。厨房周りにL字型カウンター8席に座敷に4人がけテーブル1卓。先客1人後客3人。後客は裏口から入ってきてビックリした。口頭で注文。
『伯方の塩ラーメン』 580円
ラーメンだけではなく、たくさんのメニューがあったが、我はもちろん筆頭メニュー以外視界に入らない。麺は柔らかめに茹でられたストレート細麺。具は青ネギの小分け切り、メンマ、細切り昆布、す巻き1枚、海苔1枚、味濃いめのチャーシュー2枚。うーん、残念ながら普通の塩ラーメンの域を出ていないなぁというのが正直な感想。昆布のせいか、海の感じは良く出ていたと思う。あっさりしていて間髪入れずの2杯目でも全然苦ではなかった。
再び衣山駅に戻り伊予鉄に乗り次の駅、古町で市電に乗り換え2駅目でJR松山駅に到着。何だこのアクセスの悪さは。時刻は13時10分前くらい。14時半発の飛行機に乗らなくては行けないので、ちょっと早いけど空港に向かう事にした。今更どこも行けないよ。駅前のバスターミナルにいるとすぐにリムジンバスがやってきたので乗り込む。15分弱で空港に到着。一六タルトなどの土産物を買い飛行機に乗り込む。1時くらいまで松山駅前にいたのに、17時半には家に着いていた。すげーな飛行機は。と改めて思った。
前回の高知遠征に続いて今回も満足度の高い旅になった。目的の店も『北山軒』以外は全部訪問が叶ったし、諦めていた『こきんや』にも訪問出来たし、高知城はこれ以上無いと思うくらいの好天の中訪問出来たし。翌日疲れがどっと出てしまったけど。
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