カテゴリー

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« 黒琥基本 | トップページ | 釧路湿原 »

2013年8月30日 (金)

釧路地麺

我は本日から夏休み!酷暑の中で毎日休まず通勤したんだもの。待ち望んでいた長期休暇だ。もちろん未訪問の地麺巡りがメインの旅。

47都道府県訪問達成したが地麺巡りの旅はもう少しだけ続く。かつて新横浜ラーメン博物館ではご当地ラーメンとは別に郷土ラーメンとして28種類の地ラーメンを紹介していた。地麺巡りをするようになった当初から「この28種類のラーメンは現地を訪問して食べるぞ!」と意気込んだものだ。そして今や残されたのはとうとう1種のみ。それは北海道、釧路ラーメンだ。釧路ラーメンと名乗る店は首都圏近郊でもあまり聞いた事はなく過去食べた記憶がない。鰹出汁を使ったあっさりスープに、ちぢれ細麺を合わせたものだという。縮れ細麺になった理由は北海漁業の漁師達に早く熱々の一杯を食べさせる為になったというロマンを感じる話もある。実際は、旭川・札幌・函館の北海道三大ラーメンに続けとばかりに第四の北海道ラーメンとして町おこし目的でアピールしたという側面が強いように思う。それでも昔からあった地ラーメンであることは確かのようだ。

Dscf5960 朝6時に家を出て羽田空港に7時10分頃到着。7時40分発の釧路行きの飛行機に乗り、たんちょう釧路空港に到着したのは朝9時20分だった。残念な事に雨が降っている。そのせいもあってか気温は何と14度。関東では32度だったので18度差だ。それでも半袖で十分活動出来た。それは今回の旅は食べ歩きではなく、車を使う事になっているからだ。道東地区と言っても関東地方とほぼ同じ面積がある為、車が無いと話にならない。空港からレンタカー事務所に行き車を借りる手続きをしていよいよ出発となった。我の目的はあくまでも地麺巡りなので、早速最初の目的店をカーナビにセットする。北海道で初めてのドライブ出発だ。でも何だかんだ信号に足止めをくらったり、渋滞にはまったりと、当初想像していたような「地平線に続く真っ直ぐな道路」とはかけ離れた現実を突きつけられた。それもそのはず釧路市中心部に向かっているからだ。最初の店は釧路ラーメンを代表する昭和34年創業の老舗『まるひら』。空港から市の中央部を抜け釧路川を超えた郊外にある。実に空港から1時間かかった。それでもまだ朝10時半。でも目的の店は朝9時半から営業しているので既に暖簾はかかっていた。我のような食べ歩きで来る者にとってはとてもありがたい。老舗のはずだが店舗は新しい。入店すると厨房にはおっちゃんとおばちゃんの2人。後から若い男の店員1人がやってきた。コの字型カウンター7席と、2人がけテーブル席1卓、4人がけテーブル席1卓、座敷に4人がけテーブル2卓。先客6人後客5人。口頭で注文。

Maruhira00 Maruhira01 ラーメンまるひら 『ラーメン(正油)』 600円

メニューは正油と塩の二つのみ。それぞれ大盛りと特大があるだけ。麺は縮れ細麺。具は薬味ネギ、細切りメンマ、海苔1枚、脂身の少ないサッパリチャーシュー2枚。スープは確かに鰹出汁が効いていて酸味を感じる蕎麦を彷彿させるものだった。それでいて表面には油分も浮いているので、あっさりだけではない。「ラーメンを食べたい」という欲求を満たしてくれる。いやーなかなか素朴で美味しい一杯。釧路ラーメンの最初の一杯がこの店で良かった。朝いつもどおりの時間に家を出て、10時半くらいに現地で釧路ラーメンを食べている、という事に不思議な感動を覚えた。

続いては釧路市から出て北上し釧路郡釧路町に突入。2店目は『ラーメン館 秀航園(しゅうこうえん)』へと向かう。先の『まるひら』と並び釧路ラーメンを代表する店だと言われている。ここで修行した人が独立した例も多く「秀航園系」という系統も生んでいるという。以前は武佐という所に本店があったが平成18年に閉店してしまい、桂木にあった支店が本店となったようだ。こちらも朝10時から営業しているのでありがたい。早速入店。入口に券売機。店内は屋号通り船のイメージがされたウッドな内装だ。厨房には男の店員3人と女の店員2人。厨房周りにL字型カウンター13席、4人がけテーブル席1卓、座敷に6人がけテーブル席2卓。前後客無し。

