八字終焉
先月6日に約7年ぶりの再訪を果たした磯子産業道路沿いの老舗店『八の字屋』。この店が今月25日をもって閉店してしまうという驚きの知らせを聞いた。驚きと寂しい気持ちが自分の中に沸き上がってきた。過去2度しか訪問していない店なのに、自分でも意外なのだが、結構存在は大きかったのだろう。これからもう二度と食べられなくなってしまう。そう考えたら今週末三度目にして最後の訪問を計画していた。
本日は朝から雲ひとつ無い好天に恵まれた。最寄り駅から根岸線に乗り磯子へと向かう。駅東口の陸橋を渡って真っ直ぐな産業道路沿いにひたすら歩を進める。なかなか店は現れない。まだかよーとか思った頃に黄色いテント屋根の店がようやく遠くに見えてきた。開店予定時刻を10分ほど過ぎたあたりだ。当然開店しているだろうと思って店の前に到着してみると何やら様子がおかしい。シャッターが閉まったままなのだ。入口脇の札も「お休み中」になっている。えー!まさか閉店を早めたのか?と思ったら入口は開いていて、客席には客が座っているではないか。店内はまだ暗いが入店を試みた。7割方の席は既に埋まっていたので、空いていた席に座る。厨房には老店主夫婦二人。しかし先客分のラーメンを作るのに集中して、なかなか注文する事を許されない。その間にシャッターは上げられ、後客も続々来店し店外には行列が発生。客のほとんどが作業服着用。この辺りはモロ工場地帯だからなぁ。この味に親しんできた人達も大勢いて別れを惜しみにきたのだろう。ようやく注文を聞かれて口頭で注文。
『のりラーメン(麺かため)』 700円
家系には系列ごとに看板トッピングメニューを持っている場合がある。『千家』系は豆板醤を絡めた白髭ネギ、『川崎家』系は茎わかめ、『中島家』&『とんぱた亭』系はキャベツ等。そしてここ『八の字屋』では香り重視の寿司海苔を使い、八枚の海苔が花びらのように配置された海苔なのだ。初訪問時と同じメニューでお別れの一杯とする。鶏油がビンビンに効いたあっさりした醤油ラーメン。出汁がいい塩梅の味わいを醸し出している。家系発祥の磯子区にあった異端の家系ラーメン店。未だに似た店は遭遇していない(元店員が対立して近くに開いた『くい亭』はあったが既に閉店)。記憶に焼き付けるべく汁一滴残さず完食し料金を払い店を出た。外にはまだ客が列をなしていた。磯子駅東口の産業道路沿いを歩く事も今後無いんだろうな。そんな事を思いながら駅まで戻った。
今度は駅西口に出て新杉田方面に歩く。10月6日の『八の字屋』再訪時、臨休をくらって連食出来なかったリベンジとして『磯子家』へ向かう。1ヶ月ぶりと短いスパンでの再訪となる。磯子区の異端の家系の中でも両極端だったあっさり味の『八の字屋』と背脂こってりの『磯子家』を連食するなんてのも、このチャンスを逃したら2度と出来ないので実現する為にやって来た。本日は無事開店していた。厨房には中年男の店主1人のみ。先客2人後客2人。口頭で注文。料金先払い。
『ラーメン(背脂入り・麺かため)』 600円
前回訪問時、好みMAX注文してしまった為こってり感が強すぎ何だかわからなくなってしまったので、今回は麺かためのみリクエスト。もちろん背脂は必須。いい感じの背脂加減。そして味とまろやかさ。それにしても『八の字屋』とのギャップが凄すぎる。このギャップ感を味わいたかったので非常に満足だ。
一度横浜に出て買い物をしてから帰宅した。






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