松山夜麺
約2年半ほど前、松山を代表する地麺『瓢系』を体感する為、瓢系の元祖といわれる『瓢太』、代表店格の『瓢華』の2店を訪問した。満足しているんだけど、松山には『瓢箪』というそのままストレートな屋号を冠する店があるというので気になっていた。瓢系なのかそうでないのかは不明。そんな店が道後温泉からほど近いところにあるというので足を伸ばしてみることにした。とはいえ結構な距離がある。更に夜。周りは完全に住宅街。アプリが示す地図だけが頼り。こんな所に店があるのかと疑った。そして進んでいくと…ただの民家があるだけだった。なので今度は食べログサイトから地図を検索。するとかなり大回りしないと行けないドン突きにあるらしい。ホントこういったタブレット端末がないと行けないような店だ。ようやく辿り着いた店は思いっきりプレハブ。引き戸を開け入ってみると…中に屋台があった。長椅子がコの字型に配置されている。先代の引いていた屋台をそのまま利用しているらしい。厨房には中年店主一人。屋台のまんまの厨房周りに長椅子が4つ、4人がけテーブル席が別に1卓。先客7人後客ゼロ。夜7時から3時までの営業なので完全に屋台だ。地元の人達の方言による会話が生々しくて面白かった。
ラーメン店というより本当に屋台。おでんがメインなのかな?でも中華そばが筆頭メニューになっていた。見た目は以前食べた瓢系に近いようだが…。麺は細麺ストレート。具は青ネギの小分け切り、もやし、ナルト1枚、ほとんど脂身のみの小チャーシュー。スープは…こちらの醤油なので確かに甘いが、過去食べた瓢系の記憶より甘くないな。でも昔からある松山の中華そばを堪能出来た。
それから踵に靴ズレで血が出て痛いわ、急に腹が下るわで急いでホテルに戻った。足もパンパンだし。本日は強制終了してベッドに潜り込んだ。まだ夜10時になっていない時間だったと思う。ホテルは繁華街にある為、喧騒が五月蝿かったのだが、それをものともせず深い眠りに落ちた。
目が覚めたのは翌日の4時くらい。本当はこのホテルの近くにある夜のみ営業の老舗店『北山軒』を狙っていたのだが、営業は4時までだからもう間に合わないなぁ。でもダメ元で行ってみるかと着替えてまだ暗い外に出てみた。一応『北山軒』に行ってみると暖簾がかかっているではないか!
少し中の様子を伺うと…誰もいない。卓上にビニール袋が転がってるし、とても営業している感じでは無かった。それはそうだよな。で、せっかく出てきたのだから早めの朝食がわりに何か食べていくかと徘徊すると、結構まだラーメン店は開いているところがある。選択肢があるレベル。さすがは金曜の夜だ。でもせっかくだからご当地っぽいものが食べたいなぁと探していると「瀬戸内らーめん」という文字を掲げる店を発見。屋号は『あずま家』となっている。朝5時まで営業しているという。まだ40分くらいあるではないか。ここにしよう。早速入店。厨房には男の店員2人。L字型カウンター12席と2人がけテーブル席1卓、6人がけテーブル席1卓。前後客ゼロ。口頭で注文。壁には支店が出来るみたいな事が書いてあった。
『こってり醤油らーめん』 680円
何も考えず一番人気と書かれた筆頭メニューを注文。出てきた一杯は往年の渡辺樹庵系のようにも見える現代っぽい一杯。地麺遠征先で食べたから、現代っぽいなんて表現になってしまうよ。鶏ガラ豚骨醤油ベースなんだろうけど、完全に節系が強く出ている。麺はシコシコした中細ストレート。具は青ネギのきざみにメンマ、海苔1枚、炙りチャーシュー1枚。味は濃かったけど口当たりはよくあっさりしている。十分に美味しかった。美味しかったけど、我の求めるものとは違うので複雑な心境だが、半分寝ぼけていたし、美味しい朝飯だべられたと思って良しとしよう。
ホテルに戻り最上階の大浴場に入浴。昨夜は道後温泉に浸かっただけでホテルに帰ってそのまま寝てしまったからな。ここのホテルは嘘かホントか知らないが、6km先の道後温泉からパイプでお湯を引いているのだそうだ。だからこのホテルを選んだんだけど。体の芯まで温まるつもりで長湯をした。よくマッサージもしてリラックスが出来た。
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