Syuukouenhonten00 Syuukouenhonten01 ラーメン館 秀航園 桂木本店

『正油ラーメン』 650円

筆頭基本メニューを注文。麺はやわかめに茹でられたちぢれ細麺。具は薬味ネギ、細切りメンマ、ナルト1枚、海苔1枚、チャーシュー2枚。こちらは魚介風味は弱く、淡い醤油味のスープ。チャーシューの味がしっかりしていてトロトロで柔らかく美味しい。チャーシューを引き立たせる為にスープを淡口にしているのかと思ってしまった。釧路ラーメンも決まったスタイルだけではない事が判った。

続いて3店目は『秀航園』から同じ町内だが1kmくらい離れている『むかし屋』という店を選択。2006年創業と歴史は浅いものの、若い店主が進んで釧路の伝統を引き継ぐラーメン作りをしているという。ご当地ラーメンを応援したい我としては、こういう店は捨て置けないのだ。到着時まだ暖簾は出ておらず3分くらい待った。店主の奥さんらしき人が暖簾を出した直後に入店。本日最初の客となった。内装は白で統一されていて新しい。調べたら今年移転したようだ。店厨房にはおそらく店主夫婦と思しき男女2人。壁向かいに一列4席のカウンター席と窓向かいにL字型カウンター6席。座敷に4人がけテーブル席3卓。厨房周りにL字型カウンター13席。4人がけテーブル席2卓。後客5人。年配の客が多かった。口頭で注文。

Ramenmukashiya00 Ramenmukashiya01 らーめん むかし屋

『しょうゆらーめん』 600円

筆頭基本メニューを注文。見た目からして美しい一杯。麺は平打ちぢれ細麺。具は薬味ネギ、細切りメンマ、海苔1枚、さっぱりしたチャーシュー2切れ。あっこちらは『まるひら』同様鰹の出汁が効いたやさしい一杯。あっさりだけどコクもあり十分満足感を得られた一杯だった。

午前中だけで立て続けに3杯の釧路ラーメンを堪能したので、午後は釧路観光がメインとなる。釧路湿原へとひた走る。それは別途「釧路湿原」にまとめる。釧路湿原を堪能した後、釧路中心部にあるホテルへチェックイン。1時間ほど休んだ後すぐ再出撃した。これからは歩いて釧路市内を散策する。

まずは昭和10年創業、元祖釧路ラーメンの店とも言われる『銀水』へ向かう。ごく最近になって移転したというので真新しい店舗だ。厨房には初老の店主とおばさんの2人。厨房周りに一列のカウンター3席。2人がけテーブル席1卓、4人がけテーブル3卓、6人がけテーブル1卓。先客2人後客2人。口頭で注文。

Ginsui00 Ginsui01 ラーメン専門店 銀水

『醤油ラーメン』 630円

筆頭基本メニュー注文。味噌、塩、ピリ辛等もあるが釧路ラーメンは醤油ラーメンだ。麺は自家製の縮れ麺。具は薬味ネギ、細切りネギ、さっぱりチャーシュー2枚。あれっ?こちらも魚介出汁はおとなしめでオーソドックスな中華そば。このあっさり軽く食べられる感覚がこの地で好まれる理由かな。満足。

その後ぶらぶらと釧路駅の方まで散歩した。せっかく釧路に来たのだから、ラーメンばかりではなく海産物も食べておこうと思い、釧路和商市場に立ち寄るこちらの名物「勝手丼」というのを食してみる事にした。まずご飯を買い(サイズは色々選べる)、好きなネタを市場から選んで勝手にのせて食すというもの。我は連食しているのでご飯も少なめを選択し、サーモン、中トロ、いくらの醤油漬け、甘エビ、カニの爪などを選択。なんかおばちゃんがサービスで付けてもらったものもある。ちょうど1000円だった。

