東京背脂
久々に背脂チャッチャが食べたいなぁと思った。二昔前くらいは至る所にチープな背脂チャッチャ系の店があったものだが、今はほとんど見かけない。特に神奈川県下では何故か定着せず絶滅危惧種と言っていいのではないか。それが現在二郎系にとって代わっているというのが現状。でも我は背脂チャッチャが好き。あの体に悪そうで罪悪感がつきまとうワイルド感とコテコテ感。背脂の甘さと醤油のしょっぱさが綯い交ぜになった味わい。二郎系とは似て非なる旨さがあったと思うのだが、何故定着しなかったのだろうか?
昨年末仕事納めの日の帰りに池袋『土佐っ子ラーメン』、ときわ台『下頭橋ラーメン』を訪問して以来の背脂チャッチャ訪問ツアーを本日決行し久々多摩川を超える。朝8時過ぎに家を出てまずは横浜から東海道線で品川に出て山手線に乗り換え代々木から更に総武線に乗り換え千駄ヶ谷駅で下車した。東京体育館が駅前にある。秋空の下、銀杏並木の黄色が映えるなぁ。その東京体育館を回りこんで環七へ降りる。駅から徒歩10分ほどで最初の目的店『ホープ軒千駄ヶ谷本店』だ。昭和35年屋台から始まった老舗だ。店主の牛久保氏は豚骨を煮立たせたスープの上に背脂を浮かせる手法の発案者。背脂チャッチャの創始者と言える。昭和50年この千駄ヶ谷で店舗を構え24時間営業を続けている。4階建ての店舗は2階と3階はカウンター席スペースだが、1階は屋台時代の雰囲気を継承する立ち食いスタイル。券売機で食券を買いそのまま立ち食いスペースへ。厨房には男の店員2人。先客5人後客1人。向かいの国立競技場前ではなにやら人が大勢集まっていた。それを眺めながらラーメンが出来上がるのを待った。
『ラーメン(脂多め)』 700円
基本のラーメンを脂多め指定。麺は自家製中太縮れ麺。具はメンマともやし、巻きバラチャーシュー1枚。卓上のザルから薬味ネギ入れ放題。スープは豚骨醤油。臭みと言っていい豚骨臭もかなり感じる。その上に強烈な背脂。表面にはラード層が張る。ちぢれ太麺に絡みつくほどのギドギド感。脂多め指定の面目躍如だ。久々にこのタイプのラーメンと対面する事が出来た。満足の旨い一杯。何でこのスタイルが廃れてしまっているのか理解出来ない。
再び千駄ヶ谷駅まで戻り新宿駅で山手線に乗り換え高田馬場駅で西武新宿線各駅停車に乗り換えた。西武新宿線に乗ると完全にアウェー感を感じる。沼袋で急行2本待ちしてようやく野方駅で下車。環七に出て南下し徒歩約10分ほどで目的店『野方ホープ』野方本店に辿り着いたのは開店予定時刻3分前。既に1人店前で待っていたのでその後ろに着いた。この『野方ホープ』は創業昭和63年。『ホープ軒』とは無関係で、もう一方の背脂チャッチャの雄、『土佐っ子ラーメン』ときわ台の店主を務めていた人が開業し、今や都内で6店舗展開しているという。時間ぴったりに暖簾がかかって入店した。厨房には男の店員3人。L字型カウンター11席のみと狭い店内。すぐ後客4人が来店した。口頭で注文。
『野方ホープラーメン(こてこて)』 720円
筆頭基本のラーメンを注文。脂の量が選べるのでMAXの「こてこて」で注文。もちもちした食感のちぢれ太麺。具は薬味ネギ。メンマ、海苔1枚、チャーシュー2枚。スープは先の『ホープ軒』より醤油ダレが強めに出ていて味濃いめ。こてこて指定の背脂の量が強くてスープが液体になっておらず咀嚼する感じ。東京では背脂チャッチャ系、いまだ健在で良かった。我が横浜でも復活してくれないものかと思う。
背脂多めの連食はやはり胃もたれを起こしはじめた。バスで高円寺駅前まで移動。懐かしの高円寺駅周辺をグルッとまわった後電車に乗り帰路に着いた。横浜には13時前には到着する事が出来た。
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