秋湯河原
昨日の天気予報では今日は前半は晴天で午後から崩れてくるというものだったので、今日は横浜市を飛び出し湯河原まで足を伸ばしてみる事にしていた。湯河原は意外とラーメン店が多数ある地域で、『飯田商店』を筆頭に新進気鋭の店の出店も相次いでいる。しかし今日は西湘地区を代表する地ラーメン、小田原ラーメンに焦点を絞って食べ歩く予定。11時15分前くらいに湯河原に到着。予報とは違い空は今にも雨が降りそうなどんよりした雲に覆われている。と思っているとポツポツ降ってきたよ。急いで最初の目的店『国味ラーメン』の暖簾を割る。この店は小田原ラーメンの元祖とも言われる『味の大西』湯河原店で長年働いていた人が独立して出来たと言われる店。原初に近い小田原ラーメンを味わえるという。白く清潔感を感じる懐かしい感じもする食堂だ。厨房にはおじさん店主1人とおばさん店員2人。厨房前に一列のカウンター7席と2人がけテーブル席1卓と4人がけテーブル席5卓。開店とほぼ同時に入店したが先客2人。後客は続々と5人来店。いずれも地元の人達と思われる。地元の支持の高さに期待値が上がる。口頭で注文。外では雨脚が強まっていた。
筆頭基本メニューを注文。かつ丼などのメニューもある。小田原ラーメン最大の特徴であるピロピロに縮れた平打麺。具は薬味ネギ、メンマ、ナルト1枚、チャーシュー1枚、肉厚チャーシュー1枚。醤油スープは和歌山ラーメン並に豚骨臭が強いそして表面がラードに覆われている。小田原ラーメンってこんなにワイルドだったんだ。小田原ラーメンとしては具はおとなしめだなとは思ったが、麺量はとても多い。普通の店のラーメン大盛り以上のボリュームはある。何とか食べきる事が出来た。店を出ると先ほどまでの雨は止んでいた。
表通りに向かい徒歩1分ほどで次の目的店へ到着。『しあわせ中華そば食堂にこり』だ。以前は『ラーメンガキ大将』湯河原店というラーメンショップ系の支店だったらしいが、今年6月1日フランチャイズを抜け独立、屋号を変えて全面リニューアルオープンを果たし、メニューは小田原ラーメンをメインに据えた地元密着型に変更された。今度は最新の小田原ラーメンが味わえるというわけだ。先の『国味ラーメン』で胃袋容量が既に危険水域に達していたが、間髪入れずに入店した。焦げ茶色の木材で構成された温かみのある店内。厨房には男の店主と女店員3人。厨房前に一列のカウンター席が3席と4席。4人がけテーブル席が3卓、座敷に6人がけテーブルが3卓。先客14人後客8人とかなり繁盛している感じ。口頭で注文。先客が多い為着丼まで20分以上かかった。
店主おすすめの筆頭メニューは「チャーシューそば」になっていたが、胃袋と相談し基本メニューにしておいた。麺は小田原系ピロピロ中太平打縮れ麺。具は薬味ネギ、水菜、細切りメンマ、小さなナルト1枚、チャーシュー2枚、三角海苔1枚。スープは真っ黒で表面のラード層が厚いが味はまろやか。麺量も普通の量で現代サイズにそぎ落とした小田原ラーメン。なかなか美味しく不満はない。何より新たに地麺の伝統を継承しようという姿勢が素晴らしい。
再び駅の方に戻り駅前を通り過ぎ反対側にちょっと歩く。最後になってしまったが、本日最大の目的店、昭和28年創業、小田原ラーメンのパイオニア、『味の大西』湯河原本店への再訪を試みる。ここへは6年半前に一度だけ訪問したことがあるので、久々の再訪だ。早速入店。昭和の匂いを強く感じるちょっと雑な感じの温泉場のラーメン店という雰囲気。店内は広いのだがテーブル席が10席以上ありよく数えられなかった。奥には座敷がありそちらにもテーブル席が多数あった。合計100席近くあったかな?ほぼテーブル席はすべて埋まっていたので、自ずと厨房周りのカウンター9席の空いているところに座った。このカウンター席に座った事により厨房内の修羅場を見る事になってしまった。人当たりの良い店主とおばちゃん、男の店員1人なのだが、おばちゃんと男の店員が言い争いとなって「もう喋らない!」とか始めてしまった。接客は非常にフレンドリーなのでギャップを感じてしまった。口頭で注文。
基本のラーメンを注文したのだが、先の厨房内トラブルで注文飛ばしの被害を受けた。その後、お詫びの言葉とチャーシュー大きめ投入などフォローがあったので不問にした。麺は今までの麺より細い、中細ちぢれ麺使用。具は薬味ネギ、メンマ、海苔1枚、大ぶりのチャーシュー1枚。塩分をやや強く感じるあっさり醤油スープ。これが本家本元の小田原ラーメンなんだな。絶える事無く味を継承していって欲しいものだ。
駅に戻ったら電車はいったばかりで20分以上待つことになった。満腹だったので電車の中で爆睡。横浜で買い物をしてから家路についた。
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