Dscf6081 久々に鮮魚を食べたので美味しく感じた。でも正直言えば1000円であるならばイクラがたっぷりのったイクラ丼を食べた方が良かったかなという気はした。それに丼が使い捨ての発泡スチロール製だったので食べている時が貧祖に感じた。今度は釧路側方面に歩いて『フィッシャーマンズワーフMOO』という観光施設に寄って土産物をいくつか購入し、デザートとしてメロンソフトクリームを食べた。

また一旦ホテルに戻り1時間ほど休憩。腹もこなれてきたので本日5店目、最後の店を狙う。だけど…その前にまた釧路名物を食べたかった。それは北海道名物「ザンギ」だ。最初その存在を知ったのは、かつて横浜駅西口にあった『賽龍』だった。「何だトッピングにザンギって?」と思い注文してみると単なる唐揚げの事だった。唐揚げは我の好物なので喜んだ思い出がある。その「ザンギ」の元祖の店『鳥松』が釧路繁華街にあるというので鶏好きとしては行ってみたかった。引き戸を開け入店。店内は煤けた感じの一杯飲み屋然とした佇まい。厨房には初老のおじいさんとおばあさんとおばさんの3人。席に座るなり「食べてくの?」と聞かれた。持ち帰りもあるらしい。コの字型カウンターに先客8人。口頭で注文。

Torimatu00 Torimatu01 鳥松 『骨付きザンギ』 650円+『ビール』 450円=1100円

メインの「骨付きザンギ」にビールを付けて注文。皿の中にはザンギが7、8個入っていて、中には手羽もある。ザンギというのは中国語の「ザーギー」が訛ってなったらしいが、要は唐揚げの事。ウスターソースに何らかのスパイスを入れた特製ソースが卓上にあり、それをかけて食べるのだとか。ザンギというか唐揚げは出来立てのものはとても美味しい。満足した。

『鳥松』からちょっと歩いた所に本日最後を飾る店がある。『釧路ラーメン河むら』だ。先の『銀水』で修行した店主が平成10年に独立し、今や釧路を代表する店となった。ラーメン集合施設にも積極的に出店していたそうだ。同市内に支店もひとつあるとか。早速入店。奥に長い店内。厨房には男の店員2人。厨房周りにL字型カウンター9席と4人がけテーブル席1卓、座敷に4人がけテーブル1卓。先客7人後客ゼロ。我の入店直後、十数人規模の若者達が入店しようとしたが、店主と思しき男に「今日はムリ!」と追い返されていた。口頭で注文。

Kusirokawamurahonten00 Kusirokawamurahonten01 釧路ラーメン 河むら 釧路本店

『昔風ラーメン』 750円

筆頭基本の醤油ラーメン650円を注文…しようと思ったが、何やら昔風ラーメンというのが気になりそちらを注文してしまった。具が多めにのっているのだそうだ。釧路ラーメンの正道を伝承しようとする店だからもちろん麺はちぢれ細麺、具は薬味ネギ、ほうれん草、細メンマ、赤いナルト1枚、海苔1枚、半味玉、さっぱりチャーシュー2枚。スープは魚系の削り節をベースに鶏がらと玉ネギを加えたものだという。『まるひら』ほど強めではないがあっさり良い出汁をじんわり感じる。例えが微妙なのだがお雑煮のまろやかな美味い出汁を彷彿とさせた。満足の一杯を味わえた。

人によっては極度に偏って見えるかもしれないが、個人的に釧路を堪能出来た一日だった。

« 黒琥基本 | トップページ | 釧路湿原 »

コメント

釧路市民です。1日で釧路の歴史をふまえた店舗を網羅していて感動しました。もしこの来る機会がありましたら、我龍の本カツオラーメンを試してみてください。1日10食限定なので早めにどうぞ。

地元の方にコメントいただけるのが嬉しいです。
この時は生憎の天候だったので、
機会があれば良い天気の日にまた訪問してみたいですね。

ごめんなさい。先日訪問したところ、本カツオラーメンがメニューから消えていました。とりあえず報告します。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 釧路地麺:

« 黒琥基本 | トップページ | 釧路湿原 »