二郎系飽
大雪後初の出勤。相変わらず路上には多くの雪が残り、そこかしこで路面が凍結していて危ない事この上ない。電車は普通に動いているものの、バスは動いておらず、自転車やバイク通勤している人もこれでは最寄り駅まで歩いていかざるをえない。難儀な事である。そして明日は祭日で飛び石連休だというのに、行きも帰りも電車は満員。みんな頑張るなぁ。もちろん自分もその一人。誰も言ってくれないので自分で言うしかない…。
明日は休みという事もあり月曜だが新店開拓。菊名から東横線に乗り換え日吉へ。場所は例の移り変わりが激しいあの店舗だ。我が知っているのは2006年の『マンモスラーメンポクポクポクチン』から。そこから改めて数える気もないが、もうそろそろ二桁くらいにはなってしまうのではないか?以前この店は『日吉で一番ウマいのはあびすけさんだと思うので、当店営業時間外はぜひともあびすけさんをご利用下さい。』という、他店の宣伝を屋号でしてしまったという前代未聞の店だった。肝心のラーメン自体の印象は残っていないという始末。そして今月4日にオープンした今回の店はオーナーは変わらず屋号もメニューも変えリニューアルだという。今回の店の屋号は『ガッツリラーメンそれは私のおいなりさんだ』という支離滅裂なもの。で二郎系のラーメンを出す店らしい。噂では有名ラーメンプロデューサー渡辺樹庵氏が関わっているという。この人も我の中では「魚介豚骨ラーメンを広めた人」という認識しか持っておらず、今この人がどういうカラーを持っているのかもよく知らない。それは我がご当地ラーメンが興味の中心にあり、現在の東京ラーメンの新店には全く興味を示していないからだと思うけど。
とりあえず入店してみる。店入口脇に券売機があり内はこれまでの店と一緒で内装は黒でL字型カウンター11席。厨房にはいかにもバイトと思われる学生のような若い男が3人。
『ラーメン並(ニンニク・ヤサイ増し)』 700円
基本のラーメンを注文。並で250gだそうだ。食券を渡した時に無料トッピングを聞かれる。味の濃さは卓上のタレでセルフ調整になるようだ。径が大きく底の浅い皿のような丼で着丼。この丼は二郎系にはいいね。天地返しが楽だ。麺は極太縮れ麺。スープを吸ったのかこげ茶色に染まっている。巻きバラチャーシューが1枚入っている。質は悪くないと思うが豚の塊が二郎らしさだと思うのでこれは魅力半減。よくある二郎インスパイア系というヤツだ。でヤサイなのだが茹で方が明らかに足りない。その上ごついキャベツの芯がブロックになって入っていた。こういうところにバイト店員の手際が感じられる。この『あびすけ』系の店員は揃いも揃ってだいたい若い学生バイトを使っている。ここのオーナーは何故か知らないが、修行経験のあるような他店の色を持つ人を嫌っているのだろうか?ともかく人を喰ったようなユーモアセンスの持ち主らしい事は伺えるので、職人的な事は期待できない感じ。ここの看板である「おいなりさん入」のラーメンは、店主が気が向いた時にしか出さないのだという。なので普段はそこら辺によくある二郎インスパイア系の店のひとつという事になる。もうそろそろ二郎系は飽和状態なんじゃないのか?一時期魚介豚骨つけめんの店に遭遇した時と同じ「またか…」という感想しか沸かない。しかもここ日吉駅前はいくら学生街とはいえ、『ラーメンどん』や『肉を喰らえ!』が至近距離にあるのでかぶり過ぎ。本家二郎が出店してくるのなら別だが、二郎系は他店と差別化出来るほど特徴を持っている事は稀なので、モロかぶりなになるのだ。だったら「おいなりさん」を普段から出して差別化すればいいのに。…と言ってもここのオーナーはどうもまともにラーメン業をビジネスとしても考えていない気がする。そういうのが好きな人がいるのは否定はしない。ただ個人的に好きにはなれない。
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