富山黒麺
3年前訪問した富山での心残り。それは富山ブラックの元祖と言われる『西町大喜』の西町本店が臨時休業だったので訪問が叶わなかった事だ。その頃はまさか再訪する機会が訪れるとは思っていなかったので、一期一会と切り捨てていた。なので富山に再訪するのなら『西町大喜』本店詣では欠かせなかった。高岡から4駅で富山に戻って来た。今夜はこの富山駅近くで宿泊するのでそんなに急ぐ必要はないのだが、まず目的はそこだ。富山駅は北陸新幹線開通に向けて大工事中。改札から外に出るまで時間がかかった。路面電車に乗り西町へ向かう。場所は3年前の記憶が残っているのですぐ判った。暖簾がかかっている事が嬉しい。早速その暖簾を割る。厨房に男の店員1人。平日夕方だからとは言え先客が誰もいない。一列12席のカウンター席が背中合わせで2本。誰かの日本絵が多数飾られている。今まで市役所やら喫茶店やら商工会議所等を回っていたので、こういう店に来ると気分が高揚すると同時に安心感も感じた。口頭で注文。
『中華そば 小(麺かため)』 700円
スープの濃さと麺のかたさを選べるようだったので麺かため注文。「通常でもかためなのでかなりかためになりますけど良いですか?」と聞かれた。それでOK。あまり待たずに着丼。麺は四角い太麺ストレート。スープが染み込み茶色になっている。荒切り葱と、岩塩かと思うくらい塩っ辛い味付けメンマ、チャーシューが多めに入っている。そして粗挽き黒胡椒。今まで貧弱な町おこし系ラーメンが続いていたので、かなり口の中に衝撃が走った。しかもご当地ラーメンの中でもハードパンチャーである「富山ブラック」、その元祖のものだからより一層強烈だ。壁に食べ方指南が書かれているのでそれに従って食べる。とにかくよく混ぜるのだそうだ。歯ごたえが楽しくなるばかりではないく、しょっぱさも緩和された気がする。このジャンク感。食べ慣れない「富山ブラック」ながらこの満足感。これぞラーメンの魅力だ。「富山ブラック」は色が黒いから評判になっている訳では決してないんだよと、町おこし計画を立てた人達に言いたい。
路面電車に乗り再び富山駅前に戻って来た。ホテルにチェックインしてしまおうかと思ったが、また駅までやって来るのが面倒なのでこのまま電車に乗ってしまう事にした。目的は「富山ブラック」を全国区の知名度に押し上げた立役者『麺家いろは』の射水本店を訪問する為だ。様々なラーメン集合施設に出店して評判になっている。我も何度かそういう店で食べているが、ラーメン集合施設に否定的なので味の面もそれなりの感想しか感じていなかった。それでも先に言った「富山ブラック」の知名度を高めた功績は評価出来る。本格的な店舗、そして本店を訪問したくてわざわざ電車に乗り3駅目、小杉駅で下車。夕方6時を過ぎるとこの時期はすっかり日没後。観光地でもない見知らぬ田舎町の暗い道を歩くのは久々で、食べ歩きをしているなぁと実感する。駅から徒歩20分ほどでようやく辿り着いた。男の店員1人と女の店員2人。一列10席のカウンター席と4人がけテーブル4卓、座敷に4人がけテーブル2卓と6人がけテーブル2卓。前後客ゼロ。口頭で注文。
『ブラックらーめん』 750円
看板筆頭基本メニューを注文。麺は平打気味のツルツルした食感。中太ストレート。具は薬味ネギ、メンマ、海苔1枚、脂身の多いチャーシュー2枚。最初から胡椒がかかっているのは同じだけど、先の『西町大喜』とは様相が違う。しょっぱさはほとんど感じない。こちらは魚醤の独特の味がする。ラーメンの方向性がそもそも違う気がする。
富山ブラックの連食はかなり応えた。満月が浮かぶ中駅への道を歩いた。駅に着いたらなんと次の電車まで30分待ち。日中暑い中結構歩き回ったのでへたばった。ホテルに着いて大浴場に入り疲れを癒し深い眠りに落ちた。
遠征お疲れ様です。
大喜の西町本店、行かれたのですね! 富山ブラックという小洒落たジャンルは大喜には似合わないですが、ま、元祖は元祖ですね。
「いろは」は大喜とは全く関係が無いというか、別の食べ物ですね。大喜の正統派系列としては奥田ビルの喜八がそうです(前回に行かれた気がしますが)。
今度、富山に帰省したら久しぶりに大喜で食べたいと思います。
投稿: primex64 | 2013年10月 1日 (火) 11時57分
primex64様、コメントありがとうございました。 そして前回コメント返し出来ず失礼致しました。
ようやく大喜本店に訪問する事が出来ました。ブランクがあいてしまったので、駅前店との味の比較は出来なかったのですが、パワフルな一杯で地麺巡りの醍醐味を味わう事が出来ました。混ぜて食べるという食べ方を知ったのは大きな収穫です。食感と共に美味しさもアップですね!富山駅前もそうですが、大喜本店の対面のビルも取り壊されていました。富山周辺の風景も変わってしまうのかも知れません。
投稿: いぬ吉 | 2013年10月 1日 (火) 21時